2018年8月29日水曜日

秋保大滝での川遊び


かなり前ですが、7月9日には長男家族と秋保大滝に行ってきました。快晴だったので4歳になる孫娘に川遊びを経験させたいということで、滝を上から眺めた後に河原におりました。
河原には大きな石がゴロゴロ転がっていましたが、子供でも頑張れば歩けそうな岩場でしたので早速靴を脱いで川の浅瀬を歩きました。水は冷たかったのですが、足を踏み外して転ばないように気を付けながら、孫と共にあちこちへと歩き回ることができました。下から見る滝は雄大で水面には水しぶきが漂っていました。結構楽しい時間を過ごすことができ、孫も大喜びでした。

大滝から流れる川の岸辺から山に向かって大きな樹木が茂る森林が続いていて、その高い木々を見上げると、緑の葉に囲まれた青い空に吸い込まれ意識が薄れていきそうな気分になります。もうすぐ後期高齢者になる見込みの私ですが、啄木の詩が頭をよぎりました。不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心。深呼吸を2~3回しました。
滝を見上げる切り立った岩場にはギボウシの花が咲いていました。滝のしぶきに耐えて咲く「凛」としたギボウシです。きっと散るときも一緒だと思います。また、陽射しを受けて揺れる水面に顔を覗かせたクガイソウも1輪咲いていました。いずれも美しさで注目されるタイプの野草ではありませんが、心に残りました。

大滝の河原に降りる道路の入口には駐車場がありますが、その入り口付近にはオオバジャノヒゲの群落がありました。ジャノヒゲ(リュウノヒゲ)は街の中でも使用され、また瑠璃色の果実をつけることから良く目に留まるのですが、オオバジャノヒゲの花に遭遇したのは今回が初めてでした。園芸種として利用しても良いようなきれいな花でした。


今回は、残念ながら昆虫はあまり目につきませんでした。かなり真剣にあたりを見回したところ、川岸の苔の生えた大きな樹木にザトウムシがいるのを見つけました。触ると細い長い脚がもげそうです。



キツネ村見学と七ヶ宿のツリフネソウ


かなり前になりますが7月8日に長男家族とともに5人で宮城蔵王キツネ村に行ってきました。「指を口に近づけると100%噛みます、子供には必ず大人が付き添ってください」等の諸注意を受けて入場しました。

キツネが昔住んでいたという岩場を中心にしたかなり広い放し飼いエリア(キツネの檻(林))に入ると、夜行性のキツネの多くは巣箱や棚で寝ころんでいましたが、檻の中には餌場も設置されており、その周りにはたくさんのキツネが群がり餌を投げ与える観光客を見上げていました。孫娘もお気に入りのキツネめがけて餌を投げ与えましたが、なかなか思い通りにはいかないようでした。

この施設では6種類のキツネを繁殖・養育しているとのことで、子ギツネの檻には子犬のようなかわいい赤ちゃんギツネがたくさん集められていました。放し飼いエリアの100匹前後のキツネに加えて子ギツネもたくさんいたので、施設全体で200頭以上いるような印象を受けました。他にカピバラやモルモット、兎なども飼育していて、それらにも餌をあげることができました。

一番人気のイベントは「キツネの抱っこタイム」で、子供は参加できませんでしたので長男の嫁が参加しました。結構たくさんの観光客が専用の上着を肩から腰にかけ、子ギツネの抱っこに挑戦していました。特に若いカップルなど20~30代の見学者(海外の方々も)が多いとの印象を受けました。子犬のように可愛らしく、まためずらしさと共に野生動物特有の「ハラハラ・ドキドキ」感があり、それが魅力なのかなと思いました。

私が育った昭和の時代、キツネは近くの野山に実在する身近な動物でしたが「キツネは人をだますなどズル賢い動物」だと言われていて、会ってみたいと思うような存在ではなかったように思います。でも最近は、絵本の中で良く出会う「少しズル賢いがいつも失敗してしまう愛嬌のある擬人化された動物」として捉えられているのかなと感じます。良く読まれている「ごん狐」にしても、自分がしでかした悪戯を後悔し、償いをするのですがその人に誤って殺され、死の間際に心を通わせるという切ない場面で終わり、償いとしての死を受け入れたキツネへの想いが募る内容になっています。

古くから、どの国においてもキツネは農作物を荒らすネズミやウサギを退治してくれる有益な動物として人間社会に受け入れられているとのことですが、日本は特にキツネを大事にしている国の一つのようです。キツネ村に行きキツネについて少し勉強する機会ができ良かったと思っています。

