2022年9月29日木曜日

九月末の晴れ間の筑波山登山ハイキング

   9月26日(月)は久しぶりに早朝から晴れていたので筑波山ハイキングに出かけました。

桜川市真壁町のつくし湖駐車場に車を止め、薬王院を経由して林道酒寄線などを通り筑波山梅林まで舗装された林道をゆっくり歩きました。

その後、筑波山神社にお参りをして御幸ヶ原コースで筑波山に登りました。

結構たくさんの登山者とすれ違いました。二十歳代と思われる若い方々が男女問わず頑張っている姿に励まされました。

御幸ヶ原から自然研究路を周り、薬王院コースでつくし湖まで戻りました。

山路を歩きながらあたりを見回すとキノコがたくさん生えていました。中でも日陰の林床で真っ白に光って見えるキノコが印象的でした。写真を撮って後で調べたところ、テングダケ科のシロオニタケのようです。

シロオニタケ

 紫色のキノコもありました。紫色のキノコで傘状になるのはムラサキシメジやコムラサキシメジ、ムラサキアブラシメジモドキなどがあるようです。照りが少ないのでムラサキシメジのようにも思えますが傘の形状がムラサキアブラシメジモドキに似ているようにも見えます。

紫色のキノコ

 その他、様々なキノコの写真を撮りましたが名前が分かりません。キノコが生えている樹木も判別しないといけないので難しいです。

樹木の切断面に生えたキノコ類

 9月19日に小町山を経て宝篋山に行った際にはタマゴタケを頂上付近で見つけました。

タマゴタケ

 今回の筑波山登山ハイキングでは、蝶々類はほとんど見かけませんでしたが、林道で野草の写真を撮っている際にウラギンシジミ(雄)が登山靴に止まりました。久しぶりに出会いました。

ウラギンシジミ    登山靴を味見  

 林道ではツユムシの仲間も見つけました。ツユムシ類の判別は難しいのですが、前足は少し黒いものの触覚が黒くないのでアシグロツユムシではないようです。また、2個の複眼の色がツユムシのように赤くないので触覚が2本平行に揃っていないのですが、セスジツユムシのように思われます。

セスジツユムシ

 フジの葉の表面が綺麗に食べられているようです。ニジュウヤホシテントウがナスやトマトの葉を食べた場合と同様に、葉緑体の無い裏の表皮が白く残されています。削りとるようにして食べるのでしょうか。

キバナアキギリや萩など秋の花も咲き始めていました。いつかゆっくり観察したいと思っています。

2022年9月24日土曜日

秋彼岸の日の牛久沼散歩

   雨の合間、9月23日(金)秋彼岸の日に牛久沼まで散歩しました。

牛久沼の周辺は彼岸に合わせたようにヒガンバナが満開になり、これまでのようにナガサキアゲハが蜜を求めてたくさん訪れていました。

ヒガンバナの蜜を吸うナガサキアゲハ

今回は牛久城跡を迂回し、今年3月26日に開通した国道6号牛久土浦バイパスの城中町から遠山町までの1.3㎞の歩道を通り牛久沼まで歩きました。

国道6号牛久土浦バイパス歩道の散歩

その後、「三日月橋さくら散策コース」も周り、アヤメ苑から雲魚亭を経て、再びバイパス歩道を歩き牛久駅方面に戻りました。

遠山町付近のバイパスは高架橋になっていますが、その下の歩道脇の草原でスミレやパンジー等を食草とするツマグロヒョウモンの雄に出会いました。

ツマグロヒョウモン(雄)

葉にギザギザの無いホソバアキノノゲシもたくさん咲いていました。

ホソバノアキノノゲシ

遠山町の根古屋を通り、牛久沼の木道から沼沿いを三日月橋まで歩きましたが、途中で運よくツマグロヒョウモンの雌にも遭遇しました。

ツマグロヒョウモン(雌)ツマグロヒョウモン(雄)

木道の脇にはイボクサの可憐な小さな花が咲いていました。初めて見ました。沼沿いの道のアレチウリの花にコアオハナムグリが止まっていました。

 

