2022年12月21日水曜日

12月の牛久沼散歩

    牛久でも氷点下の気温が記録されるようになりました。牛久沼のほとりも冬の景色に変わっています。

牛久沼アヤメ苑から牛久沼方面の景色(12月10日)

12月には2回、牛久土浦国道6号線バイパスの歩道を歩き牛久沼のほとりまで散歩しました。

牛久沼への散歩(12月19日)

いつも牛久沼の遊歩木道で写真を撮るのですが、11月からさかのぼって比べて見ると、木々の葉が落ち野草も枯れて閑散とした雰囲気になっています。

牛久沼の木道遊歩道の秋から冬への変化

昆虫等も見かけることは殆ど無くなりましたが、それでも12月4日にはツチイナゴやモンキチョウを見つけました。

ツチイナゴ(12月10日)

モンキチョウ(12月10日)

ツチイナゴは秋に現れ成虫で越冬することで有名ですが、カタバミの花に止まったモンキチョウは元気がありませんでした。モンキチョウは幼虫で越冬するとのことなので、この個体は冬を乗り切れないのかも知れません。少し可哀そうな気がしました。

12月19日の散歩では、ツマグロヒョウモンの雄に遭遇しました。林の中から陽気に誘われたように、遊歩道付近までヒラヒラ飛んできました。翅がボロボロですが寒さに耐えて越冬するのでしょう。

ツマグロヒョウモン雄(12月19日)

椿の花は鳥媒花に分類され、メジロやヒヨドリが蜜を吸いにくるため、五弁の花びらの中で下側の花弁だけが傷ついているとのことでしたが、よく見ると、確かに下の花弁に傷や黒ずみの見られる花があちこちにありました。

鳥の訪問で下側花弁が傷ついた椿の花

当たり前ですが寒い冬でも生物同士の営みは途絶えないようです。

12月10日に雲魚亭を訪れた際には、まだ紅葉が見られヤツデの花も満開でした。

雲魚亭の紅葉とヤツデの花(12月10日)

でも12月19日に訪れた際には紅葉も終わり、牛久沼のほとりの林の杉の木には花の蕾がたくさんついていました。

杉の花(12月19日)

新年になるとスギ花粉が飛び始めるのでしょうか。

ロシアのウクライナへの侵攻はまだ止みません。グローバル化に身をゆだねた国々への影響が大きすぎます。世界秩序の回復は可能なのだろうか。

 

2022年12月15日木曜日

令和4年の筑波山登り納め

   12月14日に筑波山へ登りました。つくし湖駐車場に車を駐め、薬王院コースの鬼ヶ作林道出会いから鬼ヶ作林道をつくば高原キャンプ場まで歩き、三本松コースで登りました。

薬王院のモミジが綺麗でした。

薬王院の紅葉(12月14日)

朝の九時頃、筑波山付近の道路は霧に覆われていましたがつくし湖に到着する頃には霧も消えて快晴になりました。

薬王院の傍にあるみかん園の木には特産の「福来蜜柑(ふくれみかん)」がたわわに実っていました。

つくし湖から薬王院へ

薬王院から鬼ヶ作林道出会いまで登り、最初はそこから旧ユースホステル跡地から続く「深峰コース」で御幸ヶ原に登ろうと思っていたのですが、残念ながら通行止めだったので高原キャンプ場まで歩きました。

鬼ヶ作林道から旧ユースホステル前の登山口へ

晴天でしたが風が強く寒かったからなのでしょうか、キャンプ場には登山者の姿は見えませんでした。

つくば高原キャンプ場の広場(12月14日)

キャンプ場から三本松コースで登り始めると、億両とも呼ばれているミヤマシキミの赤い実が目に止まりました。登山道の両側に結構ありました。

ミヤマシキミ(億両)

キャンプ場から筑波山頂上へ
女体山頂上はいつもより空いていたので、写真をたくさん撮ることができました。

男体山

つつじが丘駐車場

ケーブルカーが定期点検のため運休だったようです。御幸ヶ原もいつもより人影が少なく閉店している店も多いようでした。

御幸ヶ原から男体山の自然研究路を回り、薬王院コースで下山しました。

今年も年末は岩手に帰る予定なので、令和4年は今回で筑波山登山は終わりの予定です。1月から12月までほぼ月に1回程度のペースで筑波山に登ることができました。今回が14回目でした。

