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2023年5月9日火曜日

新型コロナウイルス感染症パンデミックの終了

   WHOは、2020年1月30日に新型コロナウイルス感染症について発出した「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(Public Health Emergency of International Concern:PHEIC)」に関する宣言を、死者数の世界的な減少やワクチン接種・集団免疫の向上などから、2023年5月5日をもって終了するとのことです。

Worldometer やWHOが提供するデータを見ると、中国におけるゼロコロナ政策終了直後の感染増加の取り扱いが異なるようですが、感染者数や死者数は世界的に減少しているようです。


日本では、令和5年3月13日にマスク着用の方針が緩和されました。

また、昨日5月8日には新型コロナウイルス感染症が、2類相当の感染症からインフルエンザと同等の5類に変更されました。

WHOによると新型コロナウイルスへの感染者は累計で現在7億6,500万人を超え、死者数は690万人を超えているようです。

1918年から1921年までの4年間流行したスペイン風邪の感染者数は約5億人で、人口の1/4程度だったといわれているようです1)。現在の人口79億人に換算すると22億人が感染したことになるので、スペイン風邪の感染率は新型コロナの約3倍と計算されます。スペイン風邪による死者数は1,700万人から5,000万人と言われているようなので、これも新型コロナの3倍以上の数値になり、かなり酷い状況だったことが想像できます。

WHOによる緊急事態宣言が終了したことから、感染者数や死亡者数の情報公開が行われなくなるものと思われますので、5月7日現在の各国の総感染者数や死亡率などに注目して表を作成しました。


この表から、感染者の比率や死亡率が国ごとにかなり異なっていることが分かります。こうした情報を正しく読み解くことの難しさを感じました。世界的に膨大な情報が蓄積され、その解析が期待されています。

ワクチン接種は2020年12月8日にイギリスで初めて行われ、日本では現在6回目の接種予約が始まっています。パンデミックは終わりを迎えましたが、やはり将来への不安はまだあるように思います。

今回、新たなm-RNAワクチンが実用化され、医療・医学は確実に進歩していると感じました。

新形コロナウイルス抗体と従来のコロナ風邪による抗体の交差性が明らかになりました2)が、その有効性については議論がなされ、さらに罹患に伴う免疫記憶(imprinting)とその経時的な履歴の重要性も指摘され始めているようです3,4)。

多数の無症状者が確認された一方で、長い間後遺症に悩まされている方々もおられ、そうした違いが何故生じるのか等、今回鮮明になった様々な疑問が解き明かされる事を願っています。


参考)

1)工藤翔二:100年前のパンデミック‘’スペイン風邪’‘の記録、TB-アーカイブだより(2021年5月)

2)Ellen Shrock et al.: Viral epitope profiling of COVID-19 patients reveals cross-reactivity and correlates of severity, Science 370(6520), eabd4250(2020)

3)Marios Koutsakos et al.: Immunological imprinting: Understanding COVID-19., Immunity 56, May 9, 2023.

4)Ziqian Zhou et al..: Immune Imprinting and Implications for COVID-19., Vaccines, 2023, 11, 875.

2022年11月22日火曜日

オミクロン株のワクチン接種

   新型コロナウイルスの感染者数が、日本国内で増加し始め第8派と呼ばれることになったようです。

世界的に無症状感染者はカウントできていない様子ですが、少し前から新規感染者として報告された人数は日本が世界の中で最も多くなっているようです。

12月2日のデータも追加しました。

 12月22日のデータも追加しました。

Worldometerより

ワールドメーター(Worldometer)が提供しているデータによると、人口当たりの感染者数はオーストリアで60.9%になるなど、ワクチン接種が進んでいるにも関わらずヨーロッパで国民の感染者率は5割を超えている国が多いようです。

