2017年12月1日金曜日

秋の笊川の草花とマルハナバチ調査情報


 仙台は最近かなり寒くなり、笊川の土手のイタドリは茶色に枯れていました。秋の草刈り後に頑張って伸びた30cm程度の若芽が、揃って茶色になっている風景に、晩秋のうら悲しさを感じます。


でも、川原ではハクセキレイのツガイが仲良く声を掛け合ってそこかしこ飛んでいました。突然、眼の前を小さな影がスーと通り過ぎたので、まさかと思い目で追ったところ、やっぱりシジミチョウでした。こんなに寒いのにまだベニシジミの成虫が飛んでいることに驚きました。

この時期の草花は不思議です。セイタカアワダチソウは、芽が出て間もない状態から、黄色い花を付けたもの、完全に枯れて白い綿毛になったものまであり、その一生の姿を全部見ることができます。ノコンギクも花が咲いているものと白い綿毛になったものが同じ場所に生えていました。ノコンギクの種と綿毛をしっかりと確認できたのは今回が初めてです。


ヒメジョオンやノゲシ類の花は、季節を問わず相変わらず咲いていました。イヌノフグリの花も咲いています。イヌノフグリの根元にはニジュウヤホシテントウが越冬用の卵を産んでいるのかも知れません。仙台でも初雪がもうそろそろ降るのでしょうか。


 1118日の朝日新聞朝刊にマルハナバチ類の生息図に関する記事が掲載されていました1)。東北大学と山形大学が共同で実施した「マルハナバチ国勢調査」の成果の紹介です。この成果は市民参加型調査によって達成されたもので、2006年から2015年の間に4,100件以上の協力があり、その内3,143件がマルハナバチと特定できたそうです2)

日本には、16種のマルハナバチが棲息すると言われているそうで、今回の調査ではそのうち15種についての報告が寄せられ、トラマルハナバチ(902件)、コマルハナバチ(821)、オオマルハナバチ(369)、クロマルハナバチ(288)、ミヤママルハナバチ(207)、ヒメマルハナバチ(145)など6種の分布密度を日本地図上に示すことができたとのことです。

 私は以前のブログに書いたように、この国勢調査に興味を持ち花に集まる蜂やアブの写真を撮り始めました。幸い、マルハナバチによく似た大きなクマバチについては2回写真を撮ることができましたが、残念ながら背面、側面、正面と狙って撮ることはできませんでした。本命のマルハナバチについては一度だけチャンスがあったものの「オオボケ」で終わってしまいました。茨城県牛久市での遭遇でしたが、花にとどまる時間が短くかつ動きが速すぎるので、ピントを合わせて写真を撮ることすらできませんでした。でも、黄色の縞模様がありかつ足に黄色の花粉が付いているように見えるので、国勢調査で最も多く写真が提供されたトラマルハナバチのように思われます。


 このような調査は世界各地で様々な昆虫等について行われているようですので、役立つレベルの写真やデータを提供できるようになりたいと思いました。

 参考
1)朝日新聞1118日号、24面(2017年)
2)Y. Suzuki-Ohno, et al.: Scientific Report, Online, 911日、2017

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