      イボクサ アレチウリの花とコアオハナムグリ

三日月橋を渡ると道端にニラの花がたくさん咲いていて、ヒメアカタテハが数羽花の周りを飛び回っていました。

ニラの花の蜜を吸うヒメアカタテハ

そのヒメアカタテハに混じり見たことの無い蛾がニラの花の蜜を吸っていました。後で調べたところタバコガより食性の広いオオタバコガのようです。

オオタバコガ

その後、さくら散策コースを通り林沿いの道を刈谷橋まで歩く途中でアカボシゴマダラを見つけました。

アカボシゴマダラ

ヒメジャノメもいました。

ヒメジャノメ

アオスジアゲハも飛んでいましたが、激しく飛び回るので静止した写真は撮ることはできませんでした。

刈谷橋からアヤメ苑に戻り雲魚亭に向かいました。その途中にヒガンバナがたくさん生えていますが、そのヒガンバナの花から花へと一匹のナガサキアゲハが飛び回っていたので、写真を撮っていたところ、4~5匹のナガサキアゲハが林から突然現れ、激しく飛び回り、あっという間に全部林の中に消えていきました。飛び交う写真は撮れませんでした。

その後、牛久沼の木道を通ってバイパス方面に歩いていたところ、狭い車道の上を一匹のジャコウアゲハの幼虫が歩いていました。食草のウマノスズクサがあるのでしょうか。

ジャコウアゲハの幼虫

夏から秋になり、ふたたび蝶々などの昆虫と出会う機会が多くなりました。楽しみです。

2022年9月18日日曜日

九月中旬のつくば市洞峰公園

   9月17日(土)につくば市の洞峰公園に行ってきました。お昼には持参した串団子を孫達と一緒に食べました。

駐車場はほぼ満車状態で子供連れの家族やジョギングの方々で賑わっていました。

1972年に無機材質研究所が移転し、1973年に筑波大学が開学し筑波学園都市が幕開けしたようですが、洞峰公園は翌年の1974年から1979年にかけて整備され今に至っているようです。洞峰公園もあと数年で50周年になるようです。

洞峰公園建立の碑

 子供が小学生の頃にも良く遊びに来ていましたが、年を経て今は孫と一緒に来ることになりました。昔とほとんど変わりなく、いつ来ても世代を超えて楽しむことが出来ます。

 公園をほぼ一周する歩道にランニング・ジョギング区分が設けられているので、訪問の度に結局孫と共に2~3周することになります。子供や孫の自転車乗りの練習もしました。

洞峰公園の散歩道(赤色部分がジョギング仕様)

 17日(土)には、多目的フィールドでシャボン玉のパフォーマンスが行われていて、たくさんの子供達がシャボン玉を追いかけていました。綺麗でした。今回は、孫がロバにも乗ることが出来ました。


シャボン玉のパフォーマンス(9月17日)

 散歩しながら周りを見回すと、ヒガンバナの花が所々に咲いていました。

ヒガンバナ

 地面を見渡すと様々なキノコが生えていましたが、切り株に茶色の粉を吹いた大きなキノコがあったので写真を撮りました。後で調べたところコナフキサルノコシカケのようです。小さなキノコがたくさん集まって生えるナラタケモドキもあちこちで見かけました。

   コナフキサルノコシカケ  ナラタケモドキ      

 野草の多い道端ではヤマトシジミやヒメウラナミジャノメなどの蝶が飛んでいました。ツマグロヒョウモンも見かけましたが、人通りも多いので近くに来ても直ぐに林の中に逃げ込んでしまいます。