 来年も続けたいと思っていますが、県内にたくさんある低山も気になっています。

2022年12月10日土曜日

椿は鳥媒花

   12月7日は朝霧が立ち込め晴天になったので土浦市の小町の館に車を止め朝日峠展望台を経由して、小町山、鬼越山まで行ってきました。

久しぶりの登山・ハイキングでした。

今回は、雨が続いた後の晴天だったためでしょうか、小町山頂上から富士山を眺めることができました。頂上が雪に覆われた綺麗な富士山でした。

小町山頂上からの富士山の眺望

小町の館から朝日峠展望台に向かって歩き始めると、椿の花に蠅が止まっていました。

ヤブツバキの花に止まった蠅

ツバキは寒い冬に花を咲かせるにも関わらず結構たくさん実がなることから、自家受粉かなと思っていたのですが、目についた蠅が気になり受粉の様式を調べて見たところ、ツバキは「鳥媒花」に分類され、メジロやヒヨドリが花の蜜を吸いにくるとのことでした。

ツバキの花の蜜は、奥深い花芯にあるので小さな昆虫は、蜜にたどり着けないようです。

花粉媒介者に着目した受粉様式の分類事例

椿の種子には3040%程度油が含有されていて、日本では主に頭髪油として年間45kL程度生産・利用されているようです。自家受粉の種子よりも他家受粉の方が種子が大きく油も多いことが分かっているようです1)

ツバキは鳥媒花のようですが、でも花粉の媒介者による厳密な分類は難しく、花が咲く場所や時期などで異なる場合もあるとのことです2)

他の場所で撮った写真には、ホソヒラタアブが写っていました。

ヤブツバキの花に止まったホソヒラタアブ

聞き慣れない用語ですが、シュロはコウモリが媒介する獣媒花(哺乳類媒花)に分類されているようです。

受粉を媒介する生物による分類は、花の構造なども考慮しているようなので、生物間相互作用の観点からとても興味深いと思いました。

朝日峠展望台に向かう途中にある「もみじ谷」の紅葉は終わり、訪問の次期が少し遅かったような感じでした。

朝日峠展望台付近にあるモミジも紅葉が終わりを迎え、色付いた葉が地面を覆っていました。

朝日峠展望台付近のモミジ(12月7日)

 朝日峠展望台から小町山に向かう途中の登山道では、フユイチゴが完熟期を迎えているようでした。火の用心のポスターも目につきました。

 小町山頂上から鬼越山頂上を経て、小町の館駐車場に1230分頃に戻りました。


 青空の下での短時間の登山・ハイキングでしたが、爽快でした。


参考)

1)長崎県農林技術開発センター 森林研究部門:ツバキにおける受粉形態別の種子形成と種に含まれる油重量、研究成果情報、2017年度

2)みんなのひろば:サザンカとツバキの花粉媒介者はだれですか、日本植物生理学会、2019129

2022年12月2日金曜日

11月末の岩手への帰省とアジサイの花

   11月27日(日)の早朝、車で岩手に出かけました。水道の水が凍らないように室内の水道管から水抜きをするなどの冬支度が主な目的でした。

東北自動車道の前沢サービスエリアで休憩をとりました。

東北自動車道下り 前沢サービスエリア
紅葉の時期は既に過ぎていたのですが、サービスエリア内のモミジにはまだ赤い葉がたくさん付いていました。

東北自動車道 前沢SAのもみじ(11月27日)

遊歩道脇の青紫色のアジサイの花が、寒さのためなのだろうか青色から「くすんだ赤色」に変わっていました。よく見ると花の先端から赤く変わり始めているようです。

寒さによるアジサイの花の変色(11月27日)

名古屋大学の研究によると、アジサイの萼片の色は液胞のpH(青色:3.9、赤色:3.2)やアルミニウムイオン濃度(青色:アントシアニンと等量、赤色:0.01当量)、クロロゲン酸の異性体(青色:5位エステル優先、赤色:3位エステル優先)のキナ酸エステルの組成及び濃度などの影響を受け、青色や紫色、赤色などに変わるとのことで、関連物質の混合試験により色調を確認し、青色素推定化学構造も提案しておられます-3

