今日の仙台は快晴です。近くの笊川を散歩したところナス科の「ワルナスビ」が花をつけていました。水がよどんで少し深くなっているところで、尾びれが白くなった鮭が2匹泳いでいました。良く見ると川底に2匹の死骸が沈んでいました。笊川にも鮭が上ってくるんですね。でも、少し悲しい気分になります。泳いでいる鮭も、ここでまもなく一生を終えるからです。
ジャガイモのソラニンやチャコニンなどグリコアルカロイドに関する信頼できる情報は農水省消費安全局が提供していました1)。
ジャガイモのソラニンやチャコニンなどグリコアルカロイドに関する信頼できる情報は農水省消費安全局が提供していました1)。
この情報をもとにして、小学1年生(男子平均体重23kg)が苦味のあるジャガイモをどの程度食べると中毒症状がでるのかを計算してみました。但し、グリコアルカロイドに対する年齢による感受性の差異は不明なので、症状のでる量を1mg/kg(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA))にしています。
苦味のあるジャガイモのグリコアルカロイド含有量は25~80mg/100gで、かなり幅があります。そのため、中毒症状のでる苦いジャガイモの摂取量も29~92gとなり、小ぶりの苦いジャガイモだと1/3から1個ということになります。かなり苦い場合は1/3程度を食べても症状がでる可能性があることになる訳です。でも、芽をえぐり取り、皮を少し厚く剥けば事故は防げるものと思いますが、学校などでは苦いジャガイモは廃棄が一番ということになります。同じようにジャガイモの葉で計算すると、小学1年生では23~99gの葉を食べると症状の出る可能性があることになります。
でも、当然のことですがジャガイモは世界の主要な食料であり基本的には安全なものです。私たちが毎日食べている食塩でも、いっきにたくさん食べると大変なことになります。食べる量がその食品の安全性を左右しているということになります。
人間にとっては、ジャガイモのソラニンなどグリコアルカロイドはあまりない方が安全である訳ですが、ジャガイモにとっては生存戦略物質の一つのようです。米国では、コロラドハムシという昆虫がジャガイモの害虫として恐れられていますが、グリコアルカロイドはこの昆虫に対する防御物質で含有量の高い品種は被害が少ないとのことです。
またジャガイモの表面に茶色のスポットができる「そうか病」に対してもグリコアルカロイドが抵抗性を示すとのことで、グリコアルカロイドの多い品種であるメークインは、グリコアルカロイドの少ない男爵やキタアカリよりもそうか病になりにくいとのことです。私の畑でもメークイン以外のジャガイモがそうか病になってしまいました。
しかし、こうしたジャガイモの生存戦略を打ち破る病原菌もいるようです。ジャガイモ腐敗病菌(Erwinia afrosepfica)とジャガイモ疫病菌(Phytophthora
infesfans)は、グリコアルカロイドから糖を遊離させる酵素を生産することができるので、ジャガイモの葉に容易に感染することができるようです2)。生物それぞれの生きるための戦略には興味がつきません。
2)Robert M. Zacharius, et al. : Phys. Plant Path., 6, 301(1975)
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