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2025年8月5日火曜日

八月初旬の筑波山登山と自然研究路のアサギマダラ

 8月4日(月)筑波山に登りました。男体山の自然研究路でアサギマダラに会いました。アサギマダラが好む毒性のピロリジジンアルカロイドを含有するヒヨドリバナの花の蜜を吸っていました。6月18日には4匹のアサギマダラが飛んでいましたが、今回は一匹のみでした。

筑波山自然研究路のアサギマダラ(8月4日)

桜川市薬王院の登山者用駐車場に9時40分頃に着き、朝霧に濡れた登山道を鬼ヶ作林道出会いまで歩き休憩しました。

筑波山薬王院コースで鬼ヶ作林道出会いまで(8月4日)

鬼ヶ作林道ではタマアジサイの花が咲き始め、テンナンショウ属のマムシグサの赤い実が目を引きます。イチモンジチョウが飛んでいました。

筑波山鬼ヶ作林道のマムシグサの実とタマアジサイの花

鬼ヶ作林道をしばらく歩き、鬼ヶ作林道から続く裏筑波観光道路に入り、「男の川」や「女の川」を通り「筑波高原キャンプ場」には10時50分頃に到着しました。

鬼ヶ作林道から裏筑波観光道路で筑波高原キャンプ場へ

裏筑波観光道路の砂利道の水たまり付近を一匹のミヤマカラスアゲハが飛び回っていました。ジッと止まることがないのでピントが合いません。大きくて綺麗でした。

裏筑波観光道路の砂利道にいたミヤマカラスアゲハ

キャンプ場で少し早い昼食休憩を取り散策すると、たくさんのコバギボウシの花が咲いていました。フキバッタも見つけました。フキバッタは地域毎にエコタイプがあるとのことで、詳しい名称は分かりません。

コバギボウシの花とフキバッタ類(8月4日)

その後、キャンプ場から女体山頂上を目指し登山道を登りました。道が濡れているので転ばないように注意しました。女体山頂上には結構たくさんの登山客がおられました。

筑波高原キャンプ場から女体山頂上へ(8月4日)

女体山頂上から御幸ヶ原に下る途中でイワタバコの花を見つけました。

女体山頂上付近のイワタバコの花(8月4日)

御幸ヶ原でドリンクを購入して休憩した後、自然研究路を周り薬王院コースで下山しました。

御幸ヶ原から自然研究路を通り薬王院コースで下山

自然研究路でもイワタバコの花を数株見つけました。大きな葉の上にチョコンと花が咲いていました。タマガワホトトギスの花も見つけました。多くは蕾だったので、これからたくさんの花が咲くことでしょう。

筑波山自然研究路のタマガワホトトギス(8月4日)

薬王院コースで鬼ヶ作林道出会いまで下り、アサギマダラが飛んでいることを期待し、ヒヨドリバナの多い鬼ヶ作林道と酒寄林道を歩いて駐車場に戻りましたが空振りでした。

あちこちでクサギの花が咲き、その周囲をクロアゲハやモンキアゲハなどが飛び回り、カメラを持って近づくと林の中に消えます。暑い日でしたが、13時30分頃まで楽しく歩くことが出来ました。


2023年10月27日金曜日

アサギマダラの吸蜜花とピロリジジンアルカロイドの不思議

    今年は10月に雪入山や宝篋山付近でアザミの花の蜜を吸っているアサギマダラに初めて出会いました。7月と8月は暑すぎたので出会えなかったのかなと思っていますが、登山・ハイキングの回数が少なかったせいなのかもしれません。

雪入山付近のアサギマダラ(2023/10/12)

昨年は7月17日に筑波山麓の鬼ヶ作林道で、ヒヨドリバナやアザミの花の周りを数羽が飛んでいました。

ヒヨドリバナとアサギマダラ(筑波山麓 2022/7/17)

アザミの花とアサギマダラ(筑波山麓 2022/7/17)

また、8月1日に那須岳登山口で、ヨツバヒヨドリやヒヨドリバナに群がるアサギマダラを見ることができました。

ヒヨドリバナとアサギマダラ(那須岳登山口 2022/8/1)

ヨツバヒヨドリに群がるアサギマダラ(2022/8/1)

アサギマダラはヨツバヒヨドリやヒヨドリバナ、フジバカマなどのキク科ヒヨドリバナ属の花で吸蜜する印象があったのですが、今年は2回ともアザミの花の周りを飛び回っていました。少し離れた場所にはヒヨドリバナもありましたが花も終わりかけていたので、10月頃にはアザミの花が好まれるのでしょう。

アサギマダラは毒性を示すピロリジジンアルカロイドを体内に蓄え鳥などによる捕食を回避する特性を持つことで有名で、ヒヨドリバナ属がそのピロリジジンアルカロイドを含有する代表的な山野草として良く紹介されています。

 調べて見ると、キク科のアザミ属にもピロリジジンアルカロイドが含有されているとのことです。

 植物毒を蓄えて鳥などの捕食から逃れるように進化した昆虫としては、テントウムシやジャコウアゲハが良く知られていますが、アサギマダラなどのマダラチョウの仲間やヒトリガの仲間も同じ方向に進化した昆虫のようです。

 アサギマダラが蓄えるピロリジジンアルカロイドは蜘蛛には効果てきめんのようですが、カマキリは腹部を残し胸部を食べ、鳥の中でもカラスなどには襲われるとする観察もあるようです。

 喋々など鱗翅目でのピロリジジンアルカロイドの役割について調べてみると、かなり多くの研究が行われていました。

 化学の分野ではピロールは有名のようですが、ピロリジジンの構造に出会うことな少ないようです。


    ピロリジジンアルカロイドに関する総説1)を見ると、ピロリジジンアルカロイドは蝶々など鱗翅目昆虫に対して様々な役割を担っている可能性があるとのことです。

ピロリジジンアルカロイドは、実はキク科を始めとする6000種類以上の植物に含有され500種類もの異なる化合物が存在する2)とのことで、ピロリジジン化合物であればどれでも良い訳ではないようです。


最近、アサギマダラなどマダラチョウではメスを誘引する性フェロモンの前駆体で、かつ雄の交尾行動を活発にするピロリジジンアルカロイドはヘリオトリン(heliotrine)とインターメディン(Intermedine)であることが明らかにされたようです2)

また、これら2種のピロリジジンアルカロイドからマダラチョウの性フェロモンの生合成経路も明らかになっているようです。

 
アサギマダラが最も好む吸蜜花と言われているキク科のヒヨドリバナ属にはインターメディン(intermedine)が含有されているようです4)

今後、キク科等が含有するピロリジジンの組成について調べて見たいと思っています。


参考)

1)本田 計一 : 鱗翅目昆虫とアルカロイド、化学と生物、38(6)359-3671998

2)Xianqin Wei et al. : Current Knowledge and Perspectives of Pyrrolizidine Alkaroid in Pharmacological Application : A Mini-Review, Molecules, 26, 1970 (2021)

3)Keiichi Honda et al.: Uptake of plant-derived specific alkaloids allows males of butterfly to copulate, Scientific reports, 8, 5516 (2018)

4)Steven M. Colegate et al.: Potentially toxic pyrrolizidine alkaloids in Eupatorium perfoliatum and three related species. Implication for herbal use as boneset., Phytochemical Analysis, 29(6), 613-626(2018)