2019年11月10日日曜日

稲の2番穂と食品用3D-プリンター


11月7日に牛久沼に行って来ました。風が強く、いつも滑らかな湖面に波が立っていました。秋も深まり湖岸のセイタカアワダチソウの花は茶色になってしまいました。
牛久沼の様子(11月7日)
河童の石碑(左)、雲魚亭庭園から見た牛久沼(右)
  一方、田んぼでは二番穂(孫小生え:Basal shoot)にたくさん実がついていました。昔はこれも収穫して利用していたようですが、遠くの田んぼではトラクターで二番穂を刈り落していました。刈り落した後田んぼに鋤き込み肥料にするようです。
稲の二番穂(11月7日)
 

 シラカシのドングリも熟して褐色になり、実が落ちたものは殻斗がお椀のように見えます。実りの秋ですが寂しさも感じます。
シラカシのドングリ(お椀のような殻斗)
散歩道周辺に生えたカタバミの周囲では、ヤマトシジミが相変わらずたくさん飛び交っていましたが、それより一回り大きなシジミチョウが目にとまりました。ウラナミシジミでした。ヒメアカタテハも道の側の落ち葉に止まっていました。近づいても飛び立たず手で捕まえられそうでした。

ウラナミシジミ
ヒメアカタテハ
 稲の二番穂を肥料にしてしまうのはもったいないと思いましたので、未熟米について調べて見たところ、熟した米より未熟米の方に遊離アミノ酸が多いようです1)。中でもグルタミン酸が多いので、ご飯としてたべるためには不適でも、パウダーにすれば利用価値があるのかなと思いました。多分ビタミン類も多いはずです。
米の成熟に伴う遊離アミノ酸含量の変動
未熟米の遊離アミノ酸組成
 最近、食品用の3D-プリンターが注目され始めまし2)。形状のみならず、栄養成分も自在に制御できるので、成分組成の分かった穀類や野菜などの食品パウダーは今後食品用3D-プリンター素材として利用されることになるでしょう。収穫コストが安ければ未熟米の利用も可能かも知れません。パウダーにすればいいので、利用しにくいため廃棄されていた食材が注目されることになるかも知れません。


 稲の二番穂は、鳥の餌として環境保全に役立っていると言われていますが、最近は鹿やイノシシなど野生動物の被害が大きいので、それらの餌になることから刈り取りを進めている自治体が多いようです。鹿の生息が確認されていない県は茨城県と佐賀県だけだということですが、茨城県でもイノシシは問題になり始めているようですので、現状ではやはり緑肥として利用するのが賢いのかも知れません。

参考)
1)M.Tamaki et al.: Physico-ecological Studies on Quality Formation of Rice Kernel. Japan Jour. Crop Sci., 58(4), 695-703(1989)
2)Perez B. et al. : Impact of macronutrients  printability 3D-printer parameters on 3D-food printing: A review., Food Chem., 287, 249-257 (2019)
 

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