2020年4月19日日曜日

新型コロナ医療従事者への感謝と協力


新型コロナウイルス感染者の増加によって、医療関係者が家族への感染を気にかけ、窓ガラス越しに子供や家族にハイタッチして職場に出勤しているとの情報が伝わってきて、感謝の気持ちでいっぱいになりました。ありがたいです。

日本では、かなりの人々がマスクを何回も洗濯し(沸騰水やハイターの希釈液等で消毒するなど)、使っていると思います。最近のマスクは選択してアイロンを当てれば、新品によみがえります。実は、賢い消費者が多いように思いますし、皆協力したいと思っています。

でも、最も不安なのは新型コロナウイルスに関する情報で、どれが正しいのかです。マスクの配布はありがたいのですが、その予算の十分の一でもいいので、正しい情報を得るための、新型コロナウイルスの調査研究費にして頂ければ、得られた情報の信頼性が増すのではないかと思っています。でも、たぶんその分野では十分の一でも莫大な予算になるので担当者は大変なのかも知れません。しかし、大変でも将来に備えることになるはずだと想像しています。研究分野も人手がないだろうとは思いますが。

 これまでに、病原性のコロナウイルスとしてのサーズやマーズの教訓はありましたが、今回の新型コロナウイルスの性質を暴くまでの解明が不運にも行われていなかったように思います。サーズは発生から終焉までの期間が短く、マーズではその発見者であるエジプトのZaki博士が母国と解析を依頼したオランダとの狭間で冷遇されているなどの情報もあるように、人類の共通の敵に向かう姿勢ができていなかったように見えます。

 最も重要なことは、発生源における発生過程の解明からその伝搬様式や感染者の実数の把握など正しい情報を専門家が入手解析することです。でも多くの場合、正しい行動ではあるのですが、患者を助けることに全力を注ぐため、次にバトンタッチできる情報を入手しきれないという現状にあることは想像できます。

 今回の新型コロナウイルスについては、今のところ中国からの論文が大半を占めていますが、学術論文の多くは学術誌出版社の配慮からほとんどが公開され、私のような門外漢も全文を閲覧でき、さらにCOVID-19サイトが設けられるなど積極的な情報公開が行われ感激しています。科学的に戦うための体制は、たぶん相談なしに作ることができたのだと思います。

 次にやるべきことは、次(将来)のための作戦に必要な客観的なデータをとることのように思います。アイスランドは人口当たり最もPCR検査数が多い国のようです。また、サンマリノは日本を凌ぐ長寿国で、感染が蔓延したイタリアの真ん中にある国でどちらも人口当たりの感染率はかなり高い水準にあります。


 すでにデータはある訳なので、是非両国のデータを早急にまとめて世界に供給できれば、中国のデータを超えてかなり信ぴょう性の高い情報を世界の人々が得られることになるように感じます。①無作為に調査したと仮定した場合の年齢階層別感染率と死亡率の推計、②他者への感染力の経時的な把握、③家族間の感染率と感染しない人の割合などは、少なくとも算出可能かも知れません。

 コホート研究は是非必要だと思います。感染拡大は始まってしまいましましたが、RT-PCR検査は検体採取者へのクシャミ・シャワーなど負担が大きすぎるのであれば、抗体検査をコホート内で継続的に実施するなど、確かなデータを積み重ねることが次につながると思います。感染しても抗体ができるかどうかわからないとの議論もありますが、実施したデータを解析することで次の手が見えてくるとはずです。陽性者が少なくても無駄になることはないと思いますし、有効なワクチンの開発に資するものと期待されます。
 




 

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