韓国も51.7%になっていますが、日本は18.9%と低いのでまだ感染が続くのでしょうか。

小学生の下校ボランティアで一緒に歩く生徒や生後7か月の孫娘への感染を避けるため、ファイザーの新型コロナウイルスワクチン「コミナティ・オミクロン株BA.4-5」の接種を、つくば市所在の産総研集団接種会場で昨日受けました。

m-RNAワクチンにお世話になっているので少し調べたところ、コミナティ(BNT162b2 )m-RNAワクチンは塩基総数が4,284個で、RNAを構成する四種類の塩基の内、ウリジンが全てシュウドウリジンになっているとのことでした。

 生体内ではRNAはDNAを鋳型として合成された後、様々な修飾過程を経てそれぞれの生物固有のm-RNAやt-RNA等になるとのことで、その一つがウリジンのシュウドウリジンへの変換のようです。ヒトはシュウドウリジンへの変換率が高いとのことです。

m-RNAのウリジンがシュウドウリジンになるとタンパク質合成が速やかになりかつ自然免疫系による異物排除システムから逃れることができ、安定化するとのことです。

この現象を発見した研究者がカタリン・カリコ(Katalin Kariko)博士で、ビオンテック社の副CEOに就任されているようです。

DNAやRNAを構成する基本的な塩基の構造は高校の理科で習い、確定した事実として認識しているので、修飾されて化学構造が変わった塩基の方が実はタンパク合成が速くなり、さらに自然免疫系を逃れるなどとは想定外でした。

でも嬉しいことに、このシュードウリジンの機能についての最初の論文は自然免疫リセプターの大部分を解析・解明した大阪大学の審良(あきら)博士との共著1)のようです。審良先生は惜しくも2011年の自然免疫に関する研究へのノーベル賞を逃してしまいましたが、m-RNAワクチン開発にも貢献しておられたようです。

今回のパンデミックでは、m-RNAワクチンの開発が多くの人命を救った歴史的な快挙のように感じます。

でも免疫の素人として、やはり気になるのは「Original Antigenic Sin」のことで、今回私が接種したオミクロンBA.4-5ワクチンは、オリジナル株ワクチン接種と比較した場合、生じる中和抗体のレベルが変わらないかも知れないと思われるデータ出ているようです2)。

 病原体は地球上の非病原体から変異したものであり、今後とも変異による病原体誕生が続くとすれば、丸ごとの病原体がもたらす複数の抗原を全て認識・経験し、それらに対す抗体形成履歴を蓄え次に備えることが、自然の中で暮らす生物にとっては有利のような感じがします。

論理明快なm-RNAワクチンに加え、免疫記憶の詳細が解明されるまでは不活化ワクチンや生ワクチンがあってもいいように思います。

 

参考)

1)Katalin Kariko et al.: Incorporation of Pseudouridine Into mRNA Yields Superior Nonimmunogenic Vector with Increased Translational Capacity and Biological Stability., Mol Ther. 2008, 16(11), 1833-1840.

2)Derek Lowe: Omicron Boosters and Original Antigenic Sin., Science, 7 FEB 2022.

 

2022年10月14日金曜日

10月の散歩・ハイキング

   令和4年10月に入り寒暖の差が激しくなっています。数日前には前日との気温差が10℃以上でした。

10月14日早朝にジョンズホプキンス大学が提供する新型コロナウイルスの世界的状況を閲覧しましたが、トータルの感染者数が6億2千万人、死者数が656万人になっていました。

ジョンズホプキンス大学のCOVID-19情報

感染者の実数は、もっと多いものと思われますが、死者数はスペイン風邪の5千万~1億人より一桁少ない状況のようです。

100年前のスペイン風邪の時代より人口が4倍になっていますが、世界的に公衆衛生事情や情報共有の仕組みが各段に進歩し、ワクチンの素早い開発などが功を奏した結果なのでしょうか。

