2018年8月29日水曜日

キツネ村見学と七ヶ宿のツリフネソウ


かなり前になりますが7月8日に長男家族とともに5人で宮城蔵王キツネ村に行ってきました。「指を口に近づけると100%噛みます、子供には必ず大人が付き添ってください」等の諸注意を受けて入場しました。

キツネが昔住んでいたという岩場を中心にしたかなり広い放し飼いエリア(キツネの檻(林))に入ると、夜行性のキツネの多くは巣箱や棚で寝ころんでいましたが、檻の中には餌場も設置されており、その周りにはたくさんのキツネが群がり餌を投げ与える観光客を見上げていました。孫娘もお気に入りのキツネめがけて餌を投げ与えましたが、なかなか思い通りにはいかないようでした。

この施設では6種類のキツネを繁殖・養育しているとのことで、子ギツネの檻には子犬のようなかわいい赤ちゃんギツネがたくさん集められていました。放し飼いエリアの100匹前後のキツネに加えて子ギツネもたくさんいたので、施設全体で200頭以上いるような印象を受けました。他にカピバラやモルモット、兎なども飼育していて、それらにも餌をあげることができました。

一番人気のイベントは「キツネの抱っこタイム」で、子供は参加できませんでしたので長男の嫁が参加しました。結構たくさんの観光客が専用の上着を肩から腰にかけ、子ギツネの抱っこに挑戦していました。特に若いカップルなど20~30代の見学者(海外の方々も)が多いとの印象を受けました。子犬のように可愛らしく、まためずらしさと共に野生動物特有の「ハラハラ・ドキドキ」感があり、それが魅力なのかなと思いました。

私が育った昭和の時代、キツネは近くの野山に実在する身近な動物でしたが「キツネは人をだますなどズル賢い動物」だと言われていて、会ってみたいと思うような存在ではなかったように思います。でも最近は、絵本の中で良く出会う「少しズル賢いがいつも失敗してしまう愛嬌のある擬人化された動物」として捉えられているのかなと感じます。良く読まれている「ごん狐」にしても、自分がしでかした悪戯を後悔し、償いをするのですがその人に誤って殺され、死の間際に心を通わせるという切ない場面で終わり、償いとしての死を受け入れたキツネへの想いが募る内容になっています。

古くから、どの国においてもキツネは農作物を荒らすネズミやウサギを退治してくれる有益な動物として人間社会に受け入れられているとのことですが、日本は特にキツネを大事にしている国の一つのようです。キツネ村に行きキツネについて少し勉強する機会ができ良かったと思っています。

キツネ村を見学したあと、七ヶ宿の滑津(なめつ)大滝に立ち寄り、その近傍で昼食を摂り仙台に戻ることにしました。大滝の河原ではミヤマカワトンボが飛び、オニグルミの木にたくさんの実がなっていました。また、川岸にはツリフネソウ(徳島県:絶滅危惧Ⅰ種指定)が咲いていました。ツリフネソウ(釣船草)は園芸品種のホウセンカ(鳳仙花)やインパチェンスの仲間で、ホウセンカと同様に果実にさわるとはじけて種子を飛ばすことから英名はホウセンカともどもTouch me notだそうです。


このツリフネソウの全草は漢方薬(野鳳仙花)のようなので、薬効に関する研究例を探したところ、花そのものの効能に関する研究が行われていることが分りました。それによると、フラボノイドのアピゲニンやルテオリン、ケルセチンなどが花弁に存在するので、花にはアレルギー予防作用が期待されるとのことです1)

お昼は七ヶ宿のソバ屋さん行き、私は十割ソバにしました。帰り道、アユを食べたいと言っていた長男はアユにはありつけませんでしたが、イワナの塩焼きを買ってきたので車の中で食べました。美味しかったです。川の向こう岸、対岸の崖に白い花と見間違えるほど見事なマタタビの木が見えました。



参考)

1)Emiko Iwaoka et al.: Allergy-Preventive Effects of the Flowers of Impatiens textori Biol.Pharm.Bull., 33(4), 714(2010)






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