8月8日に東京オリンピックの閉会式を見ました。
宮沢賢治の「あかいめだまの さそり ひろげた鷲の つばさ ・・・」を大竹しのぶさんと子供達が歌っているのを聞き、そういえば、最近星を見ていなかったなと思いました。ブログを書きながら、赤いアンタレスや青いプロキオンを探した頃を思い出しています。
3.11の東日本大震災直後に、宮城県の南三陸を車で走っていた時、唯一深刻な被災を逃れ営業していた海沿いのガソリンスタンドに「海のバカ」と書かれた板切れが立てかけてあったのを見て、海とともに暮らす人々のやるせない思いを知らされたような気がして、涙がポロリと出たのを思い出しました。
賢治の童話「なめとこやまの熊」の小十郎と熊の関係が思い浮かびます。
新型コロナも自然の驚異の一つで、「今年中には収まるかもしれない」と言う予想は見事に外れてしまったのかもしれません。
オリンピックは柔道や水泳、卓球から野球、バスケット、マラソンまでしっかり見ました。感動しました。
選手のストイックな前向きな姿勢が良く伝わり、高齢者として最後になるかも知れない、この日本で開催されたオリンピックを見ることが出来て良かったと思いました。観客も演者となる開会式や閉会式はやはり寂しく感じましたが、選ばれた強者とそれを支えるボランティアによる祭典となった歴史的な第32回オリンピックを語り継いで欲しいと思いました。
パラリンピックも選手一人ひとりの姿が目に焼き付くものと思います。
日本では、現在沖縄県や首都圏に緊急事態宣言が出されています。
欧米のみならずアジア諸国を始め世界各国で、δ変異株による感染者が再び増加し始めているようです。
米国のCDCによれば、新型コロナウイルスのδ変異株は水痘に匹敵する感染力を持つとのことです1)。水痘の基本再生産数R0は8-10で、患者一人が8人から10人に感染させるようです。
このことから、集団免疫を獲得するための臨界免疫割合すなわち目標ワクチン接種率(v)2)は、以下のように計算できます。
v > 1-1 / R0 → R0=8では 1-(1/8) = 0.875
→ R0=10では 1-(1/10) = 0.9
従って、
・R0=8の時は0.875以上 → ワクチン接種目標87.5%以上
・R0=10の時は0.9以上 → ワクチン接種目標90%以上
安全性を考慮すれば90%以上の接種率が目標になるようです。どの国にとっても厳しい目標値だと思われますので、啓蒙が大切だと感じます。
集団免疫が達成されなくても、ワクチンが命を守る手段であることには変わりないと思います。
併せて、未来のためにもアジュバンドやPAMPs、DAMPs等の知識を駆使して、麻疹の生ワクチンのような、一生抗体を維持できるワクチン開発が行われることを願っています。
参考)
1)CNN.co.jp : デルタ株、水痘に匹敵する感染力 CDCの内部資料が警告
2)西浦 博ら:従属性のある感染症データの数理分析と予測、ファルマシア、55(11)、1047-1053(2019)
0 件のコメント:
コメントを投稿