2022年8月28日日曜日

八月下旬の筑波山登山

   8月15日に岩手から車で牛久市に戻り、23日に筑波山に登りました。

曇りの天気でしたが、筑波山頂上付近は霧に包まれていました。つくし湖駐車場に車を止め薬王院を経て鬼ヶ作林道を通り筑波高原キャンプ場まで歩き、キャンプ場コースで女体山頂上に登りました。その後、男体山の自然研究路を周り薬王院コースで下山しました。

つくし湖 → 薬王院 → 鬼ヶ作林道出会い → キャンプ場

頂上付近は霧でしたが、女体山頂上付近でヤマジノホトトギスの花を見つけました。たくさん咲いていました。

筑波山のヤマジノホトトギス(8月23日)

花の赤い斑点が多いものから、ほぼ無いものまで結構バリエーションがありました。ヤマジノホトトギスには、そのシロバナ種であるシロバナヤマジノホトトギスもあるそうなので、交雑するのでしょうか。

筑波山ヤマジノホトトギスの花の比較

自然研究路では筑波山のガマに出会いました。まだ若い蛙のようでした。

筑波山頂上付近の蛙

薬王院から筑波高原キャンプ場までは、のんびりと林道を歩きました。キンポウゲ科センニンソウ属のボタンヅルとセンニンソウの花が道端にたくさん咲いていました。

筑波山麓鬼ヶ作林道のボタンヅル(8月23日)

筑波山麓鬼ヶ作林道のセンニンソウ

ボタンヅルとセンニンソウの花は花弁の長さや花の密集度が違うように感じますが良く似ています。花より葉の形を比べるとその違いが分かりやすいようです1)

昆虫はあまり見かけませんでしたが、一羽のイチモンジセセリがボタンヅルの花の蜜を吸っていました。

ボタンヅルの花の蜜を吸うイチモンジセセリ

クサギの花もあちこちで咲いていました。アゲハチョウが一羽せわしくその花の上を飛び回っていました。

クサギの花の蜜を吸うアゲハ

真夏の日中は昆虫類に出会う機会が少なるなるのですが、ハゴロモ類はこの時期に良く見かけるように感じます。桑の葉やフジヅル、ヤブガラシなどがあると近寄って探してみたくなります。

今回もアオバハゴロモを見つけましたが、ほとんどの場合アオバハゴロモなので、ベッコウハゴロモやアミガサハゴロモなどの別種を期待してしまいます。

アオバハゴロモ

7月にはネムノキの花が綺麗に咲いていましたが、8月の末にもなると花は全く見あたりません。同じマメ科で5~6月に黄色い花が連なって咲くジャケツイバラの実が完熟になり、鞘の口が開いていました。

ジャケツイバラの実(8月23日)

筑波山麓のジャケツイバラ(5月15日)

今まで暑い暑いと思っていたのに、秋の気配を感じたような気がしました。早いです。

 

参考)

1)小林浩二:近縁な植物の比較 センニンソウ・ボタンヅル、新潟県植物保護、第16号、3~5p19949月)


2022年8月19日金曜日

お盆帰省途中の蔵王観光とヤマハハコ

   8月10日から孫達と総勢6人で岩手に出かけました。お盆帰省です。

途中仙台の秋保温泉で一泊し、久しぶりに蔵王観光に出かけました。

蔵王エコーラインは空いていましたが、蔵王山頂レストハウス前の駐車場はほぼ満車の状態でした。

「御釜」は相変わらず綺麗でした。

蔵王の御釜(8月11日)

仙台に住んでいた頃にはほとんど登山はできなかったのですが、今後蔵王連峰の縦走コースに挑戦したいと思っています。

古希を過ぎてから山登りにはまるとは思っていませんでした。コロナによる自粛生活がそのきっかけになり、おかげで3年で体重が8㎏ほど減りました。でも残念なことに、たるんだ皮膚に皺が増えています。

蔵王の御釜付近にヤマハハコの白い花とオノエイタドリの赤味がかった花がたくさん咲いていました。

蔵王のヤマハハコ

蔵王のオノエイタドリ

オノエイタドリはタデ科に属するイタドリの変種で亜高山から高山帯に生えるとのことのようです。8月1日に行った那須岳に多いウラジロタデの花は白いのですが、良く似ているように感じました。

