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2026年4月7日火曜日

筑波実験植物園のベロニカと筑波農林研究団地の桜

 4月5日(日)に筑波実験植物園を見学しました。

オオバコ科クワガタソウ属のベロニカ オックスフォード ブルー(Veronica ‘Oxford Blue’)の花が咲いていました。

ベロニカ オックスフォード ブルー(4月5日)

野原や道端でよく見かける同じクワガタソウ属のベロニカ ペルシカ(オオイヌノフグリ(Veronica Persica))とよく似ています。ベロニカ姉妹でしょうか。

ベロニカ オックスフォード ブルーとオオイヌノフグリ
(ベロニカ姉妹)

 牛久市内の道端ではオオイヌノフグリの花の蜜を吸うベニシジミを良く見かけるようになりました。
オオイヌノフグリの花の蜜を吸うベニシジミ
  でも、ベロニカ オックスフォード ブルーの花の青色がかなり濃いようなのでPubMedで検索しましたが、花色の研究はヒットしませんでした。オオイヌノフグリの花の色素は名古屋大学(現在:愛知淑徳大学)の吉田久美先生のグループが解明されていますが、オックスフォードブルーも同じなのでしょうか。興味深いです。カバーグラスとして利用されることもあるとの事ですので、大量収穫も可能のようです。
オオイヌノフグリの花の青色色素

 筑波実験植物園ではカタクリやイカリソウ、オキナグサなどの「スプリングエフェメラル」が紹介されていました。

筑波実験植物園(4月5日)

 イカリソウがたくさん咲いていました。

筑波実験植物園のイカリソウ(4月5日)

 小さなフデリンドウも見つけました。

筑波実験植物園のフデリンドウ(4月5日)

 キランソウ(地獄の窯の蓋)もたくさんありました。

筑波実験植物園のキランソウ(4月5日)

 最近シダ類に興味を持ち、低山登山の度に写真を撮っていますが、筑波実験植物園には「クサソテツ(こごみ)」の群落がありました。綺麗に育っています。

筑波実験植物園のクサソテツ群落(4月5日)

 今年は、運よくコゴミを採集して食べることが出来ました。岩手で小さい頃に食べた思い出があり美味しかったです。

 4月6日(月)には二人の孫を16時頃保育園まで迎えに行き、そのまま「筑波農林研究団地(農研機構)」の桜見物に出かけました。

筑波農林研究団地(農研機構)の桜(4月6日)

 平日の曇りの夕方でしたので、桜見物の方はほとんど見かけませんでしたが、落ちた花びらに覆われた歩道を四人で歩き回りました。

筑波農林研究団地(農研機構)の桜見物(4月6日)

 団地内の道路に設けられた休憩所の椅子に座って少し休みましたが、周りの林から伸びた枯れ蔓にクマバチが捕まっていました。まったく動かないので死骸かなと思い、手で触ると、ほんの少しだけ動きました。

身動きしないクマバチ(4月6日)

 木材の巣穴で越冬した新成虫のようです。巣穴から早く出たあわてんぼうでしょうか。寒い夕方でしたので休んでいたのでしょう。そっと枝にからませ置いてきました。

2026年3月21日土曜日

令和八年、早春の牛久沼散歩と野草の花

 3月17日(火)牛久沼まで散歩しました。

 牛久市田宮の薬師寺脇を通り、城中田宮線の歩道を城中まで歩き、牛久城跡公園に入りました。

牛久市田宮の薬師寺から牛久城跡へ(3月17日)

 城跡公園の広場で蝶々などの昆虫を探しましたが見つかりません。冬眠していた虫などが出てくる啓蟄は3月5日から19日までとのことですが、残念でした。

牛久城跡公園から元気館方面へ(3月17日)

 元気館方面に向かい、牛久沼の木道(カッパの小径)を歩きました。風もなく見晴らしが良く清々しい日でした。

牛久沼カッパの小径(3月17日)

 道端にはタンポポやオオイヌノフグリ、ホトケノザ、ヒメオドリコソウの花が咲いています。

牛久沼のほとりのタンポポ、オオイヌノフグリ
ホトケノザ      ヒメオドリコソウ

 観光アヤメ園で少し休憩しました。

牛久沼観光アヤメ園(3月17日)

