2021年7月29日木曜日

安比高原のブナの駅から奥の牧場を探索

   717日に八幡平市安比高原の「ブナの駅」に行ってきました。

ブナの駅は、林野庁による森林浴の森日本100選に選定されたブナ林の森を訪れる観光客用に設置された駐車場で、トイレや休憩所があります。

ブナの駅の周辺は「中の牧場」と呼ばれ、以前は牛や馬の放牧地だったそうです。中の牧場からブナ林の森に入り、その森を通り過ぎると「奥の牧場」があるとのことなので、今回はその奥の牧場まで往復しました。

奥の牧場には小さな沼がたくさんあり、遠くから見るとどの沼も鏡のように、周りの風景を映して輝いていました。浅い沼の底に草木が沈殿して腐蝕し沼底が黒褐色になっているためのようです。

ブナの駅からブナ林の森に向かう草原の道やブナ林の森には標識がたくさん設置されていて分かりやく、安心して散策できるようになっていました。

ブナ林の森にはブナの枯れ葉が重なっているためなのか、下草がほとんどなく、まっすぐに伸びたブナが林立し、さわやかな空間が続いていました。森林浴の森として認められている理由が良く分かりました。

ブナの森から出ると視界が開け、奥の牧場の草原にはヤナギランやノアザミなどの花が咲き、少し歩くと沼があちこちにあることが分かりました。

沼には鮮やかな青色のイトトンボがたくさん飛んでいました。後で調べたところエゾイトトンボのようです。

このエゾイトトンボと同様に、青色でカワトンボ程度の大きさのトンボもせわしなく飛んでいましたが、過敏で近寄れなかったため写真をとることはできませんでした。翅は無色透明でした。

青い空を映し、鏡のように輝く沼に近づくと沼底が見え始め、一転して黒い沼に変わりました。その黒い沼の上を飛び回る繊細な青色イトトンボを、あちこちの沼でしばらく観察しました。

翅の付け根付近のみが赤味を帯びたトンボもいました。後で調べたところ、カオシロトンボのようです。初めて見ました。

顔までしっかりと赤い赤とんぼもいました。ショウジョウトンボのオスのようです。メスは赤色にならず、シオカラトンボのメスと同じような色のようです。


今回は、奥の牧場で他の方に会うことはありませんでした。広々とした草原を独り占めしたような、でも少し寂しいようなそんな気分でした。

黒滝も眺め90分ほど散策してブナの駅に戻りました。

今回は、草原に様々な昆虫がいたのでたくさんの写真を撮ることが出来ました。

ブナ林による大きな森林空間の体験に加え、多様な植物や昆虫を自由に観察できるフィールドとして魅力的な場所だと思いました。また直ぐにでも出かけたい場所です。

2021年7月27日火曜日

七時雨の駒木立(987m)への登山(七月中旬)

    715日に七時雨山麓の安代高原に行き、七時雨山(1,063m)との対面にある駒木立(987m)や田代山(945m)に登りました。

七時雨公衆トイレ駐車場に車を置き、県道227号線沿いの登山口から駒木立頂上を目指しました。

登山口から草原を通過し、森林への入り口から木立の中を進み順調に尾根の平原にたどり着きました。

尾根には芝生のような草地があり、しばらくそこで七時雨山麓を眺めながら休憩をとりました。ふっと心が落ち着くのですが、啄木のようにはいきません。語彙力不足ですが感動しました。

これから通る駒木立への登山道が細くくっきり見えます。

駒木立に登る途中一人の若い男性登山者とすれ違いました。駒木立の頂上は狭いのですが平地になっています。

頂上には誰もいませんでした。昼時だったので、飛び回るアゲハチョウ等を眺めながら、畑で収穫したブルーベリーのジャムを塗ったパンをゆっくり食べました。

その後駒木立から引き返し、尾根沿いに景色を眺めながら田代山、三方沢山、三曲山を経由して北上川源流公園へと下山しました。

尾根沿いの登山道は整備されており、ほぼ一本道なので迷うことなく下山することができます。

登山道の足元から度々ヒョウモンチョウが飛びあがりました。登山道の両脇に咲いているウツボグサの花の蜜を吸っているようです。羽裏の模様から判断すると、ウラギンヒョウモンのようです。ダイミョウセセリも飛んでいました。

