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2023年10月13日金曜日

牛久沼からつくば市高崎自然の森へのハイキング

   10月8日(日)に自宅から牛久沼を経由してつくば市の高崎自然の森までハイキングしました。

牛久沼の散歩道の真ん中に白鳥が座っていたので、刺激しないようにそっとその脇を通りました。

牛久沼の白鳥(10月8日)

牛久沼から稲荷川沿いの道を歩き、刈谷橋を通り過ぎ、野田牛久線を横切り堂免橋に到着しました。そこには高崎自然の森まで1.7㎞の表示がありました。

牛久沼から稲荷川沿いの散歩道(10月8日)

さらに進むと右手に高崎自然の森が見えました。牛久沼からのハイキングは3回目ですが、高崎自然の森にはブルーベリー刈りを始め、時々訪れています。

稲荷川沿いの道には車の轍がありますが、不思議なことに人や車が通る部分にはオヒシバが生え、踏み荒らされることのない道路脇にはメヒシバが生えていました。かなり明瞭に分かれています。

稲荷川沿いの散歩道のオヒシバとメヒシバの棲み分け

調べて見るとオヒシバは一年草ながら越年草のオオバコなどと共に踏み付けられる路上やグラウンド、駐車場などに成立する踏跡群落の構成植物のようです1)。メヒシバ・オヒシバ群落に踏み付けなどの外的要因が加わり、踏みつけられる頻度の高い轍内部はオヒシバが優占種になったのでしょう。

また、オヒシバについては除草剤のグリホサートへの抵抗性が報告され話題になっているようです。

グリホサート(商品名:ラウンドアップ)はベンゼン環を持つアミノ酸であるフェニルアラニンやチロシン、トリプトファンの生合成を阻害する作用を持つので、ほとんどの植物を枯死させることができるとのことですが、オヒシバやボウムギ、ネズミムギ、コヒメヒユなどに、抵抗性株が出現しているとのことです。

抵抗性獲得のメカニズムに関する研究もおこなわれていました2)。植物体内でベンゼン環を合成するシキミ酸経路の鍵酵素である、5-エノールシキミ酸 3-リン酸合成酵素(5-Enolpyruvylshikimate-3-phosphatesynthase)の106番目のプロリンがセリンやトレオニン、アラニンなどに変異し、グリホサートが結合できなくなるようです。新型コロナウイルスの変位株の発生事例と同じような仕組みです。


高崎自然の森に着くまでの川沿いにはモンシロチョウやヤマトシジミがたくさんいました。ウラギンシジミとカマキリも見つけました。

ウラギンシジミ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、カマキリ

高崎自然の森のコキアは色づき始めていました。

高崎自然の森のコキア(10月8日)

森の木々の紅葉はまだまだのようですが、秋の気配を感じました。

高崎自然の森の様子(10月8日)

「あそびの森」をとりまくヤマザクラの木には季節外れの花が少し付いていました。

ヤマザクラなどの季節外れの花(10月8日)

日曜日なので、あちこちの椅子や芝生に子供連れの方々が休んでおられました。

睡蓮の池(10月8日))

睡蓮の池を通って牛久まで戻りました。

参考)

1)小林 剛ら:踏跡群落に生育するオオバコとオヒシバの踏みつけ耐性と光合成、水関係に基づく微小生育地の差異、雑草研究41126-1271999

2)富永 達:雑草のグリホサート抵抗性の進化とその機構、膿瘍及び園芸、90(1)、126-1332015

 

2021年10月19日火曜日

ひたち海浜公園のコキアとベタレイン系色素

   1016日(土)に茨城県ひたち海浜公園のコキアを見てきました。開園30周年とのことです。

ひたち海浜公園のコキア

コキアがまだ紅葉していない89日にも行きましたが、様々な乗り物やアスレチック、水遊び広場、大草原、自然の森などがあり、好みに応じてそれぞれ楽しめるようになっていました。

見晴らしの丘の様子

紅葉前の見晴らしの丘(8月9日)

コキアの紅葉の時期に訪れたのは初めてでしたが、ニュースで報じられていたようにたくさんの方が連なって、赤く染まったコキアを眺めていました。海外の方々も家族連れでたくさん来られていました。

見晴らしの丘からの眺め

見晴らしの丘からの眺め(8月9日)

8月9日に訪問した際には、「見晴らしの丘」一面が緑色のコキアに覆われていて、綺麗だなと思いましたが、やはり紅葉したコキアに覆われた丘はより一層綺麗に感じました。ネモフィラの開花時期にも来たいと思いました。

コスモスも綺麗に咲いていました。

満開のコスモス

たくさんの訪問客がいるので、様々な食べ物ショップが園内の道沿いに開店していて、人気店には行列ができていました。

イベントとして筑波山で行われる「ガマの油売り口上」が開催されていましたので見学しました。

また、サイクリングも初体験しました。園内を一周できるサイクリングコースが設けられていて、様々な場所に駐輪でき楽しかったです。公園内の全貌を良く知るためには、サイクリングが便利なようです。

サイクリングやイベントへの参加

コキアはヒユ科バッシア属の仲間で、和名はホウキギ(ホウキグサ)と呼ばれているとのことです。以前はヒユ科コキア属の仲間とされていたので、今でもコキアと呼ばれ親しまれているようです。

コキアの紅葉に関与する色素に興味を持ったので調べて見ました。

コキアは、ほうれん草やビート、アカザやシロザの仲間で、以前はナデシコ目アカザ科に分類されていて、現在はナデシコ目ヒユ科に統合されたとのことです。

不思議なことに、このナデシコ目に属するヒユ科などの植物は赤系の色素として独自のベタレイン類を含有していて、樹木などの紅葉に関与するアントシアニンは含有していないと言われていたようです。

その理由としてアントシアニン合成の後半部分が阻害されているためであることが、最近日本の研究者によって報告1)されていました。

コキアの属するナデシコ目のアントシアニン合成阻害

  コキアもアントシアニンを合成できないものと予想されるので、ウクライナの伝統料理であるボルシチに使用される赤ビート(テーブルビート)と同じ系統のベタレイン系色素が、紅葉の原因物質になっているものと類推されます。

 旧アカザ科のベタレインに関する研究は、キノアについて良く実施されていて、キノアはフィロカクチン(phyllocactin)とブルガキサンチン(Vulgaxanthin)を含有している2)とのことです。もしかしたらコキアも類似する化合物を含有しているのかも知れません。

旧アカザ科のキノアに含まれるベタレイン色素

 残念ながら、コキアそのものの色素に関する研究報告は見つけることが出来ませんでした。

ベタレイン色素は食品用の色素として利用可能なので、有機合成法による青色のベタレイン色素の開発も行われていました3)

 昨年(2020年)ノーベル賞を受賞したゲノム編集(クリスパーキャス9)など最新の育種技術によって青色ベタレインを生成するコキアが出来ると、カラフルになるな~と思いました。

 ナデシコ目のオシロイバナの花色もベタレインのようですが、確かに青色の花は見たことがありません。

参考)

1)Masaaki Sakuta et al. : Anthocyanin synthesis potential in betalain-producing Caryophyllales plants., J. Plant Res., 134(6), 1335-1349(2021)

2)Paula Henarejos-Escudero et al.: Development of Betalain Producing Callus Lines from Colored Quinoa Varieties (Chenopodium quinoa Willd)., J. Agric. Food Chem., 66(2), 467-474(2018)

3)B.C.Freitas-Dorr et al.: A metal-free blue chromophore derived from plant pigments., Science Advance, 6, eaaz0421(2020)