WHOではパンデミック終息宣言が検討されているようです。以前の生活に早く戻って欲しいと願っています。

COVID-19は先が見えたような状況ですが、ロシアのウクライナ侵攻が混乱を極めています。国家主義から民主主義の時代へと世界が共振できるのでしょうか。心配です。

3年前は、グローバルを超えて(ビヨンド)グローカルのやさしい時代が来るという話があちこちであり、期待もしていたのですが。

10月2日は快晴だったので、土浦市の小町の館に車を止め朝日峠から剣ヶ峰までのハイキングをしました。

小町の館駐車場から朝日峠へ出発

朝日峠に向かう登山道の様子

朝日峠では、翅が伸びきっていないウラギンシジミ(雌)に出会いました。朝日峠から剣ヶ峰に向かう山道ではアカスジカメムシを見つけました。ウドの花に止まっていました。

ウラギンシジミ(雌)  アカスジカメムシ 

アサギマダラもいました。

アサギマダラ(10月 2日)

剣ヶ峰頂上では数十人の子供連れのグループが賑やかに昼食を摂っていました。

10月10日には、牛久沼を通りつくば市の高崎自然の森まで歩きました。

牛久沼から刈谷橋に向かう林沿いの道で、シロツバメエダシャクが葉の影に隠れているのを見つけました。結構大きな蛾でした。

シロツバメエダシャク

茎崎交流センターを過ぎて少しあるいたところに、コブハクチョウが一羽いました。

稲荷川のコブハクチョウ

高崎自然の森ではコキアが真っ赤に色づいていました。子供連れなど数組のグループが散策していました。

秋を迎えたつくば市高崎自然の森
 牛久への帰り道、小さなヨウシュヤマゴボウが歩道の隙間に根を張り、重そうに黒い種実を付けていました。

ヨウシュヤマゴボウ

10月に入り生後六か月の孫娘と過ごす時間が長くなりました。その分外出が減っています。

そろそろ、岩手で二カ月ぶりの草刈りをしなければと思っています。


2022年6月5日日曜日

新型コロナウイルス終息への期待と牛久沼周辺の散歩

   新型コロナウイルスのパンデミックは、この6月で2年半になります。世界的な感染蔓延が下火になりつつあるので、ほとんどの国では経済活動を再開する方向に舵を切っているようです。

今現在、世界でどの程度の感染率になっているのか、話題になった国々についてWorldometer( https://www.worldometers.info/coronavirus/)で調べて見ました。2回以上感染している方もいると思われますし、検査実施率が国別にかなり異なるのですが、データ上では感染率が50%を超えている国もあるようです。

この他、WHOやJohns Hopkins University、Our World in Dataなどを始め、日本国内でも詳細なデータが取得・公開されているので、これらが将来に向けた対策に役立つものと感じています。

でも、そろそろできればマスクをせずに散歩できるようになって欲しいです。

6月1日に牛久城跡を経由して牛久沼まで散歩しました。

牛久城跡から牛久沼アヤメ苑への散歩

牛久沼のアヤメ苑では花がぽつりぽつりと咲き始めていましたので、これから見ごろを迎えることでしょう。

牛久沼のアヤメ苑の花

スイレンの花も綺麗でした。

アヤメ苑のスイレンの花

牛久城跡から牛久沼のほとりを散歩している間にたくさんの蝶々に出会いました。

昨年はテングチョウでしたが今年は、筑波山や朝日峠・小町山などでもダイミョウセセリを見かける機会が多いように感じています。今回は、牛久城跡や雲魚亭で飛んでいました。

牛久沼ほとりのダイミョウセセリ

また牛久城跡では相変わらずコジャノメが多いのですが、今回初めてサトキマダラヒカゲを確認することができました。

サトキマダラヒカゲとコジャノメ

牛久沼周辺ではキタテハが飛び始めたようですので、これからたくさん見かけることになるのでしょう。

牛久沼のほとりのキタテハ

また、キタテハより先に出現していたアカタテハも相変わらず素早く飛び回っていました。自宅周辺ではツマグロヒョウモンがパンジーの花の周りを飛んでいましたが良く似ています。

アカタテハとツマグロヒョウモン(雌)

