不要不急の外出はしないようにと広報車が伝え回っています。日本もヨーロッパや米国のように、感染者が急激に増えるのだろうか。心配です。
これまでに各国でPCR検査が行われてきましたが、Worldometer.infoのデータによれば、日本は検査数が極めて少ないレベルにとどまっています。これは、日本がクラスター追跡に重点を置いた効率的な体制で医療崩壊を防ぐ方針であったことによるものと思います。一方、人口当たりのPCR検査数が最も多い国は、アイスランドのようです。アイスランドは、人口が約36万人とのことで、政府の政策が浸透しやすい側面もあると思いますが、PCR検査とともにクラスターの把握もしっかり行い感染拡大を防ぐ方針のようです。
各国の新型コロナウイルス感染者のPCR検査数の比較 |
日本では感染源が不明な陽性者が増えたことから、外出自粛措置が始まりましたが、アイスランドのように民間への委託も検討しPCR検査数を大幅に増やせば陽性者の発見・隔離が進み、外出規制を緩和することが可能になるように思います。直ぐに実行しないと感染者が増えすぎて隔離が不可能になります。
幸いにも「感染症実用化研究事業 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」の成果の一つとして、新型コロナウイルス検出キットが4月中旬に発売されるとのことです。予算は数百億円あるいは数千億円、数兆円なのか良くわかりませんが、キット提供者は世界の未来のために貢献することになります。ついでに抗体検査も実施されれば、抗体陽性者は安心して働けることから、社会の雰囲気も変わるように思います。
追記:幸いにも「感染症実用化研究事業 新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」の成果の一つとして、新型コロナウイルス検出キットが4月中旬に発売されるとのことです。予算は数百億円あるいは数千億円、数兆円なのか良くわかりませんが、キット提供者は世界の未来のために貢献することになります。ついでに抗体検査も実施されれば、抗体陽性者は安心して働けることから、社会の雰囲気も変わるように思います。
4月11日 米国カリフォルニアで抗体検査が開始されるとのことです。これまでのインフルエンザ(エンベロープを持つRNAウイルス)ワクチンの有効率(((未実施者発病数ー実施者発病数)/未実施者発病数)× 100)は60%程度とのことで、新型コロナの場合は抗体保持者が少ないのでもっと高くなることは確実ですが、社会の実態像を知り新型コロナに立ち向かうために有効だと思います。
感染経路は、飛沫感染の他に、顔の口や鼻、目などの粘膜を介した接触感染が主体のようですが、無意識のうちに私たちは手で顔に触っているようです。
米国の医学部学生10名を被験者にした授業中における観察データでは、1時間に平均23回手で顔を触っているとのことです1)。髪に4回、耳に1回、頬に4回、口に4回、鼻に3回、目に3回、顎に4回、首に1回触り、感染の原因になる粘膜への接触は44%だったとのことです。
また、パソコンを使った事務作業の場合は3時間で47回、すなわち1時間で15.7回手で目や唇、鼻孔など顔の粘膜部位に手で触ったとのことです2)。でも、かなり個人差が大きいようです。
一方、日本で模擬電車内空間をつくり、そこでどの程度顔に触るかの試験が行われていました。それによると、電車内でよく見られるスマートフォンを操作している場合の方が顔を触る回数が少ない傾向にあるものの有意差はなかったとのことです3)。全体の平均としては顔面を手で触る行為は1時間17.8回、その内、唇や鼻孔、目などの粘膜部位に触る回数が1時間に8回とのことです。この観察でも個人差がかなりあることが分かります。なお、化粧をしている女性は顔に触れる回数が少ないようです。女性が男性より感染症に罹患しにくい理由の一つでしょうか。
マスクをしていると唇や鼻孔には触れることはないと思いますが、これからの時代は、やはり顔にあまり触らない習慣を身に着けた方がいいのかも知れません。
参考)
1)Kwok YL. et al.: Face touching: a frequent habit that has
implications for hand hygiene., Am. J. Infect. Contr., 43, 112e4(2015)
2)Nicas M. et al.: A study quantifying the hand -to-face contact rate
and its potential application to predicting respiratory tract infection. J. Occup.
Envion. Hyg., 5(6), 347-352(2008)
3)森田 健太郎ら:行動による感染リスク低減に関する研究、(そn1)模擬電車内における顔面接触頻度の把握、衛生工学会高い学術講演論文集(2018.9.2)
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