アザミの花には様々なセセリチョウが止まっていました。また、森林の中ではキマダラヒカゲを良く見かけました。

三曲山からの下山途中の森林では、これまでよく見かけることの多かったヤマキマダラヒカゲやサトキマダラヒカゲと異なるタテハチョウに遭遇しました。初めてみました。

今回、初めて出会った蝶々は後で調べたところヒメキマダラヒカゲであることが分かりました。残念ながら羽を広げた姿の写真をとることはできませんでした。

同じ場所で、雉の尾羽が落ちているのを見つけました。結構大きな羽で35㎝ぐらいの長さでした。ダニなどの虫もおらず綺麗な羽だったので、持ち帰ることにしました。

家に戻ってから洗剤で洗い、記念品として保存することにしました。

単なる抜け毛なのか、あるいはキツネ等に捕まった際に抜けたのかは分かりませんが、この羽1本だけが道路をふさぐように落ちていました。

熊鈴を付けての1人登山でしたが、ほとんどが見晴らしのいい尾根を歩く登山道だったので楽しめました。

雉のスピリチュアルイメージは「幸運の象徴」とのことなので、コロナも終息し、公私ともに良い方向に向かうのではないかと思うことにしました。

自然免疫レセプターのほとんどをトランスジェニックマウスで解明された審良先生も山歩きをされているとのことで、遭難のニュースを一昨日知りました。ノーベル賞は先見主義のようですが、門外漢ながら2011年の自然免疫に関するノーベル賞には審良先生も名をつらねて欲しかったと今でも悔しく感じます。今回は無事で本当に良かったと思いました。

今回のパンデミックを経験し、免疫学と公衆衛生学が大きく発展するように感じています。


2021年7月25日日曜日

世界遺産候補の御所野縄文遺跡付近でサカハチチョウに遭遇

  岩手に帰省したので、世界遺産登録の可能性が高くなっている北海道・北東北縄文遺産群を構成する遺跡の一つである一戸町の御所野縄文遺跡(御所野縄文公園)(1)にも行ってきました。

広々とした公園として整備され、遊歩道を歩くだけでも癒されました。博物館への入場は有料ですが駐車場は無料ですし、土器づくりや土笛づくりなどを始め様々な縄文体験コースがあるのようなのでお勧めです。

ユネスコの世界遺産委員会は716日から31日まで開催されるとのことですが、北海道・北東北縄文遺産群は世界文化遺産として27日に認定される見込みと報道されているようです。応援したいです。

公園外の周辺道路も少しの間散策しました。道端にヒメジョオンがたくさん咲いている場所があり、そこにたくさんの蝶々が集まっていました。

その中にモンシロチョウより少し大きめで、これまで見たことのない蝶々がいたので写真を撮りました。後で調べたところ、サカハチチョウの夏型だということが分かりました。翅の裏面がイチモンジチョウに似てかなり綺麗です。


サカハチチョウの幼虫はコアカソやイラクサなどイラクサ科の植物を食草としているようです。

小さなダイミョウセセリもヒメジョオンの蜜を吸っていました。

また、ヒョウモンチョウも飛んでいましたが翅の裏の模様からメスグロヒョウモンのオスのように思われます。メスの方が黒くて目立つのですが、メスは見当たりませんでした。

道の周囲にはモンシロチョウより少し大きいスジグロシロチョウが数匹飛んでいました。写真に撮ったスジグロシロチョウは翅の模様から判断するとメスのようです。

車もほとんど通らなかったのでもう少しのんびりと探索したかったのですが、一般道でしたので諦めました。

縄文文化についても興味があるので、後日ゆっくりと訪問して勉強したいと思いました。

 

参考)

(1)ホーム/御所野縄文公園 (goshono-iseki.com)

2021年7月24日土曜日

日本の滝100選の「不動の滝」とコムラサキ

    今回の畑訪問で、7月中旬でも播種可能な種子を様々なホームセンターで探しましたが、見つけることはできませんでした。そのため畑仕事というより周囲の草刈りがメインの仕事になり、暑さが厳しくなる朝10時までには終了することにしました。