林周辺の道ではクロアゲハとアオスジアゲハが飛んでいるのを見つけましたが、あっという間に林の中に飛び去りました。

林内に飛び去ったクロアゲハとアオスジアゲハ

蝶々の他に蛾も良く見かけますが、葉裏に隠れる種類が多いので写真撮影は難しいです。

タイワンキシタアツバは葉の表面に良く止まるので写真撮影が容易です。幼虫の食草であるカラムシがたくさん生えている場所だったので幼虫も一緒にいました。

タイワンキシタアツバの成虫と幼虫

また、5月中旬には同じ場所で5㎝程度と大型のオオウンモンクチバの写真を撮っていました。アツバ蛾と体形が良く似ているのに、かなり大きくて驚きました。

体長5cm程のオオウンモンクチバ

これから梅雨を迎え蒸し暑くなりますが、天気を確認しながら散歩やハイキングを続けようと思っています。

2022年2月24日木曜日

オミクロン株への感染が少ない国の不思議

   日本ではオミクロン株による1日の感染者数が減り始めています。でも、オミクロン株が最初に急増した沖縄県の状況を見ると高止まりしているようなので、不安になります。今年3月で終息して欲しいです。

インドでも日本とほぼ同じ時期からオミクロン株感染が広がったように思いますが、感染者数はデルタ株を超えることもなく、急激に減少したようです。バングラデッシュやパキスタンもほぼインドと同様のように見えます。

一方、日本よりもワクチン接種が進んでいる韓国は昨日(2月23日)の感染者数が17万人を超えたとのことで、日本の人口に換算すると1日に40万人程度が新たに感染したことになるようです。

韓国と同様に厳しい感染抑制策を行ってきたベトナムも、オミクロン株感染が急増しているように見えます。

また、これまで感染者数が低く抑えられていたオーストラリアやニュージーランドでもオミクロン株による感染者数が急激に増加したようです。

ワクチン接種があまり進んでいないアフリカ諸国の状況を見ると、エチオピアやケニア、ナイジェリアともにオミクロン株感染者が急増したようですが、その後の沈静化は速かったように見受けられます。短期間に収束しています。

このような違いが何故生じているのか不思議に感じています。

インドでは昨年の2月にすでにカルナカタ州で人口の50%の方が新型コロナウイルスに自然感染していた(https;//toyokeizai.net/articles/-/411957)との報道があり、その約1年後にオミクロン株が流行し始めていますので、国民の多くが自然感染を経験していたのではないかと思われます。

新たに出現する変異株への抵抗性は、自然感染を経験した方がワクチン接種よりも有利であるとするハムスターを用いた研究論文(1)が最近出たようですが、興味深いです。

ワクチンの場合もファイザーとモデルナ、あるいはアストラゼネカ等を1回目、2回目、3回目接種時に変えることで抗体価がより上昇することが分かっています(2)が、その仕組みを説明した論文はまだ見つけていません。

一方、自然感染者では無症状などの軽症者の抗体価は低いため、抗体が長く保持できていないとも言われているようです。

誰ももちろん感染したくない訳ですが、こうした国別の感染動向の違いが生じる仕組みを分かりやすく解説した論文等を読みたいと思っています。

最も有力な感染予防はワクチン接種に変わりはありませんし、mRNAワクチンは癌等の原因遺伝子が判明している生活習慣病等の疾病にも利用可能と思われますので、新たな医療技術を実用化したとして歴史的にも評価されることになるのではないかと思っています。

緑膿菌が「たけやぶやけた」の中に感染ファージの遺伝子情報をうずめ込むという原始的な細菌の免疫システムを発見し、米国のダウドナ博士とともにゲノム編集技術の開発者としてノーベル賞を受容したマックスプランク感染研所長のシャルパンティーエ博士が、生物の免疫システムの全体像をどのように捉えているのか聞いてみたいと思ってしまいます。

埋め込みが飽和したら、古い情報に上書きするのでしょうか。免疫情報(エピトープ)に重みづけはあるのでしょうか。

 

参考)

1)Peter J. Halfmann et al.: Long-term, infection-acquired immunity against the SARS-CoV-2 variant in a hamster model.,  Cell reports, 38, 110394, Feb. 15(2022)

2)Thomas Theo Brehm et al.: Low SARS-CoV-2 Infection rates and high vaccine-induced immunity among German healthcare workers at the end of the third wave of the COVID-19 pandemic., International Journal of Hygiene and Environmental Health 238 (2021) 113851.

