2023年6月22日木曜日

北条大池からの「つくば道」を通り筑波山登山

    6月18日(日)に筑波山に出かけました。

北条大池のすぐ側にある「平沢官衙遺跡」の駐車場に朝8時少し前に車を駐め、遺跡を見学した後、筑波山頂上まで往復しました。

平沢官衙遺跡

平沢官衙遺跡の裏側の田の畔にはハルジオンの花がたくさん咲いていて、その花にベニシジミが止まっていました。

畦道のハルジオンの花とベニシジミ

北条大池から筑波山まで続く道は「つくば道」と呼ばれ、徳川家光が筑波山参詣のために開設したとのことです。昭和61年8月10日付で建設省の「日本の道百選」にも選ばれているようです。

北条大池から筑波山までの「つくば道」

神郡(かんごうり)に続く田井地区には昔のままの古い町並みがあり、歴史を感じました。

田井地区の街並みと筑波山

中でも普門寺は鎌倉時代に建立された寺とのことです。また、自然薯倶楽部が運営する「TAI Museum」もユニークな芸術活動を行っているようなので興味を持ちました。

普門寺の入り口と田井ミュージアム

 田井地区の中心部を通り過ぎると、まもなく大きな鳥居が現れ、「六丁目の鳥居」と呼ばれているようです。鳥居の前には市営の駐車場が設置されていました。日曜日なので朝早くから満車のようでした。

六丁目の鳥居と市営駐車場

 鳥居を過ぎると急坂になり、5分ほど歩いたところに正岡子規の詩碑

                         赤蜻蛉 筑波に雲も なかりけり

がありました。子規が明治27年の秋に住まいとした東京都根岸周辺の郊外散歩の際に筑波山を望み詠んだとのことです。

正岡子規の歌碑

 筑波山神社への石段を上り鳥居をくぐると日本の道百選の碑がありました。今まで見過ごしていました。

筑波山神社の入り口と日本の道100選の碑(部分)

 いつもは、「御幸ヶ原コース」で筑波山に登るのですが、今回は「迎場コース」でつつじヶ丘まで行き、そこから「おたつ石コース」で女体山に登りました。

筑波山の登山道「迎場コース」の様子

 迎場コースでは数人の登山者とすれ違った程度で、登山道ではクロヒカゲモドキが飛んでいました。

クロヒカゲモドキ

 つつじが丘から女体山頂上を目指すおたつ石コースにはたくさんの登山者がおられ、岩場は数珠繋ぎ状態でした。

もみじケ丘からの「おたつ石コース」

 弁慶の七戻りなどの奇岩や屏風岩を見学しながら女体山の頂上にたどり着きましたが、頂上は多くの観光客で賑わっていました。

屏風岩と女体山頂上

 その後、男体山頂上に登り自然研究路を周り、御幸ヶ原から神社方面に向けて下山し、平沢官衙遺跡まで戻りました。

御幸ヶ原でソフトクリームを食べたかったのですが、行列ができていたので断念しました。

田井地区の団子屋さんも、14時少し前でしたが売り切れのようでした。



2023年6月12日月曜日

梅雨の朝日峠、小町山ハイキング

    梅雨に入り雨の日が続いています。6月11日(日)の午後は雨が上がったので、久しぶりに土浦市の小町の館駐車場に車を止め、薄霧の中を朝日峠から小町山までハイキングしました。

 朝日峠に向かう途中に通った「もみじ谷」の木々の葉は雨に濡れ、緑色が冴えて見えました。小川の水はいつもより多いようです。

小町の館から「もみじ谷」へ

 「水源の森」から朝日峠展望公園までの登山道には薄い霧が立ち込めていました。幸い風が無いので木々からの雫で濡れることもなく、人影のない登山道をゆっくり歩くことが出来ました。

  森も林も何も言わない。何も言わない空を見上げる15歳の啄木が心に浮かびました。

「水源の森」から朝日峠展望公園へ

 朝日峠展望公園の藤棚の側にある樹木の白い花の周りをアサギマダラが飛び回っていました。翅が欠けていました。前日の強い風で負傷したのでしょか。

 白い花はイボタノキ属のネズミモチかなと思いましたが、ネズミモチの葉はツバキに似ているのでタマツバキとも呼ばれているそうです。葉と花の様子が違うので同属のイボタノキかミヤマイボタなのでしょうか。

