笊川のほとりを冬の間も時々散歩していましたが、目につく雑草はギシギシあるいはノダイオウなどスイバ属でした。タデ科スイバ属の、スイバ、ギシギシ、ノダイオウ類の識別はかなり難しく、私は今現在ほぼ区別ができていません。
4月20日(金)は晴天だったので笊川のほとりを散歩しましたが、その際、モンキチョウやモンシロチョウがそれぞれ数羽飛び回っていました。激しく飛び回るので写真は撮れませんでしたが、運よくベニシジミの写真を撮ることができました。
4月20日には、このギシギシの茎にギシギシアブラムシ(Aphid rumicis)が黒く群れいるものが数本見つかり、また、ギシギシを主食とするコガタルリハムシ(Gastrophysa asrocyanea)の成虫や卵も確認できました。その周囲を観察すると、ギシギシの葉が見る影もないほどの食害にあっているものもあり、黒いコガタルリハムシの幼虫が葉全体を食べ尽くしていました。仙台ではもう植物と昆虫の戦争が始まっていることが見て取れます。つい最近までとても寒くて、昆虫は越冬に苦しんでいるだろうと思っていましたが、桜の開花とともに植物も昆虫も一斉に目覚めたようです。
実は、コガタルリハムシは極めて特殊な生活史を持つ昆虫のようです。写真に写っている黒い幼虫はいったん土に潜って蛹になり、土の中で成虫になり、6月中旬に地上に出てギシギシを1週間程度食べ、再度ギシギシの根付近6~10cmの土中に潜り休眠に入るとのことです。休眠から目覚めるのが翌年とのことなので、私が写真に撮った成虫は十ヵ月に及ぶ休眠からようやく目覚めてギシギシを食べ、卵を産む準備をしていたということになります。
シュウ酸は、タデ科のみならずアカザ科にも多く、日常よく食するホウレンソウにも多いことで有名で、人間にとっては「アク」として嫌がられている訳ですが、昆虫は動物が嫌がる植物を選び、それを主食とする生存戦略で生き延びている訳で、本当に感心します。
参考)
1)石黒慎一ら:蚕糸・昆虫バイオテック、84(2)、145(2015)
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