2021年1月19日火曜日

新型コロナウイルスの地方への拡散と後遺症などの正しい情報

   日本でのコロナウイルス感染が冬の訪れとともに激しくなってきました。1日に7千人以上の新規陽性者が出始めたので、欧米のように一万人を超えるのではないかと不安です。医療に従事されている方々には本当に感謝しています。

今後どのようになるのか予測するのは困難ですが、最も感染者の多い米国の状況が何かの手がかりになるのではないかと感じています。

 米国の疾病予防管理センター(CDC)の情報1)を見ると、2月に始まった第一波の感染は都市部(メトロポリタン)で流行し、やがて第二波を経て、地方(非メトロポリタン)にその流行が移動していることが良く分かります。現在の米国の第三波では地方での感染者数・死者数が急増したようです。



  日本でも現在は、東京や大阪に加えて地域でのクラスター発生が顕著になってきているので、米国のように地方の死者数が増加することが懸念されます。

 治療体験で得た最新の情報や物資が早急に地方にもゆきわるたことを願っています。

 これまで日本などアジア圏では新型コロナウイルスへの感染や死者数が少ないと思われていましたので、感染者数が世界で最も多い米国において、人種や民族での違いが観察されているのかどうかについて再度調べて見ました。(前回271日ブログ(新型コロナの人種間差))

 人種や民族に関する情報収集率は完全ではなく、死亡率では情報収集率77%とのことですが、ヒスパニック系やアジア系の住民の方が、黒人や白人の住民よりも低い傾向にあるようです。

 欧州とアジアの各国における新型コロナウイルス疾患による死亡率をWorldometer3のデータを基に比較したところ、やはりアジアの各国での死亡率が明らかに低いようです。

 

  欧米に加えて、バングラディッシュ等の南アジア地域にはネアンデルタール人の遺伝子(第3染色体に存在する約50kbの遺伝子)がアフリカや東アジア諸国より高い頻度で保持:継承されているため、新型コロナウイルス疾患の重症化リスクが高いとする研究報告4)が出されていますが、バングラディッシュやインド、パキスタン等に加え、フィリピンやインドネシアでの死者数がアジア圏としてはやや多いのはそのせいなのでしょうか。


 新型コロナウイルスは神経系の細胞にも感染するようなので、軽い症状で済んだ若い方にも後遺症が残ることが日本で言われ始めました。それら後遺症についても、
2,000万人以上が感染している米国を始めとする欧米諸国からの情報を正確に伝えて欲しいと願っています。

 正しく恐れるための正しい情報を皆が待ち望んでいるように思います。

 参考)

1)https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#pop-factors_7daynewcases

2)https://www.worldometers.info/coronavirus/#repro

3)https://tyobei13.blogspot.com/2020/07/blog-post.html

4)Hugo Zeberg et al.: The major genetic risk factor for sever COVID-19 is inherited from Neanderthals., Nature, 587(26), 610(2020)

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