2023年5月4日木曜日

ハルジオン(春紫苑)とヒメジョオン(姫女苑)

   4月28日(木)と5月2日(火)に牛久沼まで散歩しました。

牛久沼の木道の周りの草がかなり成長し青々としていました。

牛久沼の遊歩道(4月28日)

牛久沼アヤメ苑一帯も緑に覆われていました。

牛久沼アヤメ苑(4月28日)

緑の草地の中で背の高いキク科の白い花が目立ちます。良く知られているハルジオン(春紫苑)かヒメジョオン(姫女苑)のどちらかなのでしょうが、迷います。

ネット等で調べて見ると、ハルジオンの花弁はヒメジョオンより細く密生し、花全体は少し大きく、しかもヒメジョオンより一カ月以上早くから花を咲かせ、さらに葉が茎を包む形状をしていること、茎の切断面が中空であることなどから容易に区別できるとのことです。

今回の散歩で撮った写真を拡大して見ると葉が茎を包む形状になっているのでハルジオンのようです。

ハルジオン

牛久沼周辺では、このハルジオンの花の周りをキアゲハが飛び回っていました。

ハルジオンの花の上を飛び回るキアゲハ

林から飛んできたヒメウラナミジャノメも見つけました。

ヒメウラナミジャノメ

道端のシロツメクサの花には、ベニシジミが止まっていました。ベニシジミやヤマトシジミはあちこちで見かけました。これからたくさんの昆虫と出会えそうです。

ベニシジミ

ヒメジョオンもハルジオンも小さい頃から良く見かけるなじみ深い野草で、食べることも可能とのことですが、両植物とも外来種のようで、以前は共に特定外来生物リストに掲載されていたようです。

でも、2015年3月26日に環境省と農水省によって公表された、新たな「生態系被害防止外来種リスト(植物)」にはヒメジョオンのみが緊急対策、重点対策以外の「その他の総合対策外来種」として掲載されていて、ハルジオンは見当たりませんでした。

以前使用されていた環境省の「要注意外来生物に係る情報及び注意事項」などを参考にして、ヒメジョオン(Erigeron annuus)とハルジオン(Erigeron philadelphicus)の情報を整理・比較して見ると、開花の時期がそれぞれ6月と4月になっているので、4月末に満開を迎えているものの多くはヒメジョオンではなくてハルジオンということになりそうです。


この資料には、ヒメジョオンは1本の植物で約4万8千粒の種子を生産すると記載されていたので驚きました。

種子の重量については記載されていませんでしたので、文献1)を調べたところ、一粒が25μg程度であることが分かりました。種子が小さく、風に飛ばされ、雨に流され、さらに動物の身体・脚や人間の靴等に付いて伝播されるようです。道端に多い理由が分かりました。

ハルジオン種子のデータは見つけられませんでしたが、想像以上に種子が軽いことが分かったので、春に見かける野草の種子重量を調べて見ると、ほとんどが1mg以下で、中にはハハコグサの種子(4.1μg)のように10μgに満たない種類もあるようです。それでも発芽成長できる訳なのですごいです。

早春に花を咲かせる野草の種子重量の例示

野草の生命力には感心させられます。

  ハルジオンとヒメジョオンのどっちかなと思いながらいつも見ていましたが、良く見ると全く違うことがわかりました。早春の散歩で見ていたものは殆どハルジオンで、花が無くてもハルジオンとヒメジョオンの違いが直ぐに判別できるようになりました。

 それにしても、道端に野草の花が綺麗に咲いている理由が種子重量などのデータから理解できました。もう少し調べて見ます。

参考)

1)榎本敬:日本産雑草種子に関する研究 第1報 双子葉植物の種子重量について、雑草研究、36()135-1361991

0 件のコメント:

コメントを投稿