2021年7月22日木曜日

病原性ウイルスによる常在ウイルスの活性化に伴う疲労感の発生

   昨日7月21日に2回目のワクチン(ファイザー製)を接種しました。

今日22日現在、1回目同様に肩の痛みもほとんどなく体調も異常ありません。医療関係を始めとする関係者の皆さんの頑張りには、本当にありがたいと思いました。感謝です。

12歳までの安全性試験を終えたワクチンもあるようなので、若年でも重症化リスクの高い方は安心して打てる環境になったようです。

 病原菌は今でも当然恐ろしい訳ですが、今回は病原性ウイルスの怖さが身に沁みました。

 このパンデミックを通じて、PCRを始めとするウイルス検出技術の向上と目覚ましい普及によって、常在ウイルスも含めウイルスに関する知見を蓄積する環境が整ったように感じます。

 これまで腸内細菌の細菌叢が肥満を始めいわゆる健康に大きな影響を与えることが次々に明らかになっていますが、これからはこれに加えてウイルス叢(ヴィローム)が注目されることになるようです1


  人間の体内には、様々なウイルスが共存しているようですが、時にはその常在性のウイルスが病原性ウイルスの感染に伴い活性化され、悪影響をもたらす可能性があるとのことです2)

 興味深い事象としては、例えば新型コロナウイルスへの感染に伴い副反応としての疲労感が増大する方が相当数おられるとのことですが、もしかしたら、この疲労感は脳内に常在するウイルスであるアネロウイルスの活性化によってもたらされるのではないかとする論文3)がありました。ワクチンでも倦怠感が生じるとのことなので、免疫系を通じた相互作用なのかもしれませんが、興味深いです。

 ヒトの組織レベルでのウイルスの分布に関する論文4)も出始めていますので、唾液や血液のヴィロームを測定することで、体調や疾病の予測・予防が可能になるといいなと思っています。

参考)

1)Guanxiang Liang et al.: The human virome: assembly,  composition and host interactions., Nature reviews microbiology, 19, 514-527(2021)

2)Marc Lecuit et al. : The human virome: new tool and concepts., Trend in Microbiology, 21(10), 510-515(2013)

3)Bjorn Grinde: Viruses bileonging to Anelloviridae or Circoviridae as a possible cause of chronic fatigue., J. Transl. Medicine, 18, 485(2020)

4)Ryuichi Kumata et al.: A tissue level atlas of the healthy human virome., BMJ Biology, 18:55(2020)

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