2023年5月30日火曜日

5月末の牛久沼散歩とアカボシゴマダラ、ウラゴマダラシジミ

   5月28日(日)の午後に牛久土浦バイパスの歩道を通り牛久沼まで散歩しました。かなり風が強く、牛久沼の水は茶色に濁っていましたがウインドサーフィンを楽しむグループもおられました。

国道6号線牛久土浦バイパス歩道を通り牛久沼へ

散歩道の両脇に咲く草花はハルジオン(春紫苑)から背の高いヒメジョオン(姫女苑)へと変わっていました。葉の形状や茎の切断面の様子が違うので、容易に判別できるようになりました。

草花の変遷(ハルジオンからヒメジョオンへ)

ほとんどの菜の花には種がてきていましたが、遅れて咲いた花にはモンシロチョウが訪れていました。

菜の花に止まるモンシロチョウ

バッタ類も見かけるようになりました。大きく伸びたヨモギの葉の上にヤブキリの幼虫がいました。リュックを背負ったようなかわいい姿です。

ヤブキリの幼虫(5月28日)

牛久沼の遊歩道ではヒメアカタテハを見つけました。

ヒメアカタテハ

牛久沼から三日月橋さくら散策コースに入り、刈谷橋を通って稲荷川沿いを三日月橋生涯学習センターまで一周しました。

桜散策コースを通り稲荷川を一周し河童の碑へ

桜並木から続く林沿いの道では、二匹の春型アカボシゴマダラに会いました。しばらくの間、ゴマダラチョウの白化型と記載してしまいました。アカボシゴマダラの春型は白色で赤い斑点が目立たないということを知りませんでした。

アカボシゴマダラ(春型)

刈谷橋を渡った帰り道ではムラサキシジミによく似たウラゴマダラシジミの写真を撮ることができました。ルリシジミの雄として記載していましたが、良く調べて見るとウラゴマダラシジミのようです。風が強い中、運よく翅を広げてくれました。


ウラゴマダラシジミ

翅を広げた際の表翅の色模様がムラサキシジミによく似ていたので、ムラサキシジミだと勘違いしました。ムラサキシジミは翅をたたんだ時の裏翅の模様が全く違い、裏翅は薄茶色で黒い斑点は無いようです。

他にキテテハなども見かけたのですが、風が強く直ぐ遠くに飛んで行ってしまいました。

散歩道の脇にはセイタカアワダチソウやツユクサ、クサイチゴなどが元気に育っているので嬉しいのですが、そろそろ草刈りが始まるのかも知れません。

最近良く目につくのはコメツブツメクサです。かわいい黄色の花ですが、車の轍の間に揃って咲いていたので、繁殖力が強いな~と感じました。

セイタカアワダチソウ    ツユクサ    
コメツブウマゴヤシ   クサイチゴ   

午後の空き時間の散歩でしたが、蝶々などの昆虫が活動し始めたので、楽しく歩くことができました。

 

 

2023年5月28日日曜日

東京都内のプチトレイル(日比谷公園から上野公園へ)

  5月24日夜~25日に、東京に住む小学生の孫の登下校サポートのため、久しぶりに東京に行ってきました。妻がアキレス腱断裂のため私に役割が回ってきました。孫の両親は共に出張でした。

25日朝に孫を起こし、バスに一緒に乗り校門まで送った後、近くの日比谷公園を散策し、皇居脇を通り、神田、秋葉原を経て上野公園までウォーキング(街中プチトレイル)をしました。15時少し前に小学校に戻り、孫がバスに乗るのを確認し牛久に帰りました。

日比谷公園には、リュックを背負い急ぎ足で歩く通勤の方々と一緒に有楽町側から入りました。

心字池や第一花壇の周囲に並ぶ椅子はほぼ満席で、朝の静けさの中でのんびり休んでおられる方々もたくさんいました。大噴水広場ではイベントの準備が行われている様子でした。

5月25日朝の日比谷公園

時間に余裕があったので野草の花や虫などをそれとなく探しながらあちこち歩き回り、「自由の鐘」の下で休憩しました。

日比谷公園の自由の鐘

鐘には「すべての国とその住民に自由を告げる」と刻まれているそうです。もともとは米国の独立戦争の勝利を記念したもののようですが、日本には大戦後の1952年4月にレプリカが寄贈されたとのことです。

大戦から時を経て、再び世界が不安に包まれる時代が来るとは予想していませんでした。自由の鐘の音が世界に響き渡り、戦争や紛争が止むことを願いました。

公園内は春爛漫の様子でワスレナグサなど様々な草花の花が咲いていました。一羽のモンシロチョウを見つけましたが、管理が行き届いているので昆虫を見つけるのは難しそうです。

