3月19日(日)の午後に牛久沼まで散歩しました。
牛久沼のほとりでは、桜(ソメイヨシノ)より一足早く咲くと言われているコブシの花があちこちに咲いていました。椿の花もたくさん咲いていますがコブシの白い花の方が目立ちます。
牛久沼のほとりのコブシの花 |
国道6号線牛久土浦バイパスの歩道を通って牛久沼まで行きましたが、歩道沿いの草の緑が濃くなり、ヤナギの葉も伸び始めたようです。
牛久沼への散歩(3月19日) |
河原にはヒメオドリコソウとオオイヌノフグリがたくさん生えていました。
河原の土手に咲くオオイヌノフグリとヒメオドリコソウ |
タンポポの花にはキタテハが止まっていました。
タンポポの花の蜜を吸うキタテハ |
牛久沼から三日月橋桜散策コースへと周りました。
桜並木の桜はチラホラ咲き始めていましたが、日曜日(26日)頃が見ごろのように思います。
三日月橋桜探索コースの桜(3月19日) |
暖かい日が続いているので、コブシの花は直ぐに散り、桜の開花と共に春が駆け足でやってくるように感じます。
今回は、コブシの花が印象に残ったのでコブシについて少し調べてみました。コブシ(Magnolia kobus)はモクレン科に属し、公園などで良く見かけるハクモクレンと混同される場合があるようですが、ハクモクレンの方が少し早く咲き、花弁が立ち上がっているので区別しやすいように感じます。
牛久沼周辺のコブシの中に花びらが通常のものより明らかに太く丸いタイプのものがありましたので別種かなと思いました。
牛久沼のほとりのコブシの花の比較 |
でもコブシの特徴とされている「萼の裏の1枚の葉」がありました。コブシの花の形態にはかなりバリエーションがあるのでしょうか。これから少し注意して観察したいと思いました。
コブシの花裏にある一枚の葉 |
コブシの蕾は毛におおわれていますが、その蕾は生薬で辛夷(シンイ)と呼び、鎮静、鎮痛薬として用いられていたそうです。そのため有効成分に関する研究もかなり行われており、精油やリグナン、セスキテルペン、フラボノイド、アルカロイドなどに関する研究報告が出されているようです1)。
最近の情報としては、動物実験でインターロイキン-2の産生を抑制する有効成分としてチリロサイド(tiliroside)というフラボノイド配糖体が取り上げられていました2)。
チリロシド(チリロサイド)は、α-アミラーゼの活性も阻害する3)とのことなので、血糖上昇抑制作用も期待されているようです。
コブシの花についてこれ程多くの研究が行われているとは全く知りませんでした。抗炎症作用を示す成分としてリグナン類に属する「コブシノール」もあるようです。ゴマのリグナンはセサミンやセサミノールでコブシのリグナンはコブシノールなら直ぐに覚えられます。
天候も良かったので、「もうすぐ春」との思いで気楽に散歩していましたが、これまで気にとめることのなかったコブシの花の意外な一
面を知ることができました。
参考)
1)Thi Tuyet Mai Nguyen、et
al.: Four New Lignans and IL-2
Inhibitors from Magnoliae Flos., Chem. Harm. Bull 65,
840-847(2017)
2)Naohiro Oshima et al.: Structures and
Inhibitory Activities for Interleukin-2 Production of Seasonally Variable
Constituents in Flower Parts of Magnolia Kobus at Different Growth Stages.,
Chem. Pharm. Bull. 68, 91-95(2020).
3)Tsuyoshi Goto, et al.: Tiliroside, a
glycosidic flavonoid, inhibits carbohydrate digestion and glucose absorption in
the gastrointestinal tract., Mol. Nutr. Food Rev., 56(3), 435-445(2021)
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