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2022年1月16日日曜日

新型コロナウイルスのオミクロン株の世界的な感染状況の変化

   オミクロン株が日本でも急激に増加し始め多くの県で過去最高の新型コロナウイルス感染者数になったようです。日本でも欧米並みの感染者数になるのでしょうか。気になります。

Our world in dataによると、オミクロン株が発生したアフリカでは、発生国の南アフリカや隣国のザンビアでほぼ下火になり、ナミビアやケニアでも感染者数が減少しているようです。

 また、ヨーロッパの中ではイギリスで最も早くオミクロン株感染が始まったようですが、現在は減少に転じています。さらに、アイスランドやギリシャでも減少し始めているいるようです。

 これらの国々のオミクロン株感染者数の状況を概観すると、感染急増から15日前後で減少に転じているように見えます。

 これを見て、これまでの主要な感染症だったインフルエンザはどうなのか知りたいと思いました。

インフルエンザは、冬に流行するという季節性が強い疾病なので、新型コロナウイルスと比較できないのかも知れませんが、2017年末から2018年の日本と米国での流行状況を見ると、感染流行期間が10週以上に渡りかなり長いようです。

 新型コロナウイルスの場合はそれより短いので、各国とも行政側の対策による防止措置や住民の防御対策が功を奏し、短期間で減少に転じているのでしょうか。

 いずれにしても短期間で収束して欲しいと願っています。

 オミクロン株は現在ヨーロッパでは、ポルトガルやイタリア、フランスなどで猛威を振るっているようですが、そろそろ減少に転ずる兆しがあるようです。

 でも、フィリピンやインド、日本などはこれから感染が増加するように見えます。

 ワクチン接種はδ株などの感染予防に役立った訳ですが、その効果が薄れてきているようなので、今回のオミクロン株対策として3回目のワクチン接種がやはり重要なようです。

 さらに対処療法のための経口医薬品が利用されるようになれば、病院側の負担が軽減されるように思います。

 各国ともオミクロン株による感染者数がα株やδ株などによる最大感染者数の5~10倍程度になっているようですが、死者数はあまり増加していないようです。

 オミクロン株による味覚や嗅覚の異常はほとんど無いとのことなので、神経細胞への感染力が低下し、後遺症も軽くなっていることを期待しています。そして、終息へ。

 

2021年6月10日木曜日

新型コロナウイルスのワクチン接種によるリスク低減への期待 

   新型コロナウイルスのワクチン接種の予約ができました。

  5月17日から予約が可能になり6月7日(月)までは、9時の予約受付開始後、5分程で予定数終了になっていたので、6月7日にハガキでの応募も行いました。でも、ハガキへの回答が来る前に無事6月8日に10時頃ネットで予約ができました。6月25日に第1回目のファイザー製ワクチン接種を行う予定です。良かったです。

リスクの高いグループから順次ワクチンの接種が進み、年内には平常の生活ができるようになって欲しいと願っています。

厚労省の6月2日付新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(速報値)によると、日本での新型コロナウイルス陽性者は737086人になっていました。

感染による死亡者は20代でも7人確認されており、やはり80代以上の方々が多く、全体では11003人とのことです。


陽性者全体の死亡率は1.5%のようですが、80代以上では実に13.1%のようです。

新型コロナウイルスはインフルエンザに比べてどの程度怖いのかいつも気になります。

それぞれの入院患者については、新型コロナウイルス患者の方が5倍の死亡率であるなどの論文(1)が出ているようですが、重篤な入院患者ではなく、感染者レベルではどうなのでしょうか。

厚労省の「新型インフルエンザに関するQA」を見ると、季節性インフルエンザによる日本人の感染者数は約1千万人と見積もられ、死亡者数は超過死亡概念によると1万人程度、すなわち千人当たり1人程度とのことなので、死亡率は0.1%と計算できます。

このことから、新型コロナウイルス陽性者の死亡率は季節性インフルエンザ感染者の超過死亡概念に基づく死亡率の15倍ということになります

季節性インフルエンザの場合、病院で陽性が確認されるとタミフル等の医薬品が投与されるので、重篤化が予防できるのでしょう。適切な医薬品の有無も、違いが生じる大きな要因と思われます。