日比谷公園のワスレナグサやモンシロチョウなど

その後、日比谷公園から皇居方面に向かい楠木正成像を見学し、二重橋まで歩きました。朝9時半頃二重橋に到着しましたが、海外からの観光客がたくさん居られ、写真は撮れませんでした。

日比谷通りから楠木正成像、皇居二重橋へ

二重橋から大手門に向かう途中で宮内庁方面の写真を撮りました。

宮内庁方面の風景

上野公園に向かう道のりをしっかり調べていた訳ではなかったので、おおよその進行方向を頼りに神田から秋葉原を経て、上野公園の不忍池に到着しました。ホッとしました。

上野公園の不忍池

上野公園には修学旅行と思われる団体や幼稚園児、海外からの旅行客などがたくさんいてビックリしました。新型コロナの前よりも込み合っているようなので、野草や昆虫を探す雰囲気ではありませんでした。

野山の自然力とは異なり、人間の生きる行動力に心が共振するような心地よさを感じました。

上野公園の様子(5月25日)

このところしばらく一人で山野を歩き周り、自然との一体感を拠り所にしていましたが、今回は人々が持つ人間力のようなものに共感したので、機会があれば、また街中を歩き回りたいと思いました。

後で、携帯のヘルスケアソフトを確認したところ22km程歩いていました。上野公園では、履きなれた革靴の底(踵:かかと)がカパッと取れてしまうアクシデントがあり、急遽アメヨコで運動靴を購入し履き替えました。「しばらく履いていなかったでしょう」と靴屋さんに言われてしまいました。確かに、コロナパンデミック中は革靴を履く機会がほとんど無かったです。革靴での散歩は止めます。様々思い出の多い街中プチトレイルになりました。


2023年5月19日金曜日

令和5年5月の岩手への帰郷と七時雨山麓の新緑

   5月12日(金)に郷里岩手八幡平市のささやかな手抜き菜園に行ってきました。

10日間ほど滞在し草刈りと作物の植え付け等をしたいと思っていたのですが、叶わず15日(月)に牛久に戻りました。

歩き始めた一歳一ヶ月の孫と妻の3人で岩手に出かけたのですが、14日に妻が孫との遊び(縄跳び)の際にアキレス腱断裂と肉離れになってしまいました。高齢者は気を付けましょう。

急遽牛久に戻り受診後、妻は松葉杖になり、孫の御守役が私に回ってきました。

外に出て歩き回りたい孫は、みんなが出払った後に私の靴をブラブラ引きずり持ってきます。マスクや帽子も「アー」と教えてくれます。

自分の子供の子育ては妻に依存していたので細かく覚えていないのですが、孫を見ながら子供の成長は速いな~と実感しています。

今回岩手では、近くの七時雨(ななしぐれ)山麓までドライブしました。

七時雨山と七時雨山荘(5月13日)

往復30分程度のドライブでしたが、木々の若葉がとても綺麗で印象に残りました。

七時雨山麓の新緑(5月13日)

白い花が密集している道路わきに車を止め、あたりを見て歩きましたが、白い花はニリンソウでした。七時雨山麓ではニリンソウの側にキクザキイチゲが咲いているのですが、今回はまだ少し時期が早かったようです。

七時雨山麓のニリンソウ(5月13日)

フキの花とニリンソウ(5月13日)

代わりに、ハコベとほぼ同じ程度の小さな花が目に止まりました。葉は照りのないチドメグサのような感じでした。後で調べたところ「タニギキョウ」のようです。キキョウ科とのことですが、小さすぎます。

七時雨山麓のタニギキョウ(5月13日)

 一方、名称が良く似たサワギキョウは安比高原の「ブナの駅」の奥の牧場で観察したことがありますが、こちらは夏から秋に開花し普通のキキョウよりかなり大きい花です。

安比高原奥の牧場のサワギキョウ(2021年9月)

キキョウ科も多様のようです。同じキキョウ科のタニギキョウとサワギキョウには類似点があるはずなので、後で調べたいと思いました。

七時雨山麓には、タチツボスミレなどのスミレ類の花もたくさん咲いていました。様々な種類が目に止まりました。

タチツボスミレ

 八幡平山や姫神山、安比高原などにも行きたかったのですが、残念でした。

次はいついけるのかな。アキレス腱断裂からの回復は長期間を要するそうです。

2023年5月10日水曜日

筑波山薬王院コースから加波山方面へのハイキング

    筑波連山を縦走する「関東ふれあいのみち」を通り、桜川市岩瀬町の御嶽山から雨引山や加波山に登り最後は筑波山頂上まで歩いて見たいと思っていますが、距離が長いので先ずは御嶽山から加波山までを岩瀬駅から2回ほど往復しました。

