2017年5月16日火曜日

ジャガイモとアイルランド


  芽が出て柔らかくなったジャガイモをまだ食べています。芽をえぐり取り皮を剥くのですが、全体がグニグニするので厚く剥いてしまい、剥き終わるころには食べる部分が小さくなり歩留まりが悪いです。食感は獲りたてよりネットリとして、近所のスーパーで買ったものよりはるかにおいしいです。実は、獲りたてもおいしく一人自慢の逸品です。草の中でたぶんのびのびと育ち、茎葉が枯れ、どこに芋があるか分からないほど遅い時期に収穫しているからだろうか。

若いころはジャガイモが苦手で、味噌汁中に発見すると避けていたのですが、いまはウエルカムです。南米からスペインを経てドイツやフランス、アイルランドなどヨーロッパ全土で栽培され始めたジャガイモは、戦争が絶えなかった1819世紀初頭のヨーロッパにおいて、荒れ地に育ち収穫量が多いことなどから主要な食料として庶民の命を支えたとのことで、とても好感を持つようになりました。

でも、1845年から始まったジャガイモ軟腐病の蔓延は、ヨーロッパの中でも特にアイルランドに大きな被害をもたらしたことは良く知られています。その際、疾病や移民により減少した人口370万人は、現在でもまだ回復していないとのことで悲しい気持ちになります。私たちも東日本大震災を経験しましたが、中学校や小学校の校庭に炊き出しを待つ行列ができ、自分もその中の一人になるとは、この平和な日本にあって想像だにしていませんでした。

アイルランドのジャガイモ飢饉は単一種ランバーズのモノカルチャーが原因であったと言われています。ジャガイモの故郷アンデスでは一つの耕地に多種類のジャガイモを栽培し冷害病の蔓延を防いでるそうです。

今回私が植え付けたジャガイモは、ソラニンがやや多いと言われる「メークイン」、目の網膜の色素として注目されるルテインを含有する「北あかり」と定番の「男爵」です。その上多様な雑草が加わりますので病気は防げるように思います。これから、ジャガイモ畑コミュニティーを形成する植物や昆虫など各メンバーの消息について、記録したいと思っています。

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