晴天で「日向ぼっこ」をしたくなるような天候の中、白い壁に張り付いた風変わりなカメムシが2匹いたので写真を撮り、後で調べたところ「ヨツモンカメムシ」であることが分りました。体の中央付近にも黒点があるので、もしかして五つ紋カメムシというのもあるのではないか、と思い調べましたが、良く見ると角ばった肩の下にある三角形の体表には3個の黒い点があるものの、名付けの原因になっている4個の黒点より明らかに淡いものでした。この3個の淡い点は、地域特有のもの(エコタイプ?)かもしれません。ネットで公開されている他の写真を見ると淡い点が無いものもありました。
ヨツモンカメムシは夏季にはニレの木などで樹上生活をしているので見かけることは少なく、晩秋に樹木から降り越冬の準備をする際に良く見つかる種だと言われているようです。
山から下り、壁の白いモルタルにつかまっていた2匹は「つがい」なのだろうか、どこで越冬するのだろうか。夕方にはもういませんでした。人間に例えれば老夫婦には見えませんでしたが、待っている過酷な越冬生活を想像してしまいます。命をつなぐ営みに感動を覚えます。
今まで相当気にかけて探したにも関わらず、あまり出会うことのなかったテントウムシが数十匹の集団となり壁をよじ登っていました。ジャガイモ畑にいたオオニジュウヤホシテントウより小ぶりで、二つ星、四つ星、赤星、黒星など様々な外見をしています。どれもナミテントウのようです。ナミテントウはイギリスを中心に、ハーレクインテントウ(Harlequin
ladybird:道化師テントウ)と呼ばれ、日本から来た地上最強の侵入テントウムシ(the most invasive ladybird on Earth)であると言われています。発見報告を集めている大学があるぐらい恐れられているようです1)。日本では益虫なのに、かわいそうな気がします。
ハーレクインテントウとイギリスで名付けられた理由の一つは、その外見の模様がイギリス伝統のチェック(市松模様)になっているからだそうです2)。しかもそのパターンは100種以上あり極めて多様です。日本から侵入したハーレクインテントウ(道化師テントウ)はデビル(悪魔)扱いで、イギリス在来のナナホシテントウは天使扱いなのでその落差が際立ちます。天使を悪魔が駆逐するのではないかという恐れからなのでしょうか。
でもイギリス人は、バッキンガムチェックで知られているように市松模様が好きなようですので、ハーレクインレディーバードという響きには、愛情が込められているように感じてしまいます。イギリス人はたぶんテントウムシそのものが好きなんだろうと思います。ちなみに、2020年の東京オリンピックのエンブレムは市松模様で、市松模様は日本でも伝統的な模様なのでややこしいです。
これらのテントウムシは越冬のため、日の当たることのない温度変化の少ない樹木や壁の北側の隙間に集まるとのことなので、今年は是非テントウムシ越冬隊も探してみたいと思っています。
晩秋の岩手の畑の花に集まる「ハナアブ類」は動きが比較的鈍かったので、私でも写真は撮り易いと感じましたが、蝶々はジッとしていませんでした。数羽に遭遇したので、慌ててシャッターを切りました。それぞれ一羽のキチョウとベニシジミ、キタテハ、それにキタテハより少し小ぶりで、キタテハとヒョウモンチョウとベニシジミが混ざったような感じの蝶々の写真を撮りました。かなり翅が傷ついているので、見分けがつきません。少しかわいそうですが、自然はとどまることなく移り変わります。もう蝶々には寒すぎると思います。
いよいよ本格的に寒くなるのでブルーベリーの木に冬囲いをしたいと思っています。
2)http://www.arkive.org/harlequin-ladybird/harmonia-axyridis/
0 件のコメント:
コメントを投稿