2022年2月18日金曜日

新型コロナウイルスと老化研究のつながり

    2月中旬を迎え、猛威を振るったオミクロン株への感染がピークを越えたと報じられるようになりました。

でも、感染力が強く小学校、幼稚園・保育園等の児童にも感染が広がったことから、同居する高齢者や基礎疾患を持つ方々への家庭内感染が懸念されているようです。

高齢者施設等では部外者の入室禁止を始め、職員の抗原検査の徹底等を図ることで感染予防が可能になりますが、小さな子供が感染した家庭における在宅感染予防はかなり難しいものと思われます。

オミクロン株への感染による年代別死亡率に関するデータは見つけられませんでしたが、デルタ株感染による年代別死亡率のデータを見ると、ワクチン未接種者では70~79才が3.79%で、年齢が増すごとに急激に増加していることが良く分かります。

もちろん、この死亡率はワクチン接種によりかなり軽減されるようですが、でもやはり、高齢者の致死率が高いことには変わりがありません。

最近この老化(aging)に関する研究者として著名なハーバード大学のシンクレア博士のグループが、新型コロナウイルスへの感染と重篤化の予防にNAD+(ニコチンアデニンヌクレオチド)が有効である可能性が高いと言う報告を出しているようです1)。

NAD+は寿命遺伝子として有名になったサーチュイン(Sirtuin)の活性化やその誘導、あるいは染色体のテロメアの長さの維持等に関与しますが、抗ウイルス作用や抗炎症作用も併せ持つとのことです。

その詳しいメカニズムは複雑なようですが、身体を若く維持する生活を心がけることが新型コロナウイルスを始めとする病原性ウイルスへの抵抗力を高める方法でもあるようですので、大変興味を持ちました。

NAD+の前駆体となるNMN(ニコチンモノヌクレオチド)やNR(ニコチンリボシド)の投与によるCOVID-19予防や症状軽減に関する多くのヒト試験の計画や実施事例が彼らの論文に取りまとめられていました。

ヒト試験に用いられているNMNやNRは、ビタミンB群に属する「ナイアシン」から体内で合成されますので、食事由来のナイアシンも有効なようです。

生体内でのナイアシンからのNAD+生成経路の概要

日本では既に栄養機能食品としてナイアシンを含有する食品が市販されており、栄養機能食品のナイアシンの1日の接種目安量は3.9mg~60mgに設定されていますので安全に摂取することが可能です。また肉類やキノコ、玄米などの食品そのものにも多く含有されています。

一方、生体のNAD+を消費減少させる酵素(CD38:NADase)の阻害剤として知られているフラボノイドのルテオリンも血中の炎症惹起因子であるTNFやIL6等を低減させる2)とのことなので、ルテオリンを含有するピーマン、パプリカ、シシトウなどカプシカム属の果実や葉等も注目されます。

この他、緑茶のEGCGや紅茶のテアフラビン等のポリフェノール類についても、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質のレセプター結合部位(RBD)への結合等による感染抑制の可能性等3~5)、多くの研究報告が行われているので今後勉強してみたいと思いました。

 

参考)

1)Minyan Zheng et al.: NAD+ in COVID-19 Viral Infections., Trends in Immunology、https://doi.org/10.1016/j.it.2022.02.001h

2)I. Tsilioni et al. : Children with autisum spectrum disorders, who improved with luteolin-containing dietary formulation, show reduced serum levels of TNF and IL-6., Transl Phychiatry 5, e647(2015)

3)山田 嘉重ら:カテキンによるSARS-CoV-2スパイクタンパク質とACE2受容体との結合抑制効果に対する基礎的検討, 日歯保存誌, 64(3), 237-247(2021)

4)Eriko Ohgitani et al.: Significant Inactivation of SARS-CoV-2 In Vitro by a Green Tea Catechin, a Catechin-Derivative, and Black Tea Galloylated Theaflavins. Molecules, 2021, 26, 3572.