新型コロナウイルスについては、ワクチンが頼みの綱になっており、現在、死亡リスクの高い高齢者や基礎疾患保有者からワクチン接種が早急に行われています。

60代以上の方が全員ワクチン接種を終えて、新型コロナウイルスに感染しないことになると死亡率は0.069となり、ワクチン接種推奨により、季節性インフルエンザの超過死亡概念に基づく死亡率より低くなることが期待できます。

年齢に基づくワクチン接種推進による死亡率の低減効果

 取りあえず50歳以上の方々が全員ワクチンを早急に接種することにすれば、死亡率はさらに0.027まで下がり、季節性インフルエンザの1/4程度になります。日本では20歳未満の方の死亡例はないので、高齢者のワクチン接種が終了していれば、後遺症の懸念はありますが、20歳未満へのワクチン接種は不要ということも可能になるように思われます。

オリンピック・パラリンピックの開催も予定されていますので、該当者がそれぞれワクチン接種に協力すれば、目覚ましい死亡リスク低減が可能になるようです。


参考)

(1)Xie Y et al.: Comparative evaluation of clinical manifestations and risk of death inpatients admitted to hospital with covid-19 and seasonal influenza: cohort study., BMJ. Doi:10.1136/bmj.m4677 (2020)

 

2021年2月21日日曜日

水鳥から人へとうつるインフルエンザA型の謎を解くシアル酸レセプター変異

   昨年の12月末から始まった新型コロナウイルスの感染者数が、ようやく世界全体で減少し始めたようです(1)。

WHOによる世界のCOVID-19感染者数の推移

世界的な活動自粛が功を奏しているものと思いますが、やはり1月8日から接種が始まったワクチンの効果に期待したいと思っています。

 日本でも17日から医療従事者を対象としたワクチン接種が始まり、初日は8施設で125人がワクチン接種を受けたとのことです。ワクチンの確保が世界的な競争状態になっているようなので心配ですが、生産体制を整備し、予定を上回るスピードで接種を進めて欲しいと願っています。

コロナ禍の中で、これまではコロナウイルスのことばかりが気になっていましたが、実は良く聞き慣れていたインフルエンザについても殆ど知識が無いので、少し調べてみました。

インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型があり、どれもあまり歓迎できないのですが、中でもA型はたびたびパンデミックを引き起こし恐れられているようです。

インフルエンザA型ウイルスの起源は水鳥(水禽)で、その中でも渡り鳥の鴨やガンがA型の流行の原因になっているようです。このA型ウイルスは鳥の腸や気管の細胞膜に発現している多糖の末端のシアル酸-α2,3-ガラクトース(SA-α2,3Gal)を受容体として認識して感染することが明らかになってるようです(2)。

人間の場合は、ウイルスの感染部位である気管上皮細胞の細胞膜に結合している多糖の末端にはシアル酸-α2,6-ガラクトース(SA-α2,3Gal)が多いので、鳥インフルエンザA型ウイルスは本来感染しにくいようですが、家畜として飼育している豚の気管には鳥の受容体のSA-α2,3Galとヒトの受容体のSA-α2,6Galが共に発現しているため、豚が中間宿主となり鳥と人の仲立ちをし、豚体内でヒト型のインフルエンザA型ウイルスが生じてしまうとのことです。

トリインフルエンザA型ウイルスからヒトインフルエンザA型ウイルスへの変異は、1918年のスペイン風邪のケースでは、ウイルスのヘマグルチニン(HA)タンパク質のアミノ酸2個が豚を経由して変化し、ヒトの受容体SA-α2,6Galに結合できるタイプになっていたということが分かっているようです(3)。

インフルエンザA型ウイルスによるパンデミックは、スペイン風邪の他にもアジア風邪や香港風邪、2009年の新型インフルエンザ等があるようですが、アジア風邪、香港風邪についてもヘマグルチニンタンパク質のアミノ酸変異が解明されていました。

