2022年12月10日土曜日

椿は鳥媒花

   12月7日は朝霧が立ち込め晴天になったので土浦市の小町の館に車を止め朝日峠展望台を経由して、小町山、鬼越山まで行ってきました。

久しぶりの登山・ハイキングでした。

今回は、雨が続いた後の晴天だったためでしょうか、小町山頂上から富士山を眺めることができました。頂上が雪に覆われた綺麗な富士山でした。

小町山頂上からの富士山の眺望

小町の館から朝日峠展望台に向かって歩き始めると、椿の花に蠅が止まっていました。

ヤブツバキの花に止まった蠅

ツバキは寒い冬に花を咲かせるにも関わらず結構たくさん実がなることから、自家受粉かなと思っていたのですが、目についた蠅が気になり受粉の様式を調べて見たところ、ツバキは「鳥媒花」に分類され、メジロやヒヨドリが花の蜜を吸いにくるとのことでした。

ツバキの花の蜜は、奥深い花芯にあるので小さな昆虫は、蜜にたどり着けないようです。

花粉媒介者に着目した受粉様式の分類事例

椿の種子には3040%程度油が含有されていて、日本では主に頭髪油として年間45kL程度生産・利用されているようです。自家受粉の種子よりも他家受粉の方が種子が大きく油も多いことが分かっているようです1)

ツバキは鳥媒花のようですが、でも花粉の媒介者による厳密な分類は難しく、花が咲く場所や時期などで異なる場合もあるとのことです2)

他の場所で撮った写真には、ホソヒラタアブが写っていました。

ヤブツバキの花に止まったホソヒラタアブ

聞き慣れない用語ですが、シュロはコウモリが媒介する獣媒花(哺乳類媒花)に分類されているようです。

受粉を媒介する生物による分類は、花の構造なども考慮しているようなので、生物間相互作用の観点からとても興味深いと思いました。

朝日峠展望台に向かう途中にある「もみじ谷」の紅葉は終わり、訪問の次期が少し遅かったような感じでした。

朝日峠展望台付近にあるモミジも紅葉が終わりを迎え、色付いた葉が地面を覆っていました。

朝日峠展望台付近のモミジ(12月7日)

 朝日峠展望台から小町山に向かう途中の登山道では、フユイチゴが完熟期を迎えているようでした。火の用心のポスターも目につきました。

 小町山頂上から鬼越山頂上を経て、小町の館駐車場に1230分頃に戻りました。


 青空の下での短時間の登山・ハイキングでしたが、爽快でした。


参考)

1)長崎県農林技術開発センター 森林研究部門:ツバキにおける受粉形態別の種子形成と種に含まれる油重量、研究成果情報、2017年度

2)みんなのひろば:サザンカとツバキの花粉媒介者はだれですか、日本植物生理学会、2019129

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