前回のブログの続きになってしまいますが、公園内のスミレには丁度種子が出来ていて、運よくその写真を撮る機会に恵まれました。これまでスミレの種子に興味を持つことはありませんでしたので今回が初めての観察になりました。驚いたことに、スミレの花1つに60個程度の種子が付いているようです。また大きさは1㎜程度なのですが、多くの方が指摘しているとおり小さなエライオソームがついていました。この程度の種子ならアリもあまり苦労せずに巣に運ぶことができるのでしょう。スミレ種子のエライオソームが確認できて良かったです。
さらに、人通りの少ない狭い砂利道の歩道を歩いていたとろ、アザミの花の上にハナバチらしき昆虫がいるのを見つけました。後で調べてみたところトラマルハナバチのようです。動きが速いのでピントを合わせることができませんでしたが、昨年9月22日に牛久市で遭遇したハナバチと同じ種類のようです。
そのほか、木陰をひらひらと飛んでいたヒメウラナミジャノメとキチョウの写真を撮ることができました。残念ながら、どちらも翅を広げた瞬間を撮影することはできませんでした。
道端にはヘビイチゴもたくさん実を付けていました。ジャムなどに加工して食べることも可能とのことですが、小さいころの印象があまり良くないので食べる気持ちにはなれません。
また、葉の無い奇妙な花も見つけました。一ヵ所に結構たくさん固まっていて花が終わったものは茶色に枯れています。 名前を調べてみたところ「ヤセウツボ」であることが分かりました。ヤセウツボはマメ科やキク科の地下部に寄生し成長するとのことで、写真を撮ったヤセウツボの周りにはキク科のタンポポがあったので、その根に寄生していたものと思われます。
面白いことに、このヤセウツボは筑波大学の構内にもたくさん生えていて、その有用成分に関する研究が行われているようです。その結果、ヤセウツボにはポリフェノールのアクテオシドが豊富に存在し、まだ試験管レベルの試験ですが認知症の発症に関与するβ-アミロイドの凝集を抑制する作用を持つことが報告1)されていました。
1)M.Kurisu et al.: Biosci.Biotechnol.Biochem., 77(6), 1329(2013)