アキノキリンソウ類の花もありました。

アキノキリンソウ類の花

蝶々は見かけませんでしたが、キアゲハの幼虫がセリ科植物の傍にいました。黒縞が太くしっかりしていて綺麗な幼虫でした。

蔵王のキアゲハの幼虫

ハナアブは良く飛んでいるようでしたが、ヤマハハコの白い花の上にいたナミホシヒラタアブが目に止まりました。

蔵王のナミホシヒラタアブ

短時間の観光でしたが、4人の孫とともに懐かしく「御釜」を見ることができました。

2022年8月9日火曜日

那須の朝日岳登山と清水平ハイキング

   8月1日に那須の峠の茶屋駐車場に車を止め、朝日岳に登り清水平まで往復しました。

6月30日に訪れた際には、強風のため峰の茶屋跡から引き返しましたが、今回は晴天で風もなく絶好の登山日和でした。

駐車場には8時頃に到着しましたが、平日だったこともあり利用率は1/3程度でした。

登山口から少し歩くと茶臼岳が青空の中にそびえていました。朝日岳もクッキリ見え綺麗でした。

同伴の家内は清水平までは無理とのことだったので、峰の茶屋の少し前から単独行動になりましたが、帰りは12時頃に峰の茶屋付近で合流し、一緒に昼食を摂り下山することができました。

朝日岳への登山は初めてでしたが、登山路が岩路で狭く急峻だったので、かなり注意しながら登りました。


朝日峠登山路から茶臼岳を望む

晴天の中での朝日岳方面からの茶臼岳や峰の茶屋跡の眺望は最高でした。雄大です。

往路は朝日岳に登頂せず、朝日の肩から清水平に向かいました。振り返ると朝日岳と茶臼岳が遠くに見えました。

清水平に向かう登山路からの朝日岳方面の様子

朝日の肩から1900m峰までは登りが続き、それを下ると清水平の木道が見えてきました。

木道を少し歩くと北温泉への分岐点に到着しました。清水平の中心部のようです。

清水平は風もなく広々とした空間でした。頭上の雲は朝日岳の方向に流れて行きます。静かでした。

清水平から朝日岳を望む

木道が途切れると灌木に囲まれた登山路を進むことになりました。

三本槍岳まではかなりの道のりのようなので、家内との合流も考慮し、救助用の標識40番から峰の茶屋に引き返すことにしました。

三本槍登山路から見た清水平

1030分でしたので、2時間半歩いたことになります。1900m峰の向こうに朝日岳が小さく見えました。

折り返して歩き始めた頃から朝日岳に雲がかかり始めました。

でも折角なので、朝日岳にも登ることにしました。頂上は霧の中でしたが、頂上手前からの眺めは素晴らしく遠くの山々がクッキリと見えました。

朝日岳頂上への登山路からの眺望

朝日岳から下る登山路にも霧がかかり始めましたが、間もなく消え無事に峰の茶屋跡にたどり着きました。

朝日岳方面から峰の茶屋跡へ下山

今回も山野草の写真をたくさん撮りました。

朝日岳頂上付近の山野草の花

特にツリガネソウ属のシャジン類の花が可憐で目にとまりました。


ツリガネ属シャジン類

駐車場付近にあるヨツバヒヨドリの花にアサギマダラが群がっていました。

ヨツバヒヨドリの花にむらがるアサギマダラ

三本槍岳まで行けなかったのは残念ですが、清水平を初めて歩くことができました。今回は、10人以上のグループや熟年夫婦、若いカップル、さらに犬と一緒の方など多くの登山者とすれ違いました。改めてスケールの大きな人気の高い登山コースだなと感じました。

2022年8月8日月曜日

牛久沼周辺のアオバハゴロモ、ベッコウハゴロモ、スケバハゴロモ、アミガサハゴロモ

    仙台市在住中にハゴロモ類に興味を持ち、散歩の際に写真を撮っていましたが、頻繁に見かけるアオバハゴロモの他にベッコウハゴロモを時々見かける程度で、スケバハゴロモやアミガサハゴロモには会えませんでした(20198月26日ブログ)。

牛久でも散歩やハイキングの際に気にかけていましたが、昨日(8月7日)の牛久沼散歩で、ようやく4種類のハゴロモ類の写真をまとめて撮ることができました。

偶然にもその内の3種類が、カシの木の林から道端に伸びた藤の蔓に集まっていました。

ベッコウハゴロモ、アオバハゴロモ、アミガサハゴロモ
(8月7日)

牛久沼周辺で草木の茎や枝についた白い綿毛を目印にしてハゴロモ類を探すと、これまではほとんど全てがアオバハゴロモでした。

アオバハゴロモ

アオバハゴロモの集団

でも、今回(8月7日)はベッコウハゴロモを数匹見つけることができました。葉の陰にポツンポツンと一個体ずつ止まっていました。

ベッコウハゴロモ

ベッコウハゴロモ

実は、7月31日に牛久沼周辺を散歩した際に背の高いオオブタクサの茎に白い綿毛がたくさんあったので覗いてみたところ、スケバハゴロモの集団がいました。初めて見ました。10本以上の茎にびっしり連なっていたのでびっくりしました。最初は黄色い花が咲くイヌキクイモやオオハンゴンソウの茎だと思ってしまいましたが、穂状の花が付くオオブタクサのようです。