4月29日(金)には、逆コースの筑波山から加波山方面に向かう道を散策することとし、桜川市のつくし湖から鬼ヶ作林道を通り筑波高原キャンプ場まで行きました。

真壁町つくし湖から筑波高原キャンプ場までの様子

そこから、関東ふれあいの道を湯袋峠方面に下り、県道月岡真壁線に出ました。

キャンプ場から県道月岡真壁線までの様子

県道を歩き林道北筑波稜線に入って足尾山を目指しましたが、引き返す時刻までに県道石岡筑西線出会いの上曽峠に到達できず、元来た道を戻りました。

月岡真壁線から林道北筑波山稜線の上曽峠方面の様子

薬王院からキャンプ場までの林道にはホウチャクソウやチゴユリ、ユキザサなどユリ科の植物の花がいていました。

ホウチャクソウ、チゴユリ、ユキザサ、エンレイソウ

キャンプ場から湯袋峠に向かう下りの沢沿いの坂道にはネコノメソウがたくさんありました。種子ができているのが分かります。

種子を形成したネコノメソウ

沢沿いの山道から県道月岡真壁線に出て湯袋峠の方向に歩きましたが、道沿いには黄色いキンポウゲの花がたくさん咲いていました。

ほどなく、足尾山方面に向かう北筑波山稜線の林道への分岐点に到着し、北筑波山稜線林道を歩き始めると、思いのほか多くの自転車ライダーやハイキンググループとすれ違いました。通る車はほとんどないので、自転車や歩行者には安全なコースとして人気があるのかも知れません。

林道北筑波山稜線では良く知られているマムシグサやウラシマソウと様子が異なるテンナンショウ属の野草がたくさん見られました。花期が終わっているようですが、これから種子ができるのでしょうか。

テンナンショウ属の野草

ニワハンミョウやアカハネムシも見つけました。

ニワハンミョウ

アカハネムシ

今回は引き返す時刻を12時頃としていましたので、残念ながら上層峠の1㎞程手前で引き返すことになりました。

帰り道、鬼ヶ作林道でツクバネオウギやホタルカズラの花を見つけました。綺麗でした。

ツクバネオウギ

ホタルカズラ

もう一度トライして見たいと思っています。

2023年5月9日火曜日

新型コロナウイルス感染症パンデミックの終了

   WHOは、2020年1月30日に新型コロナウイルス感染症について発出した「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態Public Health Emergency of International ConcernPHEIC」に関する宣言を、死者数の世界的な減少やワクチン接種・集団免疫の向上などから、2023年5月5日をもって終了するとのことです。

Worldometer WHOが提供するデータを見ると、中国におけるゼロコロナ政策終了直後の感染増加の取り扱いが異なるようですが、感染者数や死者数は世界的に減少しているようです。


日本では、令和5年3月13日にマスク着用の方針が緩和されました。

また、昨日5月8日には新型コロナウイルス感染症が、2類相当の感染症からインフルエンザと同等の5類に変更されました。

WHOによると新型コロナウイルスへの感染者は累計で現在76,500万人を超え、死者数は690万人を超えているようです。

1918年から1921年までの4年間流行したスペイン風邪の感染者数は約5億人で、人口の1/4程度だったといわれているようです1)。現在の人口79億人に換算すると22億人が感染したことになるので、スペイン風邪の感染率は新型コロナの約3倍と計算されます。スペイン風邪による死者数は1,700万人から5,000万人と言われているようなので、これも新型コロナの3倍以上の数値になり、かなり酷い状況だったことが想像できます。

WHOによる緊急事態宣言が終了したことから、感染者数や死亡者数の情報公開が行われなくなるものと思われますので、5月7日現在の各国の総感染者数や死亡率などに注目して表を作成しました。


この表から、感染者の比率や死亡率が国ごとにかなり異なっていることが分かります。こうした情報を正しく読み解くことの難しさを感じました。世界的に膨大な情報が蓄積され、その解析が期待されています。

ワクチン接種は2020128日にイギリスで初めて行われ、日本では現在6回目の接種予約が始まっています。パンデミックは終わりを迎えましたが、やはり将来への不安はまだあるように思います。

今回、新たなm-RNAワクチンが実用化され、医療・医学は確実に進歩していると感じました。

新形コロナウイルス抗体と従来のコロナ風邪による抗体の交差性が明らかになりました2)が、その有効性については議論がなされ、さらに罹患に伴う免疫記憶(imprinting)とその経時的な履歴の重要性も指摘され始めているようです3,4)