空き時間には近隣を散策することにし、七時雨山に続いて日本の滝100選に選定されている八幡平市の「不動の滝」に出かけました。

「不動の滝」や「不動滝」は全国にたくさんあり、筑波山神社の裏側に当たる桜川市にもあるようですが、実はまだ見ていません。牛久に戻ったら出かけたいと思っています。

八幡平市の不動の滝は15mの高さがあるようです。茨城県の袋田の滝と比べるとだいぶ小さいのですが、春の雪解け時期にはかなり壮大な滝になるそうです。今回も結構綺麗な姿を見ることができました。季節ごとに綺麗な姿を見ることができるようです。


滝の下を流れる川のほとりに遊歩道があるので、歩き回っていたところニホンカワトンボを見つけました。虫を捕まえて食べているところでした。

滝の直ぐそばには、切り立った岸壁の岩穴に建立された古い不動堂があります。岸壁は荒削りのゴツゴツした岩で、コケや小木が生えていますが、その木々の間を蝶々が飛んでいました。

しばらく眺めていたところ、地面に止まってくれました。初めて見る蝶々でしたが、後で調べたところコムラサキのオスのようです。表面が紫色見える方はオスかも知れません。綺麗な蝶々でした。


もう一種類の蝶々はキタテハに良く似ていましたが、岸壁付近から離れませんでした。後日写真を確認したところ、ピンボケですがシータテハのようです。

不動の滝の入り口には桜松神社があり、その手前の森は公園として整備され散策できるようになっていますが、その公園内の草むらにはたくさんジャノメチョウが飛んでいました。

また、公園の東屋付近ではコムラサキとヒョウモンチョウが飛び回っていました。東屋の屋根裏に2匹のコムラサキが止まっていたので、かなり辛抱強く待ったのですが、残念ながら翅を広げてくれませんでした。

広い駐車場には数台の車がありましたが、やはりいつもより観光客はすくないように思われます。

コムラサキの幼虫はヤナギ科の樹木を食草としているようです。シダレヤナギやネコヤナギ等は方々にあるので、もしかしたら見落としていたのかも知れません。翅の裏側も確認できたので良かったです。

採集はしませんでしたが、コムラサキをゲットした感じになりました。

2021年7月23日金曜日

七時雨山麓のクジャクチョウとメスグロヒョウモン

   岩手の畑は2カ月間放置したため、5月に播種した豆類は雑草に覆われて姿が見えない程になり、6月末に耕運されてしまいました。そのため今年は、わずかに枝豆用の大豆の収穫が見込める程度になってしまいました。残念です。

 適期に訪問できなかったので、小梅と南高梅の収穫もできませんでしたが、7月中旬の新幹線往復による訪問ではブルーベリーを収穫することができました。いつもより大粒でした。生食後にジャムに加工しました。

訪問中にさっそく七時雨山の麓に出かけたところ、運よくクジャクチョウに出会いました。風景から浮き出るような綺麗なクジャクチョウでした。

七時雨山麓で出会った蝶々の貼り付け写真(令和3年7月


 羽化からかなり日数のたったようなクジャクチョウも一緒に飛び回っていました。

 メスグロヒョウモンにも出会いました。


 ヒョウモンチョウもたくさん飛んでいましたが、その多くはウラギンヒョウモンのようでした。


 アザミの花はもう終わりかけていましたが、良い蜜源になっているようです。

 七時雨山に登りたかったのですが、今回は登山入り口の三合目まで登り引き返しました。

 出会ったクジャクチョウは本当に印象に残りました。

 クジャクチョウとメスグルヒョウモンをしばらく夢中で追いかけたため、手に汗をかき、持っていたデジカメのレンズカバーが曇ってしまいました。

 せっかくクジャクチョウとヒョウモンチョウのツーショットが撮れたのですが、曇ったレンズのためオオボケになりました。

 周りには誰もいなかったので、動き回る姿を見られなくて良かったのですが、熊が見ていたかもしれません。勿論冗談ですが、でも牧草地で大きなカモシカを見かけました。

 いい思い出になりました。

2021年7月22日木曜日

病原性ウイルスによる常在ウイルスの活性化に伴う疲労感の発生

   昨日7月21日に2回目のワクチン(ファイザー製)を接種しました。

今日22日現在、1回目同様に肩の痛みもほとんどなく体調も異常ありません。医療関係を始めとする関係者の皆さんの頑張りには、本当にありがたいと思いました。感謝です。

12歳までの安全性試験を終えたワクチンもあるようなので、若年でも重症化リスクの高い方は安心して打てる環境になったようです。

 病原菌は今でも当然恐ろしい訳ですが、今回は病原性ウイルスの怖さが身に沁みました。

 このパンデミックを通じて、PCRを始めとするウイルス検出技術の向上と目覚ましい普及によって、常在ウイルスも含めウイルスに関する知見を蓄積する環境が整ったように感じます。

