2022年4月9日土曜日

桜が散り始めた牛久沼ほとりの散歩

   今日4月9日(土)は晴天だったので牛久沼の牛久市観光アヤメ苑に行ってきました。孫娘とアヤメ苑で昼食を食べました。

牛久市観光アヤメ苑(4月9日)

アヤメ苑から眺める牛久沼のほとりには草花も生え始め、ウクライナを思うとためらいもありますが、生物のサイクルがしっかりと回っていることを感じました。

牛久沼のほとり(4月9日)

アヤメ苑から三日月橋を渡ると長い桜並木が見えます。桜並木の桜は満開を終え吹く風によって花びらが次々に散ってしまうような状況でしたが、おだやかな散歩を楽しむことができました。

牛久沼近傍の桜並木

桜の周囲には満開のタンポポがたくさんありました。タンポポの花に、一齢の小さなヤブキリが陣取っています。命は繋がります。

桜並木草むらのタンポポ

タンポポの花に止まっている一齢のヤブキリ

春一番に姿を見せるツクシは胞子をまき散らした後、親のスギナの中に隠れてしまいそうです。

ツクシとその親のスギナ群落

桜やタンポポのように注目されることは少ないのですが、寒さに耐えながら最も早く台地を緑に染める役割を担う草花としては、ハコベを取り上げることが出来ます。

ハコベは世界中に約120種あるとのことですが、日本で「ハコベ」と言えば、通常はコハコベ(Stellaria media)とミドリハコベ(Stellaria neglecta、ウシハコベ(Stellaria aquatica)の3種が該当するとのことです。

ハコベは春の七草として有名ですが、生薬名を「繁縷(ハンロウ)」と呼び、ハコベ粉末に塩を混ぜたものは「ハコベ塩」として歯茎のマッサージに使用された歴史が日本にあるとのことです。

2020111日のブログではハコベの冷凍耐性に注目して記載しましたが、冷凍耐性に関与すると推定されているオリゴ糖のリクノース(Lychnose))やステラリオース(Stellariose(ハコベ属に因んだ命名))の他に、薬理作用を示すフラボノイドやステロイドサポニンなどが注目されているようです1)ので興味を持ちました。勉強して見ます。

コハコベの花(雄蕊が少ない)

今回の散歩では、コハコベ(Stellaria media)やウシハコベ(Stellaria aquatica)の他にオランダミミナグサ(Cerastium glomeratum)や田んぼに生えていたノミノフスマ(Stellaria uliginosa var. undulate)の写真を撮ることが出来ました。

ウシハコベ

オランダミミナグサ

ノミノフスマ(田んぼに生育)

どれも小さな花ですが良く見ると綺麗です。でも、愛用のコンパクトデジタルカメラでピントを合わせるのが大変です。

しばらく、岩手で畑作業などをして戻ります。

 

参考)

1)Oluwole Solomon Oladeji et al. : Stellaria mediaL.Vill. A plant with immense therapeutic potentialsa: phytochemistry and pharmacology., Heliyon 6 (2020) e04150.

2022年4月7日木曜日

筑波山のスプリング・エフェメラル群の観察

   昨日4月6日(水)に筑波山に登りました。つくし湖駐車場に車を止め、薬王院登山コースの鬼ヶ作林道出会いから筑波高原キャンプ場まで歩き、一本松コースで女体山に登り薬王院コースで下山しました。

  この時期の筑波山一帯は、カタクリやキクザキイチゲ、ニリンソウなどのように春だけその存在をアピールする春の妖精のような花に覆われます。 

 カタクリなどのように春だけ姿を見せる春のはかない草花は「スプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)」と呼ばれているそうです。

 筑波山はスプリング・エフェメラルの里と言っても過言ではない程、たくさんの春を知らせる綺麗な花に出会うことができます。

 晴天に恵まれたこともあり、筑波高原キャンプ場には数グループの登山者が昼食休憩をとっておられました。少し散策したところ、カタクリの花がキクザキイチゲと共にたくさん咲いていました。

カタクリの花(4月6日)

 キャンプ場からの一本松登山コースには、登山道の左右両側にたくさんのカタクリが自生していますが、まだ蕾のものが多かったように思います。

カタクリの花の蕾(4月6日)

 女体山頂上には、春休みの家族連れ等たくさんの登山者がおられました。

一匹のヒオドシチョウが岩や登山者の肩に止まるなど、自由に飛び回っていました。

筑波山頂上のヒオドシチョウ

 頂上から御幸ヶ原に向かう散歩道の途中にある「カタクリの里」には、カタクリやキクザキイチゲの花がたくさん咲いていました。

咲揃ったカタクリの花

 今回は、御幸ヶ原から男体山の頂上には向かわずに自然研究路を歩きましたが、数年間通行止めになっていた部分の修理が完了し、男体山を一周することができるようになったようです。

 自然研究路でもカタクリやキクザキイチゲの花がたくさん咲いていましたが、ニリンソウの花はまだでした。でも、暖かい日が続きそうなのでもうすぐ見ごろを迎えることでしょう。

 キクザキイチゲの花の写真をたくさん撮りましたが、白色のものから紫色の濃いものまで結構バリエーションがあるようです。

筑波山のキクザキイチゲ

 自然研究路から下山のため薬王院コースに入りましたが、小さなユリワサビの花が目につきました。

筑波山のユリワサビ

 下山途中にキタテハとヤマトシジミを見つけました。

キタテハ(4月6日)

ヤマトシジミ(4月6日)

 今回は、ハルトラノオやシロカネソウ属の花も見つけましたが、草花を眺めながらの登山ハイキングでしたので、いつもより大部遅い時刻の下山になってしまいました。

筑波山のハルトラノオ(4月6日)

筑波山のシロカネソウ属の花(4月6日)

 つくし湖の桜も満開でした。

つくし湖の桜(4月6日)

暖かくなってきたので、そろそろ岩手に帰省しようと思っています。ささやかな手抜き菜園の雪が消え、岩手でも草花が咲き始めているかも知れません。

ウクライナ戦争が気がかりです。ブチャの路上の死体映像を見て唖然としました。時計の針が戻るような怖さを感じました。