アジサイ花(萼片)液胞の青色素の推定化学構造

アジサイの花を低温にすることで、これら花色に関連する物質の溶解濃度や組成が液胞内で変わるのでしょうか。数日の温度管理で花色が変化するのであれば、様々活用できそうです。

群馬県農業技術センターでは1月~2月に花が咲く「冬アジサイ・スプリングエンジェル」を育成したとのことです4)

岩手の「ささやかな手抜き菜園」の草刈りは10月に行いましたので、今回は耕運機で耕す予定でしたが、耕運機のピアンタが不調のため耕すことが出来ませんでした。宿題が残りました。

岩手の菜園の様子(11月28日)

お歳暮などの手配のため盛岡市に出かけましたが、用事の合間に「盛岡城跡公園」と「高松の池公園」とを散歩しました。

盛岡城址公園では、カクレミノの果実やサンシュユの果実を初めて見たので写真を撮りました。

盛岡城址公園(11月27日)

高松の池公園では、雉の親子に出会いました。6羽確認しましたが、すぐに林の中に消えていきました。

盛岡市高松の池公園(11月29日)

仙台でも用事があったので、1130日牛久に戻る際に束の間ですが以前よく散歩していた笊川のほとりを歩きました。遊歩道脇には、コセンダングサやミゾソバ、ハハコグサなどの花が咲いていました。

仙台市の笊川(11月30日)

笊川の遊歩道の草花(11月30日)

鴨もいました。懐かしかったです。

 参考)

1)Takaaki Ito et al. : Direct mapping of hydrangea blue-complex insepal tissues of Hydrangea macrophylla., Scientific Reports, (2019), 9:5450.

2)Kumi Yoshida et al.: Single-cell analysis clarifies mosaic color development in purple hydrangea sepal., New Phytologist (2021)229:3549-3557.

3) Kumi Yoshida et al.: Insight into chemical mechanisms of sepal color development and variation in hydrangea., Proc. Jpn. Acad., Ser. B 97(2), 51-68 (2021)

4)工藤 暢宏ら:冬アジサイ「スプリングエンジェル」シリーズの育成、群馬県農業技術センター研究報告、(8)、83-882011

2022年11月22日火曜日

オミクロン株のワクチン接種

   新型コロナウイルスの感染者数が、日本国内で増加し始め第8派と呼ばれることになったようです。

世界的に無症状感染者はカウントできていない様子ですが、少し前から新規感染者として報告された人数は日本が世界の中で最も多くなっているようです。

12月2日のデータも追加しました。

 12月22日のデータも追加しました。

Worldometerより

ワールドメーター(Worldometer)が提供しているデータによると、人口当たりの感染者数はオーストリアで60.9%になるなど、ワクチン接種が進んでいるにも関わらずヨーロッパで国民の感染者率は5割を超えている国が多いようです。

韓国も51.7%になっていますが、日本は18.9%と低いのでまだ感染が続くのでしょうか。

小学生の下校ボランティアで一緒に歩く生徒や生後7か月の孫娘への感染を避けるため、ファイザーの新型コロナウイルスワクチン「コミナティ・オミクロン株BA.4-5」の接種を、つくば市所在の産総研集団接種会場で昨日受けました。

m-RNAワクチンにお世話になっているので少し調べたところ、コミナティ(BNT162b2 m-RNAワクチンは塩基総数が4,284個で、RNAを構成する四種類の塩基の内、ウリジンが全てシュウドウリジンになっているとのことでした。

 生体内ではRNADNAを鋳型として合成された後、様々な修飾過程を経てそれぞれの生物固有のm-RNAやt-RNA等になるとのことで、その一つがウリジンのシュウドウリジンへの変換のようです。ヒトはシュウドウリジンへの変換率が高いとのことです。

m-RNAのウリジンがシュウドウリジンになるとタンパク質合成が速やかになりかつ自然免疫系による異物排除システムから逃れることができ、安定化するとのことです。

この現象を発見した研究者がカタリン・カリコ(Katalin Kariko)博士で、ビオンテック社の副CEOに就任されているようです。

DNARNAを構成する基本的な塩基の構造は高校の理科で習い、確定した事実として認識しているので、修飾されて化学構造が変わった塩基の方が実はタンパク合成が速くなり、さらに自然免疫系を逃れるなどとは想定外でした。

