7月23日に一本杉登山口駐車場に車を止め姫神山に登りました。
姫神山の登山口には一本杉登山口、こわ坂登山口、田代登山口、城内登山口の四コースがあるようです。
これまでは一本杉登山口から登っていましたが、今回は田代登山口から登り一本杉登山口に下山しました。
一本杉登山口駐車場から田代登山口までのハイキングはかなり距離がありましたが、姫神山への登頂は一本杉登山口からの登頂より距離が短く容易に感じました。
一本杉登山口から田代登山口への林道の両脇にはたくさんのオオウバユリの花が咲いていました。ウバユリやオオウバユリを見かけたことはあまりなかったので、驚きました。
オオウバユリの開花 |
オオウバユリはウバユリの変種で日本の中部以北に分布しているとのことです1,2)。
オオウバユリの花 |
興味深いことにウバユリとオオウバユリは「一回繁殖型植物(一回結実性植物)」で、ササやタケと同様に一生に一度、開花・結実したのち鱗茎ともども枯死するとのことです。
北海道では種子繁殖後7~11年で開花することがわかっているようです。但し、娘麟茎が数個形成される場合もあり栄養繁殖も確認されているようです。
ウバユリ(姥百合)は、花が咲く頃には葉(歯)が無くなっていることから命名されたようですが、オオウバユリには葉が残っている場合が多いとのことでした。
英名はハートリーフ・リリー(heartleaf lily)、ウバユリ属(Cardiocrinum)はギリシャ語で心臓(Cardio)百合(crinum)のようです。
オオウバユリの生活史(7~11年)の概要 |
ウバユリには地域変異が多数確認されているとのことなので、姫神山のウバユリは「ヒメカミウバユリ」として保護・保存され観光資源(古代食など)になるといいなと思いました。
岩手では、雪を溶かすザゼンソウの発熱の仕組み3)や猫が好むマタタビのイリドイド類が蚊の忌避物質であること4)などが解明され話題になっていますので、ウバユリも注目されることを期待しています。
今回、姫神山頂から岩手山は見えませんでしたが、頂上の岩場にクガイソウやウスユキソウが咲いていました。
姫神山頂上の花々 |
一本杉登山口の草原には、ミドリヒョウモンやジャノメチョウ、セセリチョウなどが飛んでいたので、しばらく追いかけて写真を撮りました。
ミドリヒョウモン |
ジャノメチョウ |
生憎の曇り空で少し霧もありましたが、初めての田代登山口からの登頂は楽しいウォーキングトレイルになりました。
こわ坂登山口や城内登山口からの登山もしてみたいと思いました。
参考)
1) 谷 友和:落葉広葉樹林における大型林床植物の生長戦略、J. Phytogeography and Taxonomy 62, 61-67 (2015)
2) 大原 雅:多様な環境に適応・進化してきた林床植物の生活史戦略、北海道大学公開講座、H23公開講座、第2回レジュメ原稿、8月30日
3)
Yui Umekawa et al.: The
biochemical basis for thermoregulation in heat-producing flowers., Sci. Rep.
2016, 6. 24830.
4)
Reiko Uenoyama et al.: Domestic
cat damage to plant leaves containing iridoido enhances chemical repeliency to
pests. iScience, 2022.104455.
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