多数の無症状者が確認された一方で、長い間後遺症に悩まされている方々もおられ、そうした違いが何故生じるのか等、今回鮮明になった様々な疑問が解き明かされる事を願っています。


参考)

1)工藤翔二:100年前のパンデミック‘スペイン風邪’‘の記録、TB-アーカイブだより(2021年5月)

2)Ellen Shrock et al.: Viral epitope profiling of COVID-19 patients reveals cross-reactivity and correlates of severity, Science 370(6520), eabd4250(2020)

3)Marios Koutsakos et al.: Immunological imprinting: Understanding COVID-19., Immunity 56, May 9, 2023.

4)Ziqian Zhou et al..: Immune Imprinting and Implications for COVID-19., Vaccines, 2023, 11, 875.

2023年5月4日木曜日

ハルジオン(春紫苑)とヒメジョオン(姫女苑)

   4月28日(木)と5月2日(火)に牛久沼まで散歩しました。

牛久沼の木道の周りの草がかなり成長し青々としていました。

牛久沼の遊歩道(4月28日)

牛久沼アヤメ苑一帯も緑に覆われていました。

牛久沼アヤメ苑(4月28日)

緑の草地の中で背の高いキク科の白い花が目立ちます。良く知られているハルジオン(春紫苑)かヒメジョオン(姫女苑)のどちらかなのでしょうが、迷います。

ネット等で調べて見ると、ハルジオンの花弁はヒメジョオンより細く密生し、花全体は少し大きく、しかもヒメジョオンより一カ月以上早くから花を咲かせ、さらに葉が茎を包む形状をしていること、茎の切断面が中空であることなどから容易に区別できるとのことです。

今回の散歩で撮った写真を拡大して見ると葉が茎を包む形状になっているのでハルジオンのようです。

ハルジオン

牛久沼周辺では、このハルジオンの花の周りをキアゲハが飛び回っていました。

ハルジオンの花の上を飛び回るキアゲハ

林から飛んできたヒメウラナミジャノメも見つけました。

ヒメウラナミジャノメ

道端のシロツメクサの花には、ベニシジミが止まっていました。ベニシジミやヤマトシジミはあちこちで見かけました。これからたくさんの昆虫と出会えそうです。

ベニシジミ

ヒメジョオンもハルジオンも小さい頃から良く見かけるなじみ深い野草で、食べることも可能とのことですが、両植物とも外来種のようで、以前は共に特定外来生物リストに掲載されていたようです。

でも、2015年3月26日に環境省と農水省によって公表された、新たな「生態系被害防止外来種リスト(植物)」にはヒメジョオンのみが緊急対策、重点対策以外の「その他の総合対策外来種」として掲載されていて、ハルジオンは見当たりませんでした。

以前使用されていた環境省の「要注意外来生物に係る情報及び注意事項」などを参考にして、ヒメジョオン(Erigeron annuus)とハルジオン(Erigeron philadelphicus)の情報を整理・比較して見ると、開花の時期がそれぞれ6月と4月になっているので、4月末に満開を迎えているものの多くはヒメジョオンではなくてハルジオンということになりそうです。


この資料には、ヒメジョオンは1本の植物で約4万8千粒の種子を生産すると記載されていたので驚きました。

種子の重量については記載されていませんでしたので、文献1)を調べたところ、一粒が25μg程度であることが分かりました。種子が小さく、風に飛ばされ、雨に流され、さらに動物の身体・脚や人間の靴等に付いて伝播されるようです。道端に多い理由が分かりました。

ハルジオン種子のデータは見つけられませんでしたが、想像以上に種子が軽いことが分かったので、春に見かける野草の種子重量を調べて見ると、ほとんどが1mg以下で、中にはハハコグサの種子(4.1μg)のように10μgに満たない種類もあるようです。それでも発芽成長できる訳なのですごいです。

早春に花を咲かせる野草の種子重量の例示

野草の生命力には感心させられます。

  ハルジオンとヒメジョオンのどっちかなと思いながらいつも見ていましたが、良く見ると全く違うことがわかりました。早春の散歩で見ていたものは殆どハルジオンで、花が無くてもハルジオンとヒメジョオンの違いが直ぐに判別できるようになりました。

 それにしても、道端に野草の花が綺麗に咲いている理由が種子重量などのデータから理解できました。もう少し調べて見ます。

参考)

1)榎本敬:日本産雑草種子に関する研究 第1報 双子葉植物の種子重量について、雑草研究、36()135-1361991