 これまで腸内細菌の細菌叢が肥満を始めいわゆる健康に大きな影響を与えることが次々に明らかになっていますが、これからはこれに加えてウイルス叢(ヴィローム)が注目されることになるようです1


  人間の体内には、様々なウイルスが共存しているようですが、時にはその常在性のウイルスが病原性ウイルスの感染に伴い活性化され、悪影響をもたらす可能性があるとのことです2)

 興味深い事象としては、例えば新型コロナウイルスへの感染に伴い副反応としての疲労感が増大する方が相当数おられるとのことですが、もしかしたら、この疲労感は脳内に常在するウイルスであるアネロウイルスの活性化によってもたらされるのではないかとする論文3)がありました。ワクチンでも倦怠感が生じるとのことなので、免疫系を通じた相互作用なのかもしれませんが、興味深いです。

 ヒトの組織レベルでのウイルスの分布に関する論文4)も出始めていますので、唾液や血液のヴィロームを測定することで、体調や疾病の予測・予防が可能になるといいなと思っています。

参考)

1)Guanxiang Liang et al.: The human virome: assembly,  composition and host interactions., Nature reviews microbiology, 19, 514-527(2021)

2)Marc Lecuit et al. : The human virome: new tool and concepts., Trend in Microbiology, 21(10), 510-515(2013)

3)Bjorn Grinde: Viruses bileonging to Anelloviridae or Circoviridae as a possible cause of chronic fatigue., J. Transl. Medicine, 18, 485(2020)

4)Ryuichi Kumata et al.: A tissue level atlas of the healthy human virome., BMJ Biology, 18:55(2020)

2021年7月20日火曜日

地球六周を果たした車との別れと真夏の牛久沼散歩

   7月11日(日)の関東一円豪雨で冠水した道路に車を乗り入れたため、124カ月乗り続けた車のエンジンに水が入り、残念ながら昨日19日に廃車することになってしまいました。

牛久、仙台、岩手を走り続け、走行距離は25万kmに届きそうで、地球6周を超えても故障することなく走り続けてくれた車だったので、申し訳ないような寂しい別れになってしまいました。

日本では熱海での豪雨等による地滑りの被害が甚大で心配なのですが、ドイツ、ベルギーでも豪雨に伴う川の氾濫により多くの犠牲者が出たとのことです。

これまでに経験したことのないような気象異常を覚悟しなければならない地球環境になっていることを改めて実感しました。

その後一転、暑い日が続いています。今日19日の牛久は34℃まで温度が上がるとのことでしたが、いつもどおり牛久沼まで散歩しました。

あまりに暑いので、散歩している方は見当たりませんでしたが、アヤメ苑では草刈り作業をされていました。お疲れ様です。

牛久沼の水は暑い日差しの中でやや濁っていました。

意外にも、散歩道の周囲の草には子蛙が目立ちました。鮮やかな黄緑色の蛙とやや青みがかった蛙が草の葉の上にチョコンと乗っていました。

暑すぎるためなのか、散歩道で蝶々をほとんど見かけませんでした。唯一小さなツバメシジミが見つかりました。

林沿いの道では、白い綿毛のついた枝がたくさんあり、綿毛に包まれた卵からカメムシ目のハゴロモ類(アオバハゴロモ科、ハゴロモ科)も孵化しさらに成虫になったようです。今回は、アオバハゴロモの成虫を数匹確認しました。

これまで、ハゴロモ類を見逃さないようにしてきたつもりですが、アオバハゴロモとベッコウハゴロモしか確認できていません。スケバハゴロモとアミガサハゴロモも良く見かけるとのことなので、さらに気を付けて探してみたいと思っています。