 アヤメ園から「三日月橋桜散策コース」に向かい、桜の花の蕾を観察しましたが、開花はまだのようです。東京では19日に開花したとのことです。

アヤメ園から桜散策コースへ(3月17日)

 三日月橋欄干のカッパの像を眺め、カッパの碑から雲魚停を通り、牛久市田宮まで戻りました。

三日月橋からカッパの碑・雲魚停へ(3月17日)

 少し寒い日でしたので、昆虫は見かけませんでしたがオオイヌノフグリの他に花の小さなイヌノフグリやカラスノエンドウ、ミチタネツケバナ、ナズナ、ダイコンバナ、ハナニラ、ノボロギクなど様々な花が咲き始め、春が始まっているようです。

牛久沼付近の農道のオオイヌノフグリ、イヌノフグリ
カラスノエンドウ    ミチタネツケバナ

ナズナ        ダイコンバナ 
ハナニラ        ノボロギク

 花の蜜を吸う昆虫もそろそろ出てくるのでしょう。往復10km程のささやかな散歩でした。

2022年1月25日火曜日

牛久沼散歩とオオイヌノフグリの思い出

   123日にいつもの牛久沼散歩に出かけました。

17日に雪が降り、その後も続いて早朝は氷点下になっているにもかかわらす、田んぼの土手にはオオイヌノフグリの花が咲いていました。本当に逞しい野草だと思いました。

オオイヌノフグリ(1月23日)

オオイヌノフグリの花の青色は、アントシアニン(花色素)グループの基本化学構造5種類の中でも最も青色の濃いデルフィニジン配糖体によるものだということが分かっています。

天然にない青いバラを、サントリー㈱研究所が育成しましたが、これはバラに欠落しているデルフィニジン合成酵素を遺伝子組み換えによってバラに導入することで実現しています。

オオイヌノフグリの青色は確かに青いほど綺麗です。

野草に限らす、実は「フグリ」が青い程立派だと認められる動物がいるようです。話題になっているサバンナモンキーなどです。

オオイヌノフグリのフグリに似た種子は青色にならず、花びらだけが青色なので、正確に言うとフグリの色は異なるのですが、「フグリと青色」から連想するとイヌノフグリとサバンナモンキーが思い浮かびます。

さらに正確には、サバンナモンキーのフグリの青色は色素によるものではなくて「チンダル現象」だという説が見つかりました。 

タマムシの翅の色はチンダル現象のように物理的なものなので、死骸の翅も色あせることはないのですが、もしサバンナモンキーの陰毛が物理的な青色であったら、動物園のイベントの景品にすれば人気が出るように思いました。

しかし青色に見えるのは、毛ではなくて皮膚の色のようです。皮膚にウロコより細かく、青色の波長を反射するヒダがあるのでしょうか。文献を調べたいと思いました。

様々な疑問が頭に浮かびますが、「イヌフグリ」という歌を大学の仲間数人が集まった送別会の席で、先生が歌って下さったのを思い出しました。

 尊敬する先生だったので、フグリを何となく想像しながらも静かに聞いた覚えがあります。でも、歌詞も曲もすっかり忘れていました。

今回、気になったので「イヌフグリ」を手掛かりに調べたところ1950年代に、朝鮮戦争に出兵した人を思う歌とのことでした。大事な歌のようです。

最近、ゲオでビデオ「赤い闇」を借りて観ました。50年以上前の中学生の頃、ウクライナは穀倉地帯だと習い、それがウクライナに行ったことのない私の持つ印象でした。餓死した上の兄と暮らす兄妹の姿は強烈で一生忘れられないと思います。悲劇をつくってはいけません。

30代の後半に大岡正平の「野火」をつり革につかまりながら電車で読んでいて、不覚にも失神してしまったことは誰にも言っていませんでした。間一髪、担架に乗る前に覚醒して事なきを得たのでした。