樹木の花の蜜を吸うアサギマダラ

 オカトラノオの花も咲き始めていました。

あちこちで咲き始めたオカトラノオ

 朝日峠展望公園から小町山頂上まで歩きましたが、午前中雨が降っていたため登山者は見当たらず、小町山頂上や「もぐもぐ処」に人影はありませんでした。

朝日峠展望公園から小町山へ

 小町山から天の川沢コースで下山し、途中にある展望台で休憩しました。

天の川沢コースの展望台

 三段岩や小川の流れを見ながら、小町の館に戻りました。

天の川沢コースで小町の館へ下山

 小町の館に向かう舗装道路の脇にコスモスの花が咲いていました。

コスモスの花(6月11日)

 コスモスは秋の花ですが、6月頃から咲き始めるとのことです。

 与謝野晶子が「こすもすよ強く立てよと云いに行く 女の子かな 秋雨の中」と詠っているそうです。

 コスモスの花は細く長い花糸に支えられ、弱い風でも大きく揺れ、雨の重さでうつむきます。「秋の雨や風に負けないで!」と小さな女の子がコスモスに優しく声をかけている様子を言葉で描写しているとのことです。

 妻のアキレス腱断裂以来、私に子守役が回ってきた孫娘は、今日で一歳二ヵ月になり、まだ言葉は言えませんが元気に歩けるようになりました。出かけると後を追ってきます。

  「こすもすよ強く立てよと手を添える 孫を子守の もうすぐ後期高齢者

2023年6月8日木曜日

令和4年に帰省した際の岩手八幡平市の不動の滝の植物、ズダヤクシュなど

  郷里の岩手県八幡平市では、八幡平ドラゴンアイがそろそろ開眼しそうとのことです。

今年はしばらく帰郷できそうもないので、昨年6月9日から13日まで岩手に滞在した際に、手抜き菜園の農作業の合間、八幡平山や姫神山、安比高原などに出かけて撮ったたくさんの写真を眺めています。

昨年は運よく八幡平ドラゴンアイの開眼を見ることができました。

八幡平ドラゴンアイ(令和4年6月12日)

昨年の帰郷の際に八幡平市安代町の「不動の滝」で撮った写真をブログに掲載していなかったようなので、思い出しながら並べてみました。

不動の滝は「日本の滝百選」に登録されているそうです。

岩手県八幡平市の不動の滝入り口

駐車場付近は公園になっており、サワウツギが綺麗に咲いていました。七時雨山麓にも同じウツギがたくさんあり、以前に道路整備作業の刈り落とし枝を見つけて持ち帰り「手抜き菜園」に挿し木しましたが、根付きませんでした。

サワウツギ(令和4年6月10日)

不動の滝の駐車場から滝までの間に桜松神社と不動堂があり、四つの鳥居と二対の阿吽の狛犬があります。狛犬はそれぞれユニークな面構えです。

桜松神社の鳥居と狛犬

不動堂前の狛犬

不動の滝は高さ15m程のようです。

岩手八幡平市の不動の滝(令和4年6月10日)

滝から続く小川の淵は遊歩道になっており、その両脇にたくさんの植物が生えています。

その中でもひと際大きなセリ科の花が目につき写真をとりましたが、オオハナウドのようです。花の淵にある白い花びらが印象的です。

セリ科のオオハナウド(令和4年6月10日)

また、花穂の上から下に向け花の生育につれて舌ベラのような緑の萼片のようなものが伸びる小さな白い花を見つけました。ユキノシタ科ズダヤクシュ属のズダヤクシュ(喘息薬種)のようです。「ズダ」は長野県の方言で「喘息」を意味するそうで、喘息に効果があるとして利用されていたのでしょう。

