2019年8月22日木曜日

切手に採用されるなど人気のアカスジカメムシ

 お盆のお墓参りのため812日から18日まで岩手に行って来ました。畑の作業も少し行いました。

813日に畑に出かけましたが、その際、イタリアンパセリの花に赤い筋のあるカメムシがたくさんいました。初めての遭遇でしたので調べたところ、アカスジカメムシと呼ぶようです。アカスジカメムシは、セリ科の植物を食草にしているとのことです。
アカスジカメムシ(Graphosoma rubrolineatum)
イタリアンパセリとアカスジカメムシ
7月にはスカイブルーのカメムシに出会いましたので、このところカメムシとの相性がいいようです。珍しいキンカメムシとの遭遇も期待してしまいます。

イタリアンパセリには、たくさんのアカスジカメムシとともに赤い色をしたブチヒゲカメムシも一匹いました。プチヒゲカメムシはマメ科やキク科の他に大根や稲、さらにはニンジンも食草とする広食性のようなので、イタリアンパセリの樹液も吸っていたものと思われます。
イタリアンパセリにいたブチヒゲカメムシ

カスジカメムシは結構人気があるようで、ハンガリーとトルコの切手にその写真が採用されていました。

 そこで少し調べて見たところ、世界的にGraphosoma類は8グループに分類されていることが分かり1)、日本にはその内の1種のGraphosoma ruburolineatumのみが分布しているようです。
世界のアカスジカメムシ類8種(日本にはNo.4が分布)

No.1とNo.2およびNo.7とNo.8は同種の雄と雌
 日本での研究によるとアカスジカメムシは第5齢まで脱皮をするようで、その詳細が報告されていました2)。アカスジカメムシの欧州型(Graphosoma lineatum)の場合も第5齢まであり、越冬前は赤と黒の色が薄いままで過ごし、越冬後に赤と黒の色が際立つようになり繁殖活動をすることが分かっているようです3)。カメムシに関する研究は良く行われているようなので、後でさらに調べて見たいと思いました。
日本のアカスジカメムシ(G. rubrolineatum)の成長過程
ヨーロッパに分布するアカスジカメムシ(G. lineatum)のライフサイクル
    今回はお盆ということで畑仕事は少しおざなりになってしまいましたが、それでもジャガイモは全部収穫しました。ホッカイコガネを始めて植えて見ましたが、現状の硬い赤土の畑では男爵やキタアカリよりも収量が多かったです。でも、かなり硬い土でしたので中には芋がショウがのように多方向に成長したものもありました。メークインのように煮崩れしにくく加工に向いた品種だということですので、今後食べ比べをしてみたいと思っています。
収穫したホッカイコガネ
豆類は、どれもほぼ順調に生育していましたが、虎豆に比べて紅花豆と白花豆の結実状況が悪いようです。花はたくさん咲くのですが実が出来にくいのが欠点です。
虎豆の生育状況
紅花豆の生育状況

白花豆の生育状況
 大豆類は病気や虫による被害はまだほとんど見られず、順調に生育しているようですが、残念ながら枝豆として食べられるほどの熟度になっていませんでした。次回の訪問の際には、食べることができるかも知れません。

参考)
1)Attilio Carapezza & Zdene K. Jindra : Naturalista sicil., S. Ⅵ、XXXⅡ、(3-4)471-478(2008)
2)小林 尚:応動昆誌、9(1), 34-41(1965)
3)Aleksandra I. Johansen et al. : Ecological Entomology, 35, 602-610(2010)


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