2020年5月25日月曜日

緊急事態宣言が解除されたのでささやかな手抜き菜園に行きます


本日5月25日に日本全体の緊急事態宣言の解除を政府が決定しました。解除の条件は、「10万人当たりの一週間の感染者が0.5人以下」とのことです。残念ながら、北海道と神奈川はこの条件を満たしていないようですが、全国一律解除に踏み切ったようです。

 近隣のアジア諸国の状況をWorldometerが提供しているデータで確認したところ、逸早く収束に向かったのは韓国で、次いで台湾、タイと続き、日本もほぼ終息に近い状況になっています。一方、フィリピンやインドネシアはまだ感染が継続しています。

 521日現在、日本の致死率(死亡者数/感染者数)は4.7%ですが、タイは1.8%、台湾は1.6%で韓国の2.4%より低い数値になっています。検査数の違いもありますので、単純に比較しても意味がないのかも知れませんが、爆発的な感染が生じた欧米に比べ、極めて低い値になっていることが不思議です。オーストラリアとニュージーランドの感染もほぼ終息を迎えており、致死率はそれぞれ1.4%1.8%と低いので、人種によって感染しやすさや致死率に差異があるようには見えません。

門外漢ですが、なぜこのように感染状況が各国で異なるのか興味がありますので、これからも感染データに注目したいと思っています。

全国の緊急事態宣言は解除されましたが、観光などのために他県へ移動することについては自粛するようにとのことのようです。私の「ささやかな手抜き菜園」は岩手県にあることから、農作業をするためには茨城県から福島県、宮城県を通過して岩手県に移動しなければなりません。3月末以来岩手には出かけておりませんでしたが、そろそろ農産物の種まきや草刈り等がタイムリミットに近づいているので、明日から岩手に出かけようと思っています。草ぼうぼうなんだろうか。心配です。

2020年5月8日金曜日

コアオハナムグリのライフサイクル         コガネムシ、カナブン、ハナムグリ


Stay Homeが合言葉になっていますが、5月5日散歩に出かけました。鯉のぼりがあちこちに飾ってあるはずなのに、今年は全く見かけませんでした。たくさんの子供で賑わう牛久市役所広場での鯉のぼり展示も中止になりました。勿論、人通りも少ないのでかなり違和感というか寂しさを感じました。自粛が徹底していて、みんな凄く律儀だなと思います。

いつもの通り牛久城跡に立ち寄りましたが、実は前回(4月29日)の散歩で牛久城の跡地でコアオハナムグリの集団に遭遇した際、一か所からブーン・ブーンと湧き出るような感じだったので、一斉に羽化したのかなと思っていましたが、調べてみたところそうではなくて、越冬のために地面に潜っていた成虫が一斉に飛び出た瞬間だったようです。その瞬間に偶然遭遇できた訳です。

今回は前回より丁寧に観察し、青色だけではなくて茶色に近い成虫の写真も撮ることができました。また、コアオハナムグリと同じサイズのクロハナムグリの写真も撮ることができました。



カブトムシやクワガタ、コガネムシ、カナブンなどは幼虫で越冬するので、このコアオハナムグリも同じだろうと思っていましたが、違いました。良く見かけるカナブンの1/2程度の大きさの、このコアオハナムグリは秋に成虫になり地面に潜って越冬するとのことです。寿命は1年のようですが中には2年間生き延びる個体もあるようです。クロハナムグリもコアオハナムグリと同じ生活環のようです。

 和歌山県1)と東京都2)でのコアオハナムグリの発生サイクル(生活環)を調査した報告がありましたが、どちらも4月末に越冬した成虫が飛び始め、夏に卵から幼虫、蛹を経て秋に成虫になり様々な花を訪問して栄養を蓄え越冬するということのようです。

 日本で調査されるハナムグリ類には、このコアオハナムグリの他に、ナミハナムグリ、シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリなどがあるようです。実は、すべて見たことがあるのですが、コアオハナムグリ以外はよく見かけるカナブンと同じぐらいのサイズなので、幼虫で越冬するようです。

 なお、コアオハナムグリはミカンの花にも飛んでくるようで、花を食べる際に子房を傷つけ果実に障害が生じることから害虫として駆除されているようです。

 誘引剤としては、アネトールとオイゲノール、ゲラニオールの等量混合物が有効とのことです。これらの誘引物質に魅了されて類似の甲虫が集まる可能性があるので、使ってみたいと思っています。


 コガネムシ、カナブン、ハナムグリの分類は結構難しいようです。これを機会に、見かけたら写真を撮って調べてみたいと思っています。

参考)
1)松浦 誠:コアオハナムグリの発生経過、関西病虫研報、1828-321976
2)岸本 圭子ら:国内外来種を含む訪花性ハナムグリ亜科5種の発生状況、保全生態学研究、22159-1702017


