2021年8月3日火曜日

青緑に輝くミドリシジミやイカリモンガとの遭遇とオトシブミ

    7月中旬に七時雨山麓でミドリシジミを見かけました。遠くから撮った写真なのでかなりぼやけています。東北地方で良く見かけるミドリシジミとして数種類が取り上げられていますが、判別は難しいです。

山道に生えた路面の草から小さな青緑色の2匹の蝶々が飛び立つのを確認しました。2匹が輪になって激しく飛び回り、やがて林の中に消えていきました。ツガイなのか縄張り争いなのかも分かりません。



 これまでムラサキシジミがキラリキラリと紫色の表翅を見せながら飛ぶ様子に魅入られていましたが、今回のミドリシジミはそれ以上のインパクトがありました。翅が光を反射するようです。  

一瞬の出来事でしたが運よく写真に写っていたので、現実味があり、もう一度しっかりと観察したいという気持ちが強くなっています。

山道を車で走っていると、道路から飛び立ち、車にぶつかりそうになりながら飛んでいく蝶々を良く見かけました。車を止めて調べればいいのかも知れませんが、そうもいきません。どんな蝶々だろうかといつも気になっていました。

今回、七時雨山麓の舗装道路を歩いていた時、アスファルトの上に黒い蝶らしい姿が見えたので、静かに近づいたところ全く逃げることなく、簡単に素手で捕まえることができました。


クジャクチョウでした。暑い日だったので弱って飛び立つことができなかったのか、あるいはそろそろ命を終える時期だったのか分かりませんが、そっと草の葉に乗せました。飛び去る気配はありませんでした。

筑波山付近ではテングチョウが道路上に良く止まっていましたが、七時雨山付近ではクジャクチョウも道路上に普通に止まっているようです。なかなか会えない蝶々だと思っていましたので意外でした。

安比高原では、シジミチョウ程度の大きさの奇抜な模様の蝶々が山道を飛び交っていたので、写真を撮り後で調べたところイカリモンガ(錨紋蛾)という蛾であることが分かりました。山間部で良く見かけるとのことでした。蝶々のように見えましたが、実は蛾だと言うことです。

 コロナ禍になって、散歩やハイキング・登山の回数が増え、それとともに良く目立つ蝶々の写真を多く撮るようになり、少しずつ種類の判別ができるようになってきました。

生物間の相互作用についても興味があります。

アザミの花には、狂暴とは程遠いかわいい姿のハナグモが餌食を待っていました。

岩手では、道の両脇にフキが良く生えています。そのフキの葉に「オトシブミ」が乗っているのを見つけました。しっかりした筒状のオトシブミで、中には卵が産み付けられているのでしょう。落とし主を探しましたが見つかりませんでした。

このオトシブミには様々な形状があり、卵に寄生するハチと宿主との共進化によって構造が決定されることが解明されたようです(1、2)。

自然は奥深くて興味深々です。

 

参考)

1)C. Kobayashi et al.: Arms race between leaf-rolling weevils and parasitoids: diversification of weevil’s plant-manipulation behavior and its consequence., Ecological Monographs, 85, 253-268(2015)

2)東北大学大学院生命科学研究科:寄生者の違いが、寄生者が作る葉巻「落とし文」の多様さをつくる.2015年4月28日

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