2020年4月6日月曜日

新型コロナウイルスの伝染を断ち切る


新型コロナウイルスの最初の感染者・伝染者は誰だったのでしょうか。同時多発的な場合もあるので探すのは難しいかもしれません。話題になったミトコンドリアの祖先「ミトコンドリアイブ」のように決定できるとは限りません。

 でも実は感染者全員が、感染した瞬間から新型コロナウイルス遺伝子の先祖(伝搬者)になります。感染者自身の細胞がコロナウイルスの+鎖RNAを基にしてDNA(遺伝子)二本鎖RNAを合成し、+鎖RNAが次々複製されコロナウイルスとなって次にうつされ、そしてうつされた人がまた伝搬者となってうつし感染が次々に広がります。
(DNAを経由せずにRNA二本鎖が形成されて、RNA鎖が複製されるそうです)

 新型コロナウイルスの伝搬力は一人から1.52人程度のようですが、仮に2人とすると自分を含めて、1人から3人、9人、27人と続きます。3の指数関数で伝搬します。10回これが繰り返されると1人から10世代ということになり5万9千人が感染者になります。恐ろしいです。
感染者がうつす人数の違いによる感染者総数の増加曲線の比較

 もし1日に2人にうつすとすると、自分から次々に感染者がつながり、10日後には約6万人、11日後には葯18万人です。12日後には53万人になり、19日後には日本の人口を超えて13千万人が感染する計算になります。

これは1日に2人にうつし、それが継続される環境にある場合という条件での計算なので、現実にはうつせる人が周りにいなくなるので、そのようにならないのですが、でも恐ろしいです。

 すこし行動を自粛して、仮に1日に0.5人にうつす程度になると、10日後に約87人にうつしてしまったという程度で収まります。1人ひとりの行動がいかに大事かが良く分かります。感染を止めるには、感染者からの伝搬を断ち切るしかありません。
 伝染を制御できなくなった時は、陽性者を見逃さず隔離し重大さを自覚させる方法が最も確実のように思われます。

 46日時点で閲覧できるデータ(WHO)を基に3n乗を縦軸にして、国民の感染率が高いアイスランドと、急激な感染途上にある米国を加えた図を作成して見たところ、米国(USA)の感染者の増加速度は31日から322日までは、一人の感染者が二日間で二人に感染させる勢いで感染が広まり、その後ゆるやかになっていることが推定できます。政策の効果が一週間後に出ると仮定すると、315日ごろに実施した政策の効果が出ているということになります。
国民の感染率の高いアイスランドと低い日本、そして米国との比較


 国民の感染者率の高いアルルランドは、感染者が急激に増加したことから感染検査を民間に委託し徹底的に感染者を把握・管理する方針に変更したので、国民の感染率は0.4%になったものの、ほぼ終息に近づいている状況に見えます。

 一方日本は、感染率が低く推移しているものの、最近になり増加傾向が著しくなっているので、Our World in Dataの死亡者総数に関する図を閲覧したところ、やはり安定的に推移していた死亡者の数が増加する気配が見えます。
 
COVID-19による死亡者総数の推移(4月5日)


   明日(4月7日)には、政府が非常事態宣言を出すとの報道があります。

  日本は、感染クラスターの把握と徹底管理に特化した取り組みを行い、世界的に見ても最も効率的な感染者の検査体制を1月から4月まで継続してきました。諸外国と異なる独自の感染対策で、その成功を期待していましたが、感染元が追えない例が増え始めています。

感染源が不明で管理ができなくなった場合は、徹底的に検査をして陽性者を一人残らず把握する方法をとるか、あるいは人々の接触を制限する方法をとるかの二者択一になるように思います。本当は、ワクチンがあれば一番いいのですが。
各国のPCR検査実施総数と国民百万人当たりの実施数の比較(4月5日現在)
江戸から文明開化を経てまもなく、北里柴三郎や野口英世、志賀潔などの病理学者がこの分野で活躍しました。世界から見れば、江戸の科学レベルから類推して、当時の日本人がこの分野で活躍できたのはかなり不思議なことだったろうと思います。でもそれは、学問や学術等ということではなく、役立つことをしたいと思う日本人の価値観によるものだったような気がしています。


 自分のことを棚に上げた言い方ですが、そのことが続いていると信じたい。

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