 ヤマトシジミ   ヒメウラナミジャノメ

 ほぼ寿命を迎え木から落下したアブラゼミはスズメバチの餌になるようで、肉団子を抱えたスズメバチが飛んで行きました。

アブラゼミを攻撃するスズメバチ

 ハナミズキの近くにある杭に、歩く宝石と言われているアカスジキンカメムシの幼虫がいました。

アカスジキンカメムシの幼虫

 これまでに幼虫は何度か見かけていますが、まだ成虫と遭遇したことはありませんので、周りを探しましが見つかりませんでした。

 タマムシは死んでも翅の色は変わらないそうですが、アカスジキンカメムシの死骸は退色するとのことなので、動き回っている成虫を見たいと思いながら散歩しています。

 洞峰公園は赤塚公園とともに昆虫等の観察場所にもなるので楽しいです。

2022年9月16日金曜日

筑波高原キャンプ場から湯袋峠への山路のハイキング

   9月12日に桜川市の薬王院駐車場に車を止め、林道酒寄線、鬼ヶ作線、仙郷線などを通り筑波高原キャンプ場まで歩き、そこから湯袋峠に向かう関東ふれあいの山路を県道月岡真壁線出会いまで下り、往復しました。

薬王院から林道酒寄線へ

その後、筑波山に登るつもりでしたが牛久に戻る時刻が遅くなりそうだったので止めました。

林道にはセンニンソウがたくさん咲いていました。綺麗でした。

センニンソウ(9月12日)

ボタンヅルもたくさんありましたが、花の時期がセンニンソウより早いようで、花びらは散っていました。

ボタンヅル

天気が良かったので、キャンプ場の少し手前の仙郷線の高台から見る真壁町の様子がいつもよりクッキリとしていました。

林道仙郷線の高台から真壁町を望む

キャンプ場の駐車場付近のイチョウの木に果実がびっしりついていました。実のついたキレバノブドウも見つけました。

キレバノブドウの実    イチョウの実  

道端のイヌキクイモの花にはツユムシが乗っていました。花をたべているのでしょうか。

良く見かけるツユムシ類にはツユムシ、アシグロツユムシ、セスジツユムシの3種類あるとのことです。知りませんでした。

ツユムシは複眼が赤く、セスジツユムシは触覚と脚を揃えて止まる特徴があるとのことなので、今回出会った種類は、複眼は灰色で前脚と触覚が黒いことなどからアシグロツユムシのようです。

イヌキクイモの花とアシグロツユムシ

関東ふれあいの道の表示板に沿って湯袋峠方面に杉並木の階段を下ると、比較的水量の多い小川沿いの細い山路になり、せせらぎの音を聞きながらノンビリ歩くことが出来ます。

筑波高原キャンプ場から湯袋峠へのハイキングコース

一匹のハンミョウが目の前から飛び立ちました。最近あちこちの山路で良く見かけます。以前は気付かなかっただけなのでしょうか不思議です。

ハンミョウ

コミスジも木漏れ日の中を自由に飛び回っていました。

コミスジ

タマアジサイの花やゲンノショウコの花もありました。

ゲンノショウコ     タマアジサイ 

 キャンプ場付近のツリフネソウの花はピンク色でしたが、湯袋峠に下る山路のツリフネソウは黄色でした。

ツリフネソウ

今は、利用する人があまりいない山路の一人旅でした。県道月岡真壁線は車が良く通るので、湯袋峠までは行ったことがありません。

2022年9月15日木曜日

秋の気配を感じる九月中旬の牛久沼のほとり

   9月8日にイギリスのエリザベス女王が96歳で他界されました。戦後10年にも満たない混乱の時代から70年もの間君主として在位し、新たな混迷の時代を迎えた今でも自国民に尊敬され注目され続けていたことに感動します。

9月11日に牛久城跡を通り牛久沼まで散歩しました。牛久沼周辺は、稲刈りも始まり秋の風景に変わりつつあります。

牛久沼のアヤメ苑からの眺め(9月11日)