キツネ村を見学したあと、七ヶ宿の滑津(なめつ)大滝に立ち寄り、その近傍で昼食を摂り仙台に戻ることにしました。大滝の河原ではミヤマカワトンボが飛び、オニグルミの木にたくさんの実がなっていました。また、川岸にはツリフネソウ(徳島県:絶滅危惧Ⅰ種指定)が咲いていました。ツリフネソウ(釣船草)は園芸品種のホウセンカ(鳳仙花)やインパチェンスの仲間で、ホウセンカと同様に果実にさわるとはじけて種子を飛ばすことから英名はホウセンカともどもTouch me notだそうです。


このツリフネソウの全草は漢方薬(野鳳仙花)のようなので、薬効に関する研究例を探したところ、花そのものの効能に関する研究が行われていることが分りました。それによると、フラボノイドのアピゲニンやルテオリン、ケルセチンなどが花弁に存在するので、花にはアレルギー予防作用が期待されるとのことです1)

お昼は七ヶ宿のソバ屋さん行き、私は十割ソバにしました。帰り道、アユを食べたいと言っていた長男はアユにはありつけませんでしたが、イワナの塩焼きを買ってきたので車の中で食べました。美味しかったです。川の向こう岸、対岸の崖に白い花と見間違えるほど見事なマタタビの木が見えました。



参考)

1)Emiko Iwaoka et al.: Allergy-Preventive Effects of the Flowers of Impatiens textori Biol.Pharm.Bull., 33(4), 714(2010)






ドラゴンアイと溶岩流とクジャクチョウ


 豆畑の所在地は八幡平市ですが、八幡平市の風景で私が最も気に入っているのは「ドラゴンアイ」です。実はまだ見たことがないので余計にそう思っているわけですが、八幡平の鏡沼が雪解けする5月中頃から6月初めに観察できるとのことで、観光用のパンフレットにきれいな写真が掲載されていました。

八幡平市には、国の特別天然記念物である焼け走り溶岩流(4km)もあり、そこには八幡平市国際交流村が整備されています。お盆後には、その交流村のオートキャンプ場に一泊しました。

溶岩流は1719年の火山活動によって形成されたようですが、月面を想像させるような安山岩で覆われた地面は、300年経った今でも風化作用が進んでいないため土壌が形成されておらず樹木や草が乏しい状態で維持されています。

交流村には天文台もあり、快晴だったので月面のクレータや、地球に近づき話題になっている火星のほか、木星とその衛星や土星の環などを孫とともに観察することができました。星の観察後には温泉に入り長男が準備した一つのテントで寝ましたが、交流村は標高が約570mと高い位置にあるので朝方は12℃まで気温が下がりました。日本中が30℃超えで暑さ対策が話題になっている最中なのに、テント内は肌寒さを感じる程でしたが、楽しいキャンプでした。

昆虫や草花にも注意を向けていましたが、幸いクジャクチョウに出会うことができました。キャンプ場のトイレの屋根の上を赤い羽のチョウが素早く飛び超えていくのを見かけたので、もしかして会えるかも知れないと思い散策したところ、地面に止まっているのを見つけることができました。なかなか近くに寄れないのでピントを合わせることが出来ませんでした。綺麗な蝶々でした。

 日本に生息するクジャクチョウの学名はInachis io geishaで、geisha(芸者)が付与されています。Geishaの肩書を持つ昆虫としてアオバハゴロモ属(Geisha distinctissima)が有名ですが、クジャクチョウの優美な姿にちなんで名づけられたようです。

溶岩流内を皆で散歩した帰り路、地面に落ちているセミを孫が見つけました。エゾゼミのようです。まだ綺麗な姿ですが、寿命が尽きてしまうのでしょうか。

草花にはあまり目立つものはありませんでしたが、公園の周りにはツキミソウが綺麗に咲いていました。ゲンノショウコとクルマバナにも出会いました。


昆虫の様々な模様に圧倒され魅了されてしまいます。


2018年8月28日火曜日

豆畑のベニシジミ、ササキリなどと昆虫ロボット


 畑のナスやトマトにはオオニジュウヤホシテントウがたくさんいましたが、豆類をたくさん植えたものの、やはり勿論外来種のインゲンテントウはいませんでした。

畑の周りにマリーゴールドを植えているのですが、その花にはモンシロチョウやモンキチョウが飛んできます。また、ベニシジミも見つけましたが、橙色がくすんで目立たなくなっていました。夏型のベニシジミのようです。ベニシジミの幼虫は、スイバやギシギシなどタデ科の葉を餌にしているとのことで、岩手では春から9月頃まで確認できるとのことです。


