2月4日(火)9時半頃に土浦市の小町の館に車を置き、朝日峠展望公園頂上から小町山頂上まで周って下山するコースをハイキングしました。
朝日峠展望公園への登山口にはたくさんのシダ植物が生えていました。これまであまり気に留めていなかったのですが、冬季は昆虫に出会う機会も少なく、草花も見当たらないので、少し調べて見たいと思うようになりました。
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朝日峠展望公園への登山口のシダ植物(2月4日) |
シダ植物の系統的な分類については現在でも議論がなされているとのことですが、日本で良く利用されている「日本産シダ植物インデックス」1)の分類に従い和名を検索・予想しました。筑波山のシダ植物についての調査報告2)もあるのでありがたいです。
登山口にあるシダ植物の中で良く見かけるタイプの「シダ」は、オシダ科のベニシダによく似ています。
オシダ科ベニシダ |
これまで「シダ」だと思っていなかった笹状の柔らかいシダ植物はイノモトソウ科のオオバノイノモトソウのようです。一方、イノモトソウの軸には翼があるとのことですので区別できます。
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イノモトソウ科オオバノイノモトソウ |
登山口から「おかめ岩」まで登る途中の登山道脇にホウライシダ科のイワガネゼンマイと思われるシダ植物がたくさん生えていました。
ホウライシダ科イワガネゼンマイ |
イノデ科のアスカイノデと思われる個体も沢沿いにポツンとありました。
アスカイノデは海岸に近い地域に生えるようです。(2月20日)
イノデ科 |
沢沿いの登山道には、オシダ科のリョウメンシダと思われるシダ植物が数個体ありました。
オシダ科リョウメンシダ |
また、コバノイシカグマ科のフモトシダによく似た個体も生えていました。
コバノイシカグマ科フモトシダ |
おかめ岩からもみじ谷を経由して道祖伸前の東小屋、水源の森を通り朝日峠展望公園頂上に登りました。快晴の日でしたので朝日峠展望公園頂上から見える霞ヶ浦はキラキラ光っていました。きれいでした。
もみじ谷から朝日峠展望公園頂上へ(2月4日) |
展望公園までの登山道ではオシダ科のベニシダによく似た個体がたくさんありました。また、リョウメンシダやオオバノイノモトソウと思われる野草も結構見つかりました。
オシダ科ハチジョウベニシダ? |
展望公園からヒノキ林を通りハート石分岐点まで歩きましたが、ヒノキ林にはたくさんのシダ植物が生えています。表葉に裏葉の胞子嚢のふくらみが明瞭に出るハチジョウベニシダによく似た個体が多いように思うのですが、種類も多すぎます。この場所はこれまでも良く通るので次の機会に調べたいと思っています。(ベニシダとハチジョウベニシダはよく似ているので、胞子数(ベニシダ32個、ハチジョウベニシダ64個)を数えて同定するようです。国立科学博物館筑波実験植物園でベニシダとハチジョウベニシダを観察しましたが、よく似ています。まだまだ経験不足です。(2月13日))
展望公園からヒノキ林を通り小町山へ |
ハート石分岐点から小町山頂上へ(2月4日) |
たくさんの写真を撮りながらでしたが、11時半頃には駐車場に戻ることが出来ました。約1万歩7km、124階(124x3m)のハイキングでした。
参考)
1)Ebihara A. & Kasetani F : Index to Ferns and Lycophytes of Japan.
2)小幡 和男ら : 筑波山におけるシダ植物の垂直分布、茨城県自然博物館研究報告、23, 29-39 (2020)
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