スケバハゴロモ

スケバハゴロモの集団と終齢幼虫

8月7日にも覗いてみましたが、大部分が飛び去っていたもののまだかなりの個体を確認することができました。

スケバハゴロモは以前桑園にたくさんいる害虫の一つとしてとらえられていたようです1)

アオバハゴロモとベッコウハゴロモそしてスケバハゴロモを確認できたので、残りのアミガサハゴロモを何とか見つけたいと思いながら、林を覗いていたところ、偶然にも3種類のハゴロモが同じ枝に止まっていたので幸運でした。

アミガサハゴロモは2個体いました。

アミガサハゴロモ

7月9日に土浦市の朝日峠に登った際、アオキの幹にハゴロモ類の幼虫群がいるのを見つけました。でも、成虫が近くにいなかったのでその種類はわかりませんでした。

アミガサハゴロモの幼虫

終齢幼虫のお尻の部分が肌色なのはベッコウハゴロモとアミガサハゴロモのようですが、毛の密度が濃くしかも真っ白なので、アミガサハゴロモだったのではないかと思っています。

アミガサハゴロモの幼虫はカシ類の幼木に寄生するとのことなので、次はアミガサハゴロモ成虫の集団を見つけたいと思っています。

今回の牛久沼周辺の散歩では、ムラサキシジミの写真も撮ることができました。久しぶりです。

ムラサキシジミ

牛久観光アヤメ苑の蓮の花もそろそろ終わりのようです。蓮の実が出来始めていました。

牛久沼アヤメ苑の蓮の花(8月7日)

  青色の蓮の花はまだないようです。睡蓮の青花はあるそうですが、多羅尊菩薩に頼る訳ではないのですが、バラの花と同じように青花蓮を日本が提供できるといいなと思いました。

参考)

1)井上 昭司:スケバハゴロモの生態と越冬卵の防除、蚕糸研究、110号、123-1311979

2022年8月7日日曜日

裏岩手縦走路トレッキングへの2回目の挑戦

    7月20日からの岩手滞在中はあまり天候に恵まれませんでしたが、7月25日は午後から晴れ時々曇りとの予報だったので、早朝から八幡平の裏岩手縦走路に出かけました。 

八幡平頂上付近は朝方雨が少し降ったような感じで、あたりは霧に包まれていましたが、畚岳(もっこだけ)駐車場に車を止め9時少し前から大深岳を目指して歩き始めました。

畚岳と諸桧岳(もろびだけ)の分岐点から諸桧岳方面に向かいましたが、登山路の草が露まみれになっていたので、直ぐに登山靴が濡れ、ズボンも濡れ、靴下も濡れてしまいました。

でも、雨に濡れたモミジバカラマツやイワオトギリが登山路にたくさんあり綺麗でした。

雨に濡れたモミジカラマツとイワオトギリ

笹などの下草刈りが行われていましたが、ヨツバヒヨドリやツリガネニンジンの高山型のハクサンシャジンなどの草花はみなきちんと保護されていて感激しました。

ヨツバヒヨドリ     ハクサンシャジン

幸いにも同じ道を戻る際には、石沼などの沼も綺麗に見えましたし、登山路も快適に歩くことが出来ました。


登山路の往路と復路の様子

大深山荘には11時頃に着きました。少し休憩し、大深岳を目指し歩き始めた頃から、時々日が射すようになり天候が回復し始めました。

大深岳頂上に着く頃には青空も見え始めたので、源太ヶ岳まで足をのばしました。

大深岳から源太ヶ岳への登山路は景色のいい稜線経路でした。

大深岳から源太ヶ岳へ

源太ヶ岳頂上

源太ヶ岳の頂上からは松川地熱発電所を見下ろすことができました。

源太ヶ岳から松川地熱発電所を望む

源太ヶ岳から大深岳の登山路に戻り、水場を通り大深山荘に戻りました。水場で冷たい水を飲み、ペットボトルに水を汲みました。命の水です。

大深山荘の水場付近の景色

大深山荘から嶮岨森、諸桧岳を通り無事畚岳駐車場に戻ることができました。

天候が回復した源太ヶ岳付近ではたくさんのトンボが飛んでいました。トンボがいるので小さなハエや蚊などが少なかったのでしょうか。

登山路でイカリモンガとチャバネセセリに会いました。天候がいまいちでしたので蝶々などはあまり見かけませんでした。すこし残念です。

イカリモンガ     チャバネセセリ

靴下まで濡れてしまいましたが、午後に天候が回復し、裏岩手縦走路の景色を楽しむことができました。かなり頑張ったので、15時頃に無事駐車場に戻ることが出来ました。

裏岩手縦走路2回目の経験でしたが、また次の経路を良く考えて挑戦したいと思っています。