ハラビロトンボの雌も一匹飛んでいました。今年、2回目の遭遇です。また、4個の黄色い斑点のある小さな虫が青ジソの葉に止まっていました。後で調べたところ、ヨツモンキヌバコガ(四紋絹羽小蛾)であることが分かりました。四つの紋は夏型にのみに現れ、春型では紋がなく黒い虫だということです。不思議です。幼虫はアカザ科のアカザやシロザを餌にしているとのことで、豆畑にはアカザ、シロザがたくさん生えているので絶好の生育場所なのでしょう。


羽のないバッタのような昆虫もいました。体は小さいのに触覚が異常に長く、背中にはクロスジが1本尻から頭まで通っています。後で調べたところ、オナガササキリの幼虫のようです(当初はヤブキリと勘違いしていました)。幼虫の膝の部分が丸く膨れているのが目に付きましたので、脚の構造に興味を持ち調べてみました。大腿部は、昆虫では「腿節:Femur」と呼ぶようです。また、脛は「脛節(けいせつ):Tibia」、足に相当する部位は「腑節:Tarsus」と呼ばれているようです。

昆虫の脚の構造を詳細に研究して、昆虫が素早く走り、ジャンプして餌となる小動物等を捕まえる仕組みをロボット等に付与できると面白いと思うのですが、すでにスイス連邦工科大学ローザンヌ校や東京工業大学で6本脚歩行ロボット(Six legged Robothexapod robot1、2)を開発しているとのことです。ドローンに次ぐ多脚ロボット開発が盛んにおこなわれているとのことで、昆虫の様々な機能はアイディアの宝庫なのかも知れません。


 昨年咲いたヒマワリから種がこぼれ、今年はたくさんの芽が出てきたので畑の周囲に20本ほど移植しました。今は花盛りですが、その茎にベッコウハゴロモが止まり、その写真を撮ったところ猫の顔のように見えました。




参考)

1)Pavan Ramdya, et al.: Nature Communications, 8, 14494 (2017)

2)https://www.titech.ac.jp/english/news/2018/040579.html

2018年8月27日月曜日

花豆などの栽培状況とハロウインパンプキン


85日に岩手へ出かけしばらく滞在しました。豆畑ではどの豆にも花が咲いて生育中でしたが、下葉が枯れ始めその付近の豆の莢は茶色味を帯び始めていたので、収穫して豆の出来具合を観察することにしました。


 金時豆の熟度の進み方が一番早いようで、7割程度の莢が白あるいは薄茶色に変わっていました。初めての栽培だったので、収穫のタイミングが良く分かりませんが、少し待って9月初めには全部収穫しようと思っています。


 紫花豆にも莢が茶色になっているものがあり、収穫して開けてみると播種したものと同程度の色合いの豆ができていました。白花豆は、紫花豆にくらべやや遅い感じです。どちらも、花がどんどん咲き小さな莢がまだ出来ているので、少し様子を見ることにしました。莢が白色になったものを順次収穫して、そのまま乾燥させる方法もあるようですので、後でためしてみようと思っています。


 虎豆の莢をあけてみてビックリしました。一つの莢の6粒全部が発芽していました。先端に傷口があり、そこから雨水が入って発芽してしまったようです。豆のへそ()のとなりの胚軸から白い根が伸びていました。虎豆の莢もかなり白色から薄茶色になっていましたので、それらを収穫して乾燥させた方がよいのかも知れませんが、収穫はとりあえず9月に行うことにしました。台風が多く発生しているので、莢にカビが生えないか心配です。

 畑にはジャガイモも少し植えていましたが、葉が枯れていたので815日に収穫しました。また、オオニジュウヤホシテントウについても観察したかったのでナスとトマトも植えましたが、ジャガイモの葉が枯れてしまったので、ナスとトマトの葉にオオニジュウヤホシテントウがかなり止まっていました。捕獲して調べたところ、ジャガイモにいたテントウムシと斑紋の状態は変わりないようです。

 驚いたことに、1本だけ植えたハロウインパンプキンの葉にむらがるようにオオニジュウヤホシテントウが止まっていました。これまで、カボチャの葉にオオニジュウヤホシテントウがいるのを見たことがなかったので不思議ですが、カボチャはウリ科なので、オオニジュウヤホシテントウの餌になるのでしょう。幸いハロウインカボチャは朱色になっていましたので、まだ小さかったのですが4個収穫し孫4人の加工用素材にしました。

 お盆のための2週間の滞在でしたが、忙しい日々でした。