2018年2月17日土曜日

キャベツの芯が芽キャベツに


今日は2月17日(土)です。平昌冬季オリンピックの男子フィギャースケートで羽生(はにゅう)選手が117日に負った大怪我を克服し、66年ぶりとなる2回連続金メダルを獲得しました。歴史に残るすごい事です。一方、将棋界では羽生(はぶ)永世七冠が朝日杯将棋オープン戦の準決勝で中学生の藤井聡太5段に敗れましたが、この羽生(はにゅう、はぶ)選手による盤上の戦いが、近年にない程の注目を集め盛り上がりました。

藤井聡太さんは午前の羽生戦に続き、午後に行われた決勝で広瀬八段を破り優勝し六段に昇段しました。2月1日に五段になってから僅か17日目の出来事で、公式戦制覇と六段昇段ともに最年少記録とのことです。これまでは、昨年6月に現役を引退した加藤一二三(ひふみん:78歳)が、それらの記録保持者だったようです。

話題のフィギャースケート(NHK)と将棋の試合(アベマTV)をしっかり観戦することができ、今日は本当に感激しました。動ぜず、しっかりと実力を出し切ることができる。「そんな人に私もなりたい」とつくづく思いました。

このブログでは昆虫や植物の写真を掲載したいと思っていますが、冬になってから、なかなかチャンスに恵まれません。今日は幸いにも、最近食べたキャベツの芯から脇芽が出ているのを見つけたので、その写真をアップします。包丁で葉をそぎ落とした後に残った直方体の芯にたくさんの小キャベツが芽を出しています。まるで芽キャベツのようです。

 
 
芽キャベツは、茎と葉柄にはさまれた付け根の部分に生じた側芽が、小さなキャベツのような形態に成長したものです。側芽の成長は、植物ホルモンのオーキシンとサイトカイニンのバランスによって制御され、多くの植物は、先端にある頂芽で合成されるオーキシンによって、側芽の成長が抑制され、頂芽優勢になっているとのことです。

芽キャベツは、頂芽優勢が抑制されて側芽もどんどん成長できるようになったキャベツだ、ということもできるかも知れません。もっとも、トマトやキュウリ、ピーマンなどでも側芽が伸びるので、園芸農家では芽かきが大切な仕事になっているようです。

 以前、花芽形成ホルモンのフロリゲンが、予言から70年の時を経て、10年程前に発見・同定されたということを書きましたが、最近は芽の形成抑制作用を示すストリゴラクトンが新たな植物ホルモンとして認識され、注目を集めているようです1)。この植物ホルモンは、リン酸の欠乏に伴い根から土壌に分泌され、リン酸吸収に優れた菌根菌に対して共生を促す物質としても働くとのことです。ただし、これまでに見いだされた物質は不安定で分解されやすいとのことで、農場での利用に耐える化合物の検索が行われているようです。

参考)
1)Yuichiro TsuchiyaNature Chemical Biology 2010, 6, 741-749.

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