2021年9月22日水曜日

安比高原の「ブナの駅」のキベリタテハ

    911日、お昼少し前に安比高原のブナの駅に行きました。

安比高原のブナの駅と中の牧場

ブナの駅がある「中の牧場」には、小川もあり親子が遊んでいる姿をみたことがあります。牧柵で囲われた広大な馬放牧場では、数頭の馬が並んで草を食べていました。

ブナの駅の小川と中の牧場の馬放牧用牧柵

中の牧場は広い草地ですが、牧柵に沿った登山道を通り安比スキー場のある西森山に登ることができるようです。いつか挑戦してみたいと思っています。

牧場は天然の芝生に覆われ、ところどころにエゾリンドウやユウガギクの花が咲いていました。蝶々は7月の訪問時にはたくさんいましたが、今回は時々見かける程度で、草むらに潜っていくウラギンヒョウモンの写真を撮りました。

エゾリンドウとユウガギク ウラギンヒョウモン

中の牧場から小川を渡り、草原を少し歩くとブナの二次林に到着します。下草を刈った遊歩道には25mおきに案内標識があり、「白いブナ林」の標識をたどって進むと「奥の牧場」に行くことができます。

中の牧場から草地を通ってブナ林の森へ

今回のハイキングでは、奥の牧場の沼の周りにサワギキョウがたくさん咲いていました。最盛期は過ぎたのかもしれませんが、ツリガネニンジンとともに草地を彩っていました。

奥の牧場のサワギキョウに囲まれた沼

サワギキョウとツリガネニンジン


 奥の牧場をしばらく散策し林道との境まで行ったところ、境界にある腰ほどの高さの人工の杭に、キベリタテハが止まっているのを見つけました。

人工の杭に止まるキベリタテハ

これまで他所で数回キベリタテハが飛んでいるのを見たことはありましたが、間近で見るのは初めてでした。裏翅は少しグロテスクでしたが感激しました。

キベリタテハは花を訪れることはまれで、主に樹液や腐った果実、獣糞などの汁を、翅を広げて吸っている場合が多いとのことですが、人工の樹脂に覆われた杭の窪みに腐敗物でもあったのでしょうか。

夢中で吸っているようで翅を広げてくれません。近くの細長い草をちぎってツンツンしてみましたが、僅か横に動いただけで翅は広げてくれませんでした。

少し離れて様子を見ることにしたところ、シータテハが飛んできて同じ杭に止まりました。キベリタテハは、シータテハを気にしている様子で近づくと追い立てるように翅をバタつかせます。良く見ると、キベリタテハの眼はユニークです。サイノメ模様に囲まれた小さな中心部が緑色に光っています。

キベリタテハとシータテハ

シータテハは直ぐに飛び立ちましたが、しばらくしてキベリタテハも飛んで行きました。

翅を広げたキベリタテハ

その様子を10分程眺めていたかもしれません。

一組の御夫婦が近くを通ったので、「珍しい蝶々がいたので見ています」と釈明してしまいました。かがんだ姿勢で、じっと1本の杭を眺めている高齢者は奇異に見えたのかも知れません。

「じっと手を見る」思いはいつもしているのですが、じっと杭を見たのはこれまで記憶にないです。記念になりました。


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