また、まだヒト型のインフルエンザA型ウイルスに変異する前のウイルスによる感染事例もたくさん確認されているようです。

実は、人間の細気管支や肺胞の細胞には鳥型受容体のSA-α2,3Galも発現しているので、ヒト型に変異する前のトリインフルエンザA型ウイルスであっても濃厚接触によって感染が成立することがあるとのことです。

 これらがやがてシアル酸α2,6ガラクトースに結合するタイプ(ヒト型)に変異し、ヒトーヒト感染が成立しないことを願っています。

日本を始め、世界各国でインフルエンザに関する研究が活発に行われていますので、インフルエンザによる被害が次第に低減されていくものと期待しています(4)。


参考)

1)httpps://covid19.who.int

2)S.V.Kuchipudi et al.: Sialic Acid Receptores: The Key to Solving Enigma of Zoonotic Virus Spillover., Viruses, 13, 262(2021)

3)J. Stevens, et al.: Glycan Microarray Analysis of the Hemagglutinins from Modern and Pandemic Influenza Viruses Reveals Different Receptor Specificities., J. Mol. Biol., 356, 1143-1155(2006)

4)高橋 忠伸:ウイルス感染における糖鎖の機能解明、薬学雑誌、134(8), 889-899(2014)

 

 

2020年12月7日月曜日

都道府県別の新型コロナとインフルエンザ感染率比較

   新型コロナウイルスの新規陽性者数が、ここ数日最高記録を更新しています。125日には2,508人が新たに陽性者と判定されたようです。欧米のように1日の新規陽性者数が数万人も増加する規模にはなっていませんが、重症者数が増加しているので、医療の現場は緊迫した状況になっているようです。感染しないように気を付けたいと思っています。

一方このコロナ禍で、インフルエンザなど各種伝染性疾病がこれまでより減少していると言われているようです。そこで、インフルエンザについて少し調べて見ようと思いました。

インフルエンザについて日本では、新型コロナのような感染者の実数把握は行っておらず、各県の保健所がインフルエンザ定点医療機関(全国5,000)を受診した患者数を週ごとに把握し、過去の基準に照らしインフルエンザ流行に関する注意報や警報を知らせる仕組みになっているとのことです。


昨シーズン(2019年秋から2020年夏までの52週間)の動きを国立感染研究所の公開データで確認したところ、流行は2020年の3週~5週(113日~22日)がピークとなり、幸い日本ではまだ新型コロナ感染者がいない時期でした。この3週間に各県の保健所が出した流行警報数は全国で142/週になっていました。過去10年間のインフルエンザ流行ピーク3週間の警報数を計算したところ378/週だったので、昨シーズンの値はかなり少なかったということになります。

今年の秋から来年にかけて、今シーズンのインフルエンザの流行はどのようになるのか心配ですが、新型コロナ予防が徹底されているので、昨シーズンよりさらに低レベルで終了するのでしょうか。そうなって欲しいです。

インフルエンザが流行しやすい地域は新型コロナにも感染しやすいのではないかと想像し、各都道府県における過去のインフルエンザ感染状況と現在の新型コロナ陽性者数とを比較することにしました。

人口千人当たりのグラフを作成したところ、北海道や沖縄などの観光地、そして埼玉や千葉、神奈川などの東京圏、大阪や兵庫、奈良などの大阪圏、そして名古屋市や福岡市など大都市を抱える愛知県や福岡県において、インフルエンザに比べ新型コロナウイルスへの感染者が多くなっているように推察されました。

新型コロナウイルスは、インフルエンザとは異なり大都市に流行する特性を持っているようです。大きな繁華街の存在がその原因なのでしょうか。

もっとも、「都市部は検査率を高くできる環境にあるために陽性者率が高い」ということもあり得るので、この比較自体が成立しない可能性もあります。簡単に入手できるデータでは正確な比較は無理かもしれません。専門家にお願いしたいと思います。

 ただ、人々が集まり賑わう場所での感染拡大はインフルエンザも新型コロナも同じようなものだと思いますが、やはり無症状者の率が圧倒的に新型コロナで高いことが大きな要因なのかなと思います。

 医療の立場からすれば、無症状者も拾ってしまう検査は無駄で混乱を招く原因を作るだけということになりますが、今回の新型コロナは患者だけに目を配る対策だけでは済まないように感じています。