2023年10月31日火曜日

筑波山麓秋祭りの「つくば道」を通り筑波山登山

   10月30日(月)に筑波山に登りました。

10月28日から11月5日まで、筑波山麓秋祭りとのことでしたので、北条大池付近の市営平沢駐車場に1030分頃に車を置き、平沢官衙からつくば幼稚園、田井郵便局、普門寺脇を通る「つくば道」で筑波山神社までハイキングしました。

平沢駐車場から普門寺まで

途中、田井地区の菓子屋さんで土産のドーナッツとどら焼き、羊羹を買い筑波山神社まで登りました。

旧筑波山郵便局の前には観光客用の椅子が並べられ、緋色の座布団が敷かれていました。

旧筑波山郵便局での筑波山麓祭りの接待の様子

筑波山神社にはたくさんの方がおられ、私もお参りをしました。

筑波山神社(10月30日)

その後、筑波山ロープウェー駅そばにある「御幸ヶ原コース」登山口から登り始め、中間地点付近にある東屋で一休みしました。

北条大池から筑波山頂上までは「関東ふれあいの道」にも選定されていたようで、片道9.5㎞とのことでした。今日は、19㎞程を歩いたことになります。

ロープウェイ脇の御幸ヶ原コースでの登山

御幸ヶ原には12時半頃に到着しましたが、広場には火を利用できるスペースが設けられていて、炭や蒔等の直火の利用はできないようですが、たくさんの方がガスバーナーでお湯を沸かし食事などを楽しんでおられました。

御幸ヶ原から桜川市の様子が良く見えました。

御幸ヶ原から桜川市方面の眺望(10月30日)

今回は男体山頂上を経由して自然研究路を少し歩き、御幸ヶ原コースで下山しました。

筑波山自然研究路

  午前中は快晴でしたが、午後になり雲が多くなっていました。

「つくば道」をテクテク下りましたが、あちこちにつくば名物の「福来(ふくれ)ミカン」の木があり、黄色に色付いていました。

福来(ふくれ)ミカン

ウチワサボテンの果実がたくさんついている民家の石垣もありました。これほどたくさん果実が付いているのは初めて見ました。

ウチワサボテンの果実

平沢官衙に付くころには曇り空になってしまいました。宝篋山が良く見える道路では、セイタカアワダチソウの花が盛りを迎えているようでした。

宝篋山が正面に見えるつくば道

今はもう秋。よく歌いました。

2023年10月27日金曜日

アサギマダラの吸蜜花とピロリジジンアルカロイドの不思議

    今年は10月に雪入山や宝篋山付近でアザミの花の蜜を吸っているアサギマダラに初めて出会いました。7月と8月は暑すぎたので出会えなかったのかなと思っていますが、登山・ハイキングの回数が少なかったせいなのかもしれません。

雪入山付近のアサギマダラ(2023/10/12)

昨年は7月17日に筑波山麓の鬼ヶ作林道で、ヒヨドリバナやアザミの花の周りを数羽が飛んでいました。

ヒヨドリバナとアサギマダラ(筑波山麓 2022/7/17)

アザミの花とアサギマダラ(筑波山麓 2022/7/17)

また、8月1日に那須岳登山口で、ヨツバヒヨドリやヒヨドリバナに群がるアサギマダラを見ることができました。

ヒヨドリバナとアサギマダラ(那須岳登山口 2022/8/1)

ヨツバヒヨドリに群がるアサギマダラ(2022/8/1)

アサギマダラはヨツバヒヨドリやヒヨドリバナ、フジバカマなどのキク科ヒヨドリバナ属の花で吸蜜する印象があったのですが、今年は2回ともアザミの花の周りを飛び回っていました。少し離れた場所にはヒヨドリバナもありましたが花も終わりかけていたので、10月頃にはアザミの花が好まれるのでしょう。

アサギマダラは毒性を示すピロリジジンアルカロイドを体内に蓄え鳥などによる捕食を回避する特性を持つことで有名で、ヒヨドリバナ属がそのピロリジジンアルカロイドを含有する代表的な山野草として良く紹介されています。

 調べて見ると、キク科のアザミ属にもピロリジジンアルカロイドが含有されているとのことです。

 植物毒を蓄えて鳥などの捕食から逃れるように進化した昆虫としては、テントウムシやジャコウアゲハが良く知られていますが、アサギマダラなどのマダラチョウの仲間やヒトリガの仲間も同じ方向に進化した昆虫のようです。

 アサギマダラが蓄えるピロリジジンアルカロイドは蜘蛛には効果てきめんのようですが、カマキリは腹部を残し胸部を食べ、鳥の中でもカラスなどには襲われるとする観察もあるようです。

 喋々など鱗翅目でのピロリジジンアルカロイドの役割について調べてみると、かなり多くの研究が行われていました。

 化学の分野ではピロールは有名のようですが、ピロリジジンの構造に出会うことな少ないようです。


    ピロリジジンアルカロイドに関する総説1)を見ると、ピロリジジンアルカロイドは蝶々など鱗翅目昆虫に対して様々な役割を担っている可能性があるとのことです。

ピロリジジンアルカロイドは、実はキク科を始めとする6000種類以上の植物に含有され500種類もの異なる化合物が存在する2)とのことで、ピロリジジン化合物であればどれでも良い訳ではないようです。