でも嬉しいことに、このシュードウリジンの機能についての最初の論文は自然免疫リセプターの大部分を解析・解明した大阪大学の審良(あきら)博士との共著1)のようです。審良先生は惜しくも2011年の自然免疫に関する研究へのノーベル賞を逃してしまいましたが、m-RNAワクチン開発にも貢献しておられたようです。

今回のパンデミックでは、m-RNAワクチンの開発が多くの人命を救った歴史的な快挙のように感じます。

でも免疫の素人として、やはり気になるのは「Original Antigenic Sin」のことで、今回私が接種したオミクロンBA.4-5ワクチンは、オリジナル株ワクチン接種と比較した場合、生じる中和抗体のレベルが変わらないかも知れないと思われるデータ出ているようです2)

 病原体は地球上の非病原体から変異したものであり、今後とも変異による病原体誕生が続くとすれば、丸ごとの病原体がもたらす複数の抗原を全て認識・経験し、それらに対す抗体形成履歴を蓄え次に備えることが、自然の中で暮らす生物にとっては有利のような感じがします。

論理明快なm-RNAワクチンに加え、免疫記憶の詳細が解明されるまでは不活化ワクチンや生ワクチンがあってもいいように思います。

 

参考)

1)Katalin Kariko et al.: Incorporation of Pseudouridine Into mRNA Yields Superior Nonimmunogenic Vector with Increased Translational Capacity and Biological Stability., Mol Ther. 2008, 16(11), 1833-1840.

2)Derek Lowe: Omicron Boosters and Original Antigenic Sin., Science, 7 FEB 2022.

 

2022年11月18日金曜日

小町の館から朝日峠展望台を経て宝篋山へのハイキング

  11月17日に小町の館に車を駐め、朝日峠から小町山を経て宝篋山まで行ってきました。

平日でしたが小町の館の駐車場にはたくさんの車が止まっていました。

昨年は11月20日に同じコースを歩きました。

おかめ岩からもみじ谷方向に引き返し、水源の森を通って朝日峠展望台に登りましたが、たくさんのグループが簡易休憩場所で休んでおられました。

小町の館駐車場から朝日峠へ

もみじ谷の紅葉はまだ部分的でこれからのようです。昨年は11月末から12月初旬が見ごろでした。でも、今回も木道テラスからの眺めは綺麗でした。

朝日峠に向かう途中のもみじ谷(11月17日)

朝日峠展望台には11時頃に着きましたが、数組のグループが草原に座り霞ヶ浦方面の景色を眺めておられました。風は少しありましたが、いい日和でした。

朝日峠展望台からの眺望(11月17日)

朝日峠展望台から杉やヒノキの林を通りハート石分岐点まで歩き、そこから小町山頂上を目指しました。

途中で赤い実を付けたカラタチバナをたくさん見かけ写真をとりました。カラタチバナは百両とも呼ばれているそうです。

カラタチバナ(百両)

フユイチゴも赤い実を付けていましたが、まだ果実は小さいようでした。小町山頂上でも数組のグループが休憩されていました。

朝日峠から小町山頂上へ

小町山頂上から表筑波スカイライン道路沿いのハイキングコースを歩き、宝篋山へのゲートの横を通り宝篋山に向かう林道を経て1215分頃に山頂に着きました。

山頂の休憩用椅子は8割がた利用されていました。

小町山から宝篋山へ

頂上で景色を見ながら昼食休憩をとり、東城寺へと下山し、そこから小町の館駐車場に戻りました。

紅葉見学にはまだ少し早い時期でしたが、天候に恵まれ大勢の方々が登山・ハイキングに来られているようでした。

関東平野を見渡す宝篋印塔をじっと見つめました。

宝篋山の宝篋印塔

新形コロナウイルス感染が増加傾向になっているようですが、活動する方々はワクチン接種をされていることでしょう。以前の賑わいが戻ってきているようなので嬉しくなりました。