2021年1月22日金曜日

畦道のコセンダングサ類はポリアセチレン(ポリイン(Polyyne))化合物など機能性成分に富む

   天気の良い日にはできるだけ散歩に出るように心がけていますが、人通りの少ない田んぼ道や林沿いの道を歩くので、家に帰ると時々衣類に草の種が付いています。衣類に着く草の種は「ひっつき虫」と呼ばれているようですが、その中でもセンダングサ類の種がついている場合が多いようです。

田んぼや林沿いの道には、セイタカアワダチソウがたくさん生えていますが、それに続いて多いのがセンダングサ類やノゲシ類のようです。

センダングサ類は花が小さく目立たないのでこれまで注目することはありませんでしたが、調べて見ると結構たくさんの種類があるそうです。

 

良く見かけるのはコセンダングサ(Bidens pilosa var. pilosa)で、耐寒性が無いためなのか霜が降りた後は全滅していました。コセンダングサはキク科ですが花びらは無く、キク科の花の中心にある黄色の筒状花だけがポロンと出ていて、晩秋には蝶類が良く蜜を吸っています。蝶類にとっては花びらの有無は関係ないようです。

 でもその気になって良く見て歩くと、花びらの着いたものも見つかります。コセンダングサの筒状花に5枚の白い花びらが着いた種類はコシロノセンダングサ(Bidens pilosa var. minor)と呼ばれているようです。


 コセンダングサとコシロノセンダングサが交雑すると、花びらが明らかに短いアイノコセンダングサも生じるとのことで、3種類が入り乱れて咲いている草藪も結構ありました。

 他に、アメリカセンダングサ(Bidens frondoa)やコバノセンダングサ(Bidens bipinnata)も牛久沼周辺に生えていました。


 コシロノセンダングサの花に良く似ていて、筒状花を中心に持ちサイズが1/4程度の草花が畦道に生えていたので、調べたところ「ハキダメギク」という名称の草花でした。少し可哀そうな名前です。ハキダメギクは、キク科コゴメギク属(galinsoga)のようです。

コセンダングサと房状花が似ている小さなハキダメギクの花

 コセンダングサ類は帰化植物ですが、セイタカアワダチソウに匹敵する程に増えることが出来る理由は、セイタカアワダチソウと同様に、アレロパシー作用を持つポリアセチレン化合物を含有しているからのようです。これまでに、37種類以上のポリアセチレン化合物がコセンダ草類に存在することが分かっており1)、炭素数に着目しC17-C14-C13-、ベンゼン環-などを持つ化合物に分類できるようです。具体的な例としては、三つ繋がった三重構造の端にベンゼン環が結合した-フェニルヘプタ-1,3,5-トリインなどを取り上げることができます。


 コセンダングサは多くのポリアセチレン化合物とともに、フラボノイドなどもたくさん含有しており、古くから台湾などを始めとする多くの国で民間薬として利用されていたことが分かりました。

 日本では、宮古島で栽培されたタチアワユキセンダングサが2016年に機能性表示食品として受理されているとのことです2)。機能性関与成分はカフェ酸とのことです。

参考)

1)     Tran Dang Xuan et al.: Chemistry and pharmacology of Bidens Pilosa: an overview., J. Pharmaceutical Investigation, 46, 91-132(2016)

2)宮古BP(ビーピー)機能性表示食品, 関与成分名、宮古ビデンス・ピローサ由来カフェー酸(2016)

 

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