5)Jinbiao Liu et al.: Epigallocatechin gallate from green tea effectivery blocks infection of SARS-CoV-2 and new variants by inhibiting spike binding to ACE2 receptor., Cell & Bioscience, 2021, 11, 168.

2022年1月22日土曜日

オミクロン株やワクチン接種率向上による無症状者の増加

    オミクロン株による感染拡大が日本でも始まり、1月20日には東京を始め大阪や神奈川などで過去最多の新規感染者数になったようです。

 フランスの1月20日の新規感染者数は39万人(ジョンズ・ホプキンス大学発表)で、日本の1日のPCR検査能力とほぼ同じだったようです。

 なお、フランスはEU最高の新規感染者数46万人を18日に記録したとのことです。46万の数倍を超える膨大な数の検査をどのようにして実施しているのか興味を持ちました。

それにしても、フランスで46万人ということは、日本の人口1億2千6百万人あたりに換算すると、86万人にもなります。1日に86万人の方が感染する状況は想像を超えています。

欧米では、2回のワクチン接種を終え、90%(ポルトガル)から63%(米国)まで「それぞれの国の実情」に合わせた接種率になっているようですが、そろそろワクチンの効果も薄れる時期になり、ブレークスルー感染が多くなっているようです。

 研究報告1)によると、ワクチン接種者の再感染は軽症あるいは無症状が多いとのことです。この研究報告は、オミクロン株への再感染に関するものではなないのですが、軽症や無症状者が多いと言われているオミクロン株も同様の傾向になるものと思われます。

 ワクチン接種が進んだ国には、今では、無症状感染者が多数存在する可能性が高いようです。

無症状者は感染の有無を感知できないので、検査対象者になることもなく日常生活を送ることになり、市中感染が広がるものと予想されます。

診察や治療に当たられている医療従事者は、実情を肌で感じておられることと思いますが、医療関係者以外の者には分かりません。

 地域住民全員を対象にした報告を見つけることができなかったので、全数検査の一例として航空検疫に注目しました。

 厚労省が毎日発表している航空検疫のデータを令和4年1月1日から20日まで集計し、無症状者率の表を作成して見ました。

 その結果、20日間の検疫報告で確認された病原体保持者2813人のうち、無症状者は2252人で、80%であることが分かりました。

 飛行機で入国する方々は、搭乗前の厳しい検査をパスした旅行者なので、一般市民と同じ集団として見ることは適切ではないと思われる方もおられるのかも知れません。病原体保持者の初期の一断面なので、継続観察結果が必要ですが、それなりに興味深い結果であるように思います。

 無症状感染者が多い集団における死亡率の低減には、高リスク集団である生活習慣病者や高齢者等への感染予防が最も重要です。

日本は、メタボ検診などを既に実施しており、高リスク者はそれを自覚し、食生活や運動など生活習慣の改善に加え、感染予防に向けた努力をしているのが強味です。

 これまで実施してきた、超高齢社会における健康政策が新型コロナウイルス禍の中でも役立っているものと思われます。

先進諸国の中で最も検査率の低い状況にありながら、極めて低い死者数のまま推移できたことは、超高齢社会における世界に先駆けた健康施策によるものではないかと感じています。

 

参考)

1)Moriah Bergwerk et al.: Covid-19 infection in Vaccinated Health Care Workers., N ENGL J MED., July 28 (2021).