11月9日に牛久市の奥野生涯学習センターに車を置いて、そこから牛久大仏まで散歩する「牛久大仏散策コース」を歩いてみました。途中で迷ったりしながら3時間ほど散策ましたが、やはり何といっても牛久大仏の大きさには驚かされます。今回は施設内には入りませんでしたが、以前に大仏体内に設置されたエレベータで胸のあたりまで登り、展望窓から外を眺めたことが数回あります。
牛久大仏(11月9日) |
大仏に至る散歩道には大根畑が広がっていました。「牛久河童大根」が牛久市の特産物のようです。これまで全く知りませんでした。
牛久の大根生産地(11月9日)
|
牛久大仏からの帰り道ツマグロヒョウモンが道路に止まっていましたので、写真をとりました。また、道端にはカラスウリが沢山実をつけていました。
カラスウリとツマグロヒョウモン |
牛久市は大根の生産地ということを知りましたので、大根について少し調べることにしました。大根はこれからの季節はおでんの具として欠かせないものの一つになりますが、何と言ってもジアスターゼという消化酵素が豊富で健康に良いとのいう話が気になります。
ジアスターゼは、発芽大麦抽出液に存在するデンプン分解酵素を発見したフランスの研究者によって1883年に名付けられた酵素名のようですが、その後これまで活発な研究が行われ、現在はアミラーゼと呼ぶのが一般的になっていて、さらにα-アミラーゼ(EC 3.2.1.1)とβ-アミラーゼ(EC 3.2.1.2)、グルコアミラーゼ(EC 3.2.1.3)に区分されるようになっています。植物の多くは、主要なアミラーゼとしてデンプンからマルトースを生産するβ-アミラーゼを含有するものが多いようですが、ニンジンだけはデンプン分子の内部をランダムに切断するα-アミラーゼを多く含有しているようです。
実は、α-アミラーゼ活性とβ-アミラーゼ活性を簡便に測定することは中々難しかったようで、最近になりマルトトリオース(グルコース3個)に発色剤を結合した基質がβ-アミラーゼの活性を測定するために優れているということが分かったようです。
|
ところで、大根のアミラーゼ活性は本当に強いのでしょうか。農水省の研究所のデータでは品種によって7倍程度の違いがあることが分かっているので、一概には言えないかも知れませんが、弘前大学が1993年に実施した研究ではヤマイモ>カブ>ダイコン>ニンジン>キャベツ>パセリ>ネギ>レタス>キウリの順であり、ダイコンはヤマイモには及ばないものの結構アミラーゼ活性が強いグループに属するということです。 |
生食野菜類のアミラーゼ活性の比較 |
参考)
1)河野昭子ら:植物中に存在するα-及びβ-アミラーゼ活性比率の簡易評価法開発とその食材への応用、日本家政学会誌、62(11)、701-707(2011)
2)石井現相ら:栽培条件がダイコンの全糖及びミタミンC含量、β-アミラーゼ活性に及ぼす影響、Japan soc.
Hort. Sci., 55(4), 469-475(1987)
3)加藤陽治ら:生食野菜類のアミラーゼ活性、弘前大学教育学部教材教育紀要、第17号、49-57(1993)
0 件のコメント:
コメントを投稿