最近、アサギマダラなどマダラチョウではメスを誘引する性フェロモンの前駆体で、かつ雄の交尾行動を活発にするピロリジジンアルカロイドはヘリオトリン(heliotrine)とインターメディン(Intermedine)であることが明らかにされたようです2)

また、これら2種のピロリジジンアルカロイドからマダラチョウの性フェロモンの生合成経路も明らかになっているようです。

 
アサギマダラが最も好む吸蜜花と言われているキク科のヒヨドリバナ属にはインターメディン(intermedine)が含有されているようです4)

今後、キク科等が含有するピロリジジンの組成について調べて見たいと思っています。


参考)

1)本田 計一 : 鱗翅目昆虫とアルカロイド、化学と生物、38(6)359-3671998

2)Xianqin Wei et al. : Current Knowledge and Perspectives of Pyrrolizidine Alkaroid in Pharmacological Application : A Mini-Review, Molecules, 26, 1970 (2021)

3)Keiichi Honda et al.: Uptake of plant-derived specific alkaloids allows males of butterfly to copulate, Scientific reports, 8, 5516 (2018)

4)Steven M. Colegate et al.: Potentially toxic pyrrolizidine alkaloids in Eupatorium perfoliatum and three related species. Implication for herbal use as boneset., Phytochemical Analysis, 29(6), 613-626(2018)

2023年10月23日月曜日

小町の館から宝篋山への登山・ハイキング

   10月19日(木)に土浦市の小町の館に車を置いて、宝篋山まで登山・ハイキングをしました。

10時半頃に小町の館を出発し、「もみじ谷」などを通り朝日峠展望台公園まで登りました。

小町の館から朝日峠展望公園へ

展望公園付近で一匹のツマグロヒョウモンがコセンダングサの花の蜜を吸っていました。この時期は、コセンダングサの花が好かれるようです。

ツマグロヒョウモン(雄)

朝日峠展望公園からヒノキ林を通り小町山頂上まで登りました。平日でしたが天気が良かったので、数グループが頂上で休んでおられました。

朝日峠展望公園から小町山頂上へ

小町山頂上から宝篋山を目指しましたが、鬼越山付近に立ち入り禁止の札が掲げられていました。国有林で倒木等の危険性があるとのことでした。少し迷いましたが、いつも通っていた登山道を歩かせてもらい、宝篋山頂上までハイキングしました。これから通れないのはかなり寂しいです。

小町山頂上から宝篋山へ

途中の林道にはアザミやキク科の花が咲いていました。どちらも私には同定が難しいです。

林道に咲いていたアザミやキク科の花

ミヤマシキミ(億両)の実が赤く色づいていました。

ミヤマシキミ(億両)

また、一匹のアサギマダラがアザミの花にぶら下がり、蜜を吸っていました。

アサギマダラ(10月19日)

足元から素早く飛び去るテングチョウも見つけました。秋に活動するテングチョウはそのまま成虫で越冬するとのことです。

テングチョウ(10月19日)

宝篋山にはたくさんの方々が休んでおられました。

宝篋山頂上

宝篋山頂上から元来た道を引き返し、小町山頂上から天の川登山コースで下山しました。

小町山の周辺は民有地のようですが、ハイキングの山道が要所要所に詳しく紹介されているので助かります。これまでにほぼ全コースを歩かせて頂きました。

小町山周辺の登山道路の表示

小町山の登山口には登山者のための杖がたくさん用意されていますので、ありがたいです。

小町山登山口

新型コロナ感染症のパンデミックの影響もあり、全国各地で登山者が増え、最近はあちこちで遭難や怪我などによる救助要請が行われているようです。

また、熊による被害もこれまでにない程報道されるようになっていますが、様々対策を勉強して低山への登山は続けたいと思っています。

 

2023年10月14日土曜日

千代田アルプスハイキングとアサギマダラ

  10月12日(木)に土浦市の小町の館駐車場に車を置いて、三ツ石森林公園まで千代田アルプスをハイキングしました。

10時半頃に小町の館を出発し、「もみじ谷」や「水源の森」を通り朝日峠展望台公園まで登りました。

小町の館から朝日峠展望公園へ

  朝日峠に向かう途中の山道でムラサキシジミを見つけました。綺麗でした。

ムラサキシジミ

ウラギンシジミも飛んでいました。快晴で程よく暖かい日よりでしたので、蝶々が日向に出てきたようです。

ウラギンシジミ

朝日峠展望公園ではたくさんのバッタ類やヤマトシジミなどと共にツマグロヒョウモンも数羽飛んでいました。

朝日峠展望公園から表筑波スカイライン道路に出て、ハングライダー飛行場向かいの林道に入り剣ヶ峰まで歩きました。セイタカアワダチソウの花も咲き始めていました。

朝日峠展望公園から剣ヶ峰広場へ

途中、キタテハを数羽見かけました。

キタテハ

また偶然ですが三羽のアサギマダラが山道のアザミの花の周りを飛び回っていました。

アサギマダラ(10月12日)