ユキノシタ科ズダヤクシュ属のズダヤクシュ

文献を調べたところ、学名のTiarella polyphyllaに因み名付けられたトリテルペノイド類に属するTiarellic acidが有効成分の一つであるとの報告1)がありました。和名は見つかりませんでした。

ズダヤクシュの抗喘息成分 Tiarellic Acid

天然物のトリテルペノイドは、オレアナン型、ウルサン型、ルパン型に分類されていますが、Tiarellic Acidはルパン型に属するようです。これまでの研究で、オレアナン型ではオレアノール酸、ウルサン型ではウルソール酸、ルパン型ではべツリン酸のヒトに対する生理的な機能性研究が活発に行われ、様々な成果が得られているようです。


背の高い樹木に緑の棒状の花がたくさん付いていました。初めて見ましたがサワシバと呼ばれる樹木の花のようです。白樺の花のように長くはありませんが、それより太いように感じました。

サワシバの花(令和4年6月10日)

また、この時期岩手の山野で良く見かけるヤマオダマキもたくさん咲いていました。

ヤマオダマキ(令和4年6月10日)

同じような写真をたくさん撮っていたので無駄のように思っていましたが、後で眺めると、どれもそれなりに撮った時の感覚が蘇るようで楽しかったです。

参考)

1)Mee-Young Lee et al.: Tiarellic acid attenuates airway hyperresponsiveness and inflammation in a murine model of allergic asthma., Int. Immunopharmacol., 12(1), 117-124(2021).

2023年6月6日火曜日

六月初旬の筑波山登山とユキノシタの花

  6月4日(日)に筑波山に登りました。桜川市真壁町のつくし湖駐車場に朝9時頃に到着しましたが満車状態でした。でも運よく1台の車が出て行きました。

台風2号の影響による大雨・暴風の翌日でしたので、道路の状態が心配でしたが大丈夫でした。林道の両脇を見ながら歩いていると、所々にユキノシタの花が咲いていました。良く見ると綺麗な花です。

ユキノシタの花(6月4日)

後で調べたところ筑波山には固有種の「ホシザキユキノシタ」が生えているとのことでした。でも、場所が限られているので見つけるのは難しそうです。

今回はいつもより早く駐車場に着いたので、つくし湖から薬王院に行き、林道酒寄線を経て鬼ヶ作林道を筑波高原キャンプ場まで歩きました。

つくし湖から薬王院を通り林道酒寄線へ

林道酒寄線、鬼ヶ作林道を経て筑波高原キャンプ場へ

林道酒寄線にはユキノシタの群落がありました。花の上部にある赤い斑点のついた3枚の花弁と下部にある長い2本の白い花弁の配置がユーモラスで、葯の付いた花糸が四方に飛び出し賑やかな感じです。

ユキノシタ群落(6月4日)

林道の脇にはナルコユリがたくさんの花を付けていました。

ナルコユリ(6月4日)

シモツケの花も綺麗に咲いていました。

シモツケ(6月4日)

ヘビイチゴとクサイチゴの実が赤く熟していました。背の低いオカタツナミソウの花もあちこちで咲いていました。

クサイチゴの実とオカタツナミソウ(6月4日)

鬼ヶ作林道ではコアジサイの花が目につきました。

コアジサイ(6月4日)

筑波高原キャンプ場から女体山頂上に登り、御幸ヶ原を通り男体山頂上を経て自然研究路を一周しました。帰りは、しばらく通っていなかった深峰歩道を歩きユースホステル跡地に下山しましたが、かなりの部分が舗装されていました。

御幸ヶ原、自然研究路、深峰歩道で下山

草花とともに昆虫も探しながら歩きましたが、筑波高原キャンプ場付近ではスジグロシロチョウを見つけました。

スジグロシロチョウ(6月4日)

ユースホステル跡地付近のウツギの花にはアゲハモドキが止まっていました。

ウツギの花に止まるアゲハモドキ(6月4日)

鬼ヶ作林道では、テングチョウやミスジチョウが飛んでいました。

テングチョウ     ミスジチョウ

でも、前日午前中までが嵐だったので昆虫は少なかったように感じました。道路に水が流れている場所もありました。

また、天気の良い日に筑波山に出かけたいと思っています。