2020年5月8日金曜日

コアオハナムグリのライフサイクル         コガネムシ、カナブン、ハナムグリ


Stay Homeが合言葉になっていますが、5月5日散歩に出かけました。鯉のぼりがあちこちに飾ってあるはずなのに、今年は全く見かけませんでした。たくさんの子供で賑わう牛久市役所広場での鯉のぼり展示も中止になりました。勿論、人通りも少ないのでかなり違和感というか寂しさを感じました。自粛が徹底していて、みんな凄く律儀だなと思います。

いつもの通り牛久城跡に立ち寄りましたが、実は前回(4月29日)の散歩で牛久城の跡地でコアオハナムグリの集団に遭遇した際、一か所からブーン・ブーンと湧き出るような感じだったので、一斉に羽化したのかなと思っていましたが、調べてみたところそうではなくて、越冬のために地面に潜っていた成虫が一斉に飛び出た瞬間だったようです。その瞬間に偶然遭遇できた訳です。

今回は前回より丁寧に観察し、青色だけではなくて茶色に近い成虫の写真も撮ることができました。また、コアオハナムグリと同じサイズのクロハナムグリの写真も撮ることができました。



カブトムシやクワガタ、コガネムシ、カナブンなどは幼虫で越冬するので、このコアオハナムグリも同じだろうと思っていましたが、違いました。良く見かけるカナブンの1/2程度の大きさの、このコアオハナムグリは秋に成虫になり地面に潜って越冬するとのことです。寿命は1年のようですが中には2年間生き延びる個体もあるようです。クロハナムグリもコアオハナムグリと同じ生活環のようです。

 和歌山県1)と東京都2)でのコアオハナムグリの発生サイクル(生活環)を調査した報告がありましたが、どちらも4月末に越冬した成虫が飛び始め、夏に卵から幼虫、蛹を経て秋に成虫になり様々な花を訪問して栄養を蓄え越冬するということのようです。

 日本で調査されるハナムグリ類には、このコアオハナムグリの他に、ナミハナムグリ、シロテンハナムグリ、シラホシハナムグリなどがあるようです。実は、すべて見たことがあるのですが、コアオハナムグリ以外はよく見かけるカナブンと同じぐらいのサイズなので、幼虫で越冬するようです。

 なお、コアオハナムグリはミカンの花にも飛んでくるようで、花を食べる際に子房を傷つけ果実に障害が生じることから害虫として駆除されているようです。

 誘引剤としては、アネトールとオイゲノール、ゲラニオールの等量混合物が有効とのことです。これらの誘引物質に魅了されて類似の甲虫が集まる可能性があるので、使ってみたいと思っています。


 コガネムシ、カナブン、ハナムグリの分類は結構難しいようです。これを機会に、見かけたら写真を撮って調べてみたいと思っています。

参考)
1)松浦 誠:コアオハナムグリの発生経過、関西病虫研報、1828-321976
2)岸本 圭子ら:国内外来種を含む訪花性ハナムグリ亜科5種の発生状況、保全生態学研究、22159-1702017


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