翅に黒い雄の性紋のある個体と雌の個体が並んでアザミの花の蜜を吸っていました。

アサギマダラの雄と雌

剣ヶ峰頂上広場(360m)では2組のグループが休憩しておられました。

剣ヶ峰から雪入山頂上(345m)を通り秋葉峠を横切り浅間山(344.6m)に登りました。

剣ヶ峰頂上から浅間山頂上へ

頂上から三ツ石森林公園へと下り、東屋で休憩し「森の小屋」に到着しました。

浅間山頂上から三ツ石森林公園へ

そこから舗装道路を歩いて、以前多くの人が水を汲みに来たと言われている「金命水」跡を見学し、青木葉峠までの登り道をテクテク歩きました。

青木葉峠から元来た登山道に戻り、旧ハングライダー飛行場まで行き休憩していると、一羽の黒い蝶が飛んできました。

三ツ石森林公園から秋葉峠へ

翅に白い斑点があるので「モンキアゲハ」のようです。近くに止まりましたが、直ぐに飛んで行きました。写真はピント外れでした。残念です。

モンキアゲハ

今回のハイキングでは、様々な蝶々と出会うことができました。これから冬までの間にたくさん写真を撮りたいと思っています。

 

2023年10月13日金曜日

牛久沼からつくば市高崎自然の森へのハイキング

   10月8日(日)に自宅から牛久沼を経由してつくば市の高崎自然の森までハイキングしました。

牛久沼の散歩道の真ん中に白鳥が座っていたので、刺激しないようにそっとその脇を通りました。

牛久沼の白鳥(10月8日)

牛久沼から稲荷川沿いの道を歩き、刈谷橋を通り過ぎ、野田牛久線を横切り堂免橋に到着しました。そこには高崎自然の森まで1.7㎞の表示がありました。

牛久沼から稲荷川沿いの散歩道(10月8日)

さらに進むと右手に高崎自然の森が見えました。牛久沼からのハイキングは3回目ですが、高崎自然の森にはブルーベリー刈りを始め、時々訪れています。

稲荷川沿いの道には車の轍がありますが、不思議なことに人や車が通る部分にはオヒシバが生え、踏み荒らされることのない道路脇にはメヒシバが生えていました。かなり明瞭に分かれています。

稲荷川沿いの散歩道のオヒシバとメヒシバの棲み分け

調べて見るとオヒシバは一年草ながら越年草のオオバコなどと共に踏み付けられる路上やグラウンド、駐車場などに成立する踏跡群落の構成植物のようです1)。メヒシバ・オヒシバ群落に踏み付けなどの外的要因が加わり、踏みつけられる頻度の高い轍内部はオヒシバが優占種になったのでしょう。

また、オヒシバについては除草剤のグリホサートへの抵抗性が報告され話題になっているようです。

グリホサート(商品名:ラウンドアップ)はベンゼン環を持つアミノ酸であるフェニルアラニンやチロシン、トリプトファンの生合成を阻害する作用を持つので、ほとんどの植物を枯死させることができるとのことですが、オヒシバやボウムギ、ネズミムギ、コヒメヒユなどに、抵抗性株が出現しているとのことです。

抵抗性獲得のメカニズムに関する研究もおこなわれていました2)。植物体内でベンゼン環を合成するシキミ酸経路の鍵酵素である、5-エノールシキミ酸 3-リン酸合成酵素(5-Enolpyruvylshikimate-3-phosphatesynthase)の106番目のプロリンがセリンやトレオニン、アラニンなどに変異し、グリホサートが結合できなくなるようです。新型コロナウイルスの変位株の発生事例と同じような仕組みです。


高崎自然の森に着くまでの川沿いにはモンシロチョウやヤマトシジミがたくさんいました。ウラギンシジミとカマキリも見つけました。

ウラギンシジミ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、カマキリ

高崎自然の森のコキアは色づき始めていました。

高崎自然の森のコキア(10月8日)

森の木々の紅葉はまだまだのようですが、秋の気配を感じました。

高崎自然の森の様子(10月8日)

「あそびの森」をとりまくヤマザクラの木には季節外れの花が少し付いていました。

ヤマザクラなどの季節外れの花(10月8日)

日曜日なので、あちこちの椅子や芝生に子供連れの方々が休んでおられました。

睡蓮の池(10月8日))

睡蓮の池を通って牛久まで戻りました。

参考)

1)小林 剛ら:踏跡群落に生育するオオバコとオヒシバの踏みつけ耐性と光合成、水関係に基づく微小生育地の差異、雑草研究41126-1271999

2)富永 達:雑草のグリホサート抵抗性の進化とその機構、膿瘍及び園芸、90(1)、126-1332015