太陽が照るとかなり暑く感じましたが、風は爽やかでした。

牛久沼の遊歩道

牛久沼から三日月橋に向かう散歩道

沼沿いの歩道で3匹のアカタテハに出会いました。翅の模様が良く似ています。

牛久沼の散歩道で出会った3個体のアカタテハ

道端の林ではドングリが実り始め、アオバハゴロモが仲良く枝に止まっていました。

ドングリとアオバハゴロモ

少し涼しくなり散歩道の草むらにバッタが目立つように感じます。今回はアオマツムシを見つけました。初めて見ましたが、街中でもかなり増えているとのことです。秋の夜長を、ちんちろ ちんちろ ちんちろりんと鳴くのかな。

アオマツムシ(雌)

ショウリョウバッタもいました。

ショウリョウバッタ

自宅でも夜にコオロギなどの鳴き声が良く聞こえるようになりました。

まだ暑いのですが、季節が秋へと変わる気配があちこちで感じられます。

2022年9月7日水曜日

センニンソウなどキンポウゲ科の特有成分アネモニン

   筑波山など近隣の野山に出かけると、センニンソウやボタンヅルの花が目に止まります。これらはセンニンソウ属に分類されているようですが、学術名称はClematis(クレマチス)とのことです。

クレマチスは公園の花壇などで良く見かけますが、センニンソウやボタンヅルがクレマチスと近縁の植物だったとは知りませんでした。

センニンソウの花

センニンソウの種子

ボタンヅルの花

ボタンヅルの種子

でも、花を良く見ると確かにオシベとメシベが密集する様子が良く似ていますし、花が終わるとどれもメシベが白いヒゲのようになっているので、そうかなと感じます。

庭のクレマチスも確かに白いひげをたくさん付けていました。

庭のクレマチスの種子(9月7日)

センニンソウやボタンヅルはキンポウゲ科の植物ですが、キンポウゲ科にはキンポウゲ属やイチリンソウ属、センニンソウ属などがあり、キンポウゲ属の学名はラナンキュラス(Ranunculus)、イチリンソウ属の学名はアネモネ(Anemone)、センニンソウ属の学名はクレマチス(Clematis)になっています。

ラナンキュラスやアネモネ、クレマチスはいずれも園芸用の花として有名で、花壇などで良く見かけますが、同じキンポウゲ科に属する花だとは全く知りませんでした。

ラナンキュラス属の野草には、良く見かけるウマノアシガタやタガラシなどが含まれるようです。

キンポウゲ科キンポウゲ属のウマノアシガタ

アネモネ属の野草としてはキクザキチゲやニリンソウ等があります。

イチリンソウ属のキクザキイチゲとニリンソウ

これらキンポウゲ科の植物には、プロトアネモニン(Protoanemonin)と呼ばれる毒性の化合物が含有されているそうです。日本でもプロトアネモニンから生じるアネモニンが注目され、1920年代にキンポウゲ科のキツネノボタンを被験資料とした研究が行われていたようです(1)

プロトアネモニンは配糖体のラナンキュリンとして含有されており、組織の傷害などに伴いβ-グルコシダーゼが作用することで生成し、それに触れると皮膚に水疱等(Dermatoses)ができるとのことです(2)。でも、プロトアネモニンは比較的不安定で、植物の乾燥等により二量体のアネモニンに変化し、そのアネモニンには毒性が無く薬理作用が注目され古くから研究が行われていたようです。



世界的には2,000年代に入ってから再認識され始め、アネモニンの薬理作用研究が順次行われているようです。

因みに、プロトアネモニンは葉に多いとの研究報告も発表されていました(3)。配糖体のラナンキュリンはアネモニンを経て、最終的にアネモニン酸へと変化する過程が解明されているようです。

センニンソウやボタンヅルに興味を持ち少し調べて見たところ、日本でも行われていた100年前の卓越した研究に出会うことができました。なじみ深い花や野草の不思議な成分について知ることができ感激しました。

 

参考)

1)     朝比奈泰彦:アネモニンの構造及合成(アネモニンの研究第5報)、薬学雑誌(乙号)4551-131920

2) Protoanemonin - an overview | ScienceDirect Topics

3)     Fangming Jin et al.: Protoanemonin Content Variation between Clematis spp.:Leaf,Stem,Root., Natural Product Communications, 8(2), 147-282(2013)