 登山やハイキングで「もののけ姫」の主題歌を歌ってその気になっていたのですが、これからは「イヌフグリ」もレパートリーに入れようと思いました。

 オオイヌノフグリの学名はベロニカで、薬用植物として利用している国もあるよううなので、オオイヌノフグリの名称はかわいそうと思い、個人的に愛称を「ベロニカ」にしようと思っていたのですが、今回、歴史的にも様々な思い入れがあり、日本でこの名称が愛されていることが分かりました。

 以前ブログに書いたように1)、抗ウイルス作用もあるようなので「イヌフグリ茶」を飲んで見ようと思っています。

 牛久沼は静かでした。釣り人もたくさんいて、いつものように時が流れて行きます。

牛久沼(1月23日)

牛久沼のほとり(1月23日)

参考)
1)ブログ 2020年3月14日:オオイヌオフグリの意外な効能(口唇ヘルペス予防)

2020年3月14日土曜日

オオイヌノフグリの意外な効能(口唇ヘルペス予防)


3月12日と9日は天気が良かったので、牛久沼周辺を散歩しました。三日月橋のあやめ苑では10名を超えるボランティアの方々が両日とも除草作業や花畑の畝造り、堆肥の鋤き込み作業などをしていました。ご苦労様です。

ラジオで、東京の桜の開花宣言がそろそろ行われそうだと言っています。
新型コロナが逸早く下火になることを願っています。フランス、デンマーク、スイス、アイルランド、ノルウェー、米国のオハイオ州など3州では16日から公立学校が休校になるとのことです。

散歩道にはオオイヌノフグリ(Veronica persica:ペルシャのベロニカ)がたくさん咲いていて目を引きます。
オオイヌノフグリの花(Veronica persica:ペルシャのベロニカ)
可憐な花ですが、その花弁の青色がとても鮮やかです。青色色素はアントシアニンのデルフィニジン誘導体であることが解明されており、デルフィニジンにグルコース2分子とそれらに結合したパラクマル酸が2分子、さらにマロン酸1分子が結合しているとのことです1)。面白いことに、オシベの葯の青色色素は花弁の青色色素からマロン酸が離脱した化合物だったとのことです。花弁や葯には、このデルフィニジン誘導体とともに、アピゲニン-7-グルクロニドが共存し、青色を一層強めて(バソクロミック効果:長波長側にシフトさせる作用)いるとのことです。
オオイヌノフグリの花と葯の青色色素
オオイヌノフグリなどクワガタソウ属に分類されるVeronica(ベロニカ:聖者の名前)類はトルコなどでは民間薬(folk medicine)として利用されている種類があるとのことで、イヌノフグリ(veronica polita)とオオイヌノフグリ(Veronica persica)もその仲間なようです2。初めて知りました。複数のフェニールプロパノイドやイリドイド化合物の化学構造の解析が行われ、その結果が報告されていました2)。食用にもなるとのことです。

また、驚いたことにオオイヌノフグリの80%メタノール抽出液には口唇ヘルペスなどの単純ヘルペス(HSV1,HSV2)に対する抗ウイルス作用がありそうだということが培養細胞を用いた試験によって明らかにされていました3)。抗ヘルペス薬であるアシクロビルとの相乗作用もあるようです。
オオイヌノフグリの口唇ヘルペス感染阻止作用
春一番に咲き最も身近に感じていたオオイヌノフグリが、他国では民間薬として利用され、さらに時々悩まされる口唇ヘルペスの予防に役立つ可能性があることが分かりました。これまで親近感は持っていましたが、雑草の一つとしてのみ眺めていました。苦いそうですが疲れた時、ヘルペスが出そうな時に茶として飲んで見たいと思いました。辞典等での確認はとれてませんが「フレンチ紅茶:French black tea」とも呼ばれていると記載している方もおられました。

参考)
1)M. Mori et al., Anthocyanin Components and Mechanism for Color Development in Blue Veronica Flowers., Biosci. Biotechnol. Biochem. 73(10), 2329-2331(2009)
2)U.Sebnem Harput et al.: Phenylpropanoid and Iridoid Glycoside from Veronica persica., Chem. Pharm. Bull., 50(6), 867-871(2002)
3)Javad Sharifi-Rad et al.: Antiviral activity of Veronica persica Poir. On herpes virus infection., Cell.Mol. Biol., 64(8), 11-17(2018)