2020年5月4日月曜日

新型コロナウイルス収束に向けた実数把握と助け合い


緊急事態宣言が5月31日まで延長されました。外出自粛が続きます。アジアや欧米での感染は収束に向かうような気配になっており、二巡目の感染がいつ来るのかが話題になり始めています。

でも、それまでに有効性の高い医薬品やワクチンが提供できるのかどうかは不明のままです。サーズ(SARS)やマーズ(MERS)のワクチンができなかったのは、世界的な水際対策が奏功したことによって、感染を逸早く抑制できたからかのように思われていますが、その影で、もしかしたらワクチン開発が難しかったことも一つの原因だったら、大変です。

ユーチューブで Martin HurkensYou rise me up (https://www.youtube.com/watch?v=4RojlDwD07I) を聞いたら、少し涙がでました。年のせい?   イタリアのトリノオリンピックでの荒川静香選手のイナバウワーが目に浮かびました (https://www.youtube.com/watch?v=y_74NLQG9tw) 。早く収束して欲しいです。
You rise me up
世界が困っている時には、企業を含めてほとんどの人は「助けたい、力になりたい」と思っているように感じます。

南アフリカでは抗争するギャングが、この緊急事態を目にして、休戦し困窮者に食事の配達をする役割を担っているそうです。皆人間なのです。いつか死にます。

ワクチン開発を頼りにして、自粛しながら待つことが正しいのかどうかは誰も分かりません。ヘルペスウイルスやHIVのワクチンは長い年月を経てもまだ開発されていません。

ウイルスや病原体の核酸検出(PCR検査)や抗原検査、抗体検査技術の開発は日進月歩で、必要性がありかつ予算が投入されれば急速に進歩するように思います。既にベンチャー企業もクラウドファンディングを活用し活動を始めており心強いと思っています。

一方、フォトン数個を検出する技術を持つ浜フォトや高分子検出で世界をリードする島津製作所等などのような優れた企業の多い日本が、例えば東大や京大等の大学さらに国立研究機関等の英知を集めて抗原や抗体の高感度検出技術開発に一丸となって取り組めば、たぶん早々に現在のPCR検査の困難さを克服した、血液や唾液での新型コロナウイルスの検出技術を開発できたのではないかと素人ながら思います。
現在の技術を駆使した最高水準のキットの作製に取り組み早急に提供し、理想形への改善については予想より期間が長くなっても決して悔いはないと思いますし、ベンチャー事業を評価し応援することになってもいいと思います。思いが一つであれば皆集まると信じます。

この災難に向かい助け合い、今をしっかり生き、将来の災いを消す思いが大事です。

感染者の実数とその分布、そして動態を無理なく簡易に把握することができれば、経済活動の自粛・再開を迷うことなく決定できるはずです。事情主も一緒です。感染させない、感染の場にならないとの重圧に耐えて営業するためには、事実を知る必要があります。
実数が把握できず、予測だけで決定することには誰でも不安があり、失敗を恐れるあまり厳しい措置を継続することになります。市民は事実を知らない方が良いとする方法は、とりあえず最悪の災難を防ぐ方法であって、前例として定着させてはならないと思います。

日本は世界で最も長寿の国を実現し、疾病の治療から予防に向けた医療体制にシフトした結果、他国に比べ医師が少なく薬剤師の増加が顕著になっていますが、この新型コロナウイルスの経験を経て、医師を増加させることによって医療体制にゆとりが生まれるようになることを願っています。
医学部学生数の国際比較
薬剤師数の国際比較
ジョンホプキンス大学のデータによると、国民当たりのPCR検査数が最も多く、既に感染が抑制されているアイスランドでの新型コロナウイルス感染による死亡率は0.6%のようです。若い方のPCR検査率は低いものと予想されることから、実際の死亡率はもっと低いので、今回の新型コロナウイルスについては、病院と高齢者施設さらに就業率の低い高齢者に対する感染を従来以上に厳しく制御する体制を敷くことで、あまり経済活動に影響を与えることなく凌ぐことができるように思われます。

スウェーデンやブラジルでは、たぶん内情は異なるものと思われますが、経済活動の制限を他国より緩くし、当面の労働者の生活を守る方向を重視した新型コロナウイルス対策を行っています。今後数年間継続するものと予想される新型コロナウイルス感染に伴う被害の実数が、それぞれの国の政策の適否を歴史的に決めることになるものと思います。

 今回は、医療関係者に負担をかけない簡易な迅速検査技術の開発が、最も緊急でかつ可能性の高い重点施策だったように思っています。検査の継続よって、抗体の形成率やその安定性・持続性等の特性把握もできるように思います。
 若くして財をなした方々のリーダーシップ期待されています。二巡目に間に合うといいのですが。