2021年9月2日木曜日

パラリンピックとワクチン接種の状況

   825日から始まったパラリンピックを毎日見ています。どの競技も出場選手の努力の凄さが感じられるので日本の選手だけを応援するのも、少しためらいを感じます。人間だからこそ、これ程のことができるんだろうなと思います。

   自分と向き合い前を見て頑張っている姿が身に沁みます。心に残ります。

 日本では新型コロナウイルス陽性者が1日に2万人を超える日がある程の、これまでにない状況になっています。茨城県も、ついに8月20日から9月12日まで緊急事態宣言の実施区域に指定されました。児童や生徒、学生などの感染も報告されるようになり、家庭内感染が主流になりつつあるようなので、ヒタヒタとウイルスが近寄って来ている感覚になっています。


 δ変異株に感染した患者が排出するウイルス量は、従来のウイルスの1,000倍と報告1)されているそうなので、免疫力の強い若者でも感染してしまうようです。

現在、感染や感染に伴う症状の悪化を予防するための対策としてはワクチン接種が推奨されており、日本においても2回接種することによって90%以上の有効性が認められたと国立感染研が報告しています。

世界的なワクチン接種状況を調べて見ると、830日現在ではスペインやフランス、イギリス、イタリアなどが1回接種の者も含めて人口の70%以上になっていました。米国は61%、日本は57%になっています。但し、エジプトやケニア、ナイジェリアなど、それぞれ1億人以上が暮らすアフリカ諸国のワクチン接種率は極めて低く、アフリカ全体では4.9%にとどまっているようです。

世界全体でも、2回接種を終えた者は27%程度で1回接種を合わせても39%になっているようです。

 ウイルスは、感染可能な宿主が密集している場所で蔓延し変異を重ねるので、アフリカでのワクチン接種率が高くならない限り、世界的な脅威は払しょくされないことになるように思います。

 新型コロナウイルスのパンデミックが発生した初期には、集団免疫獲得のための抗体保持率は60~70%と言われていましたが、現在δ変異株の出現などによってワクチン接種率が70%を超えたヨーロッパ諸国でも、再び陽性者が増加するなど、厳しい状況が続いているようです。

    δ変異株の感染力が米国CDCが報じたように水痘に匹敵するのであれば、基本再生産数は最大10になることから、集団免疫を獲得するための臨界免疫割合は9割(90%)以上と算出され、現在のワクチンの有効性が90%であることを加味すると、算数的な視点では、ほぼ全員がワクチン接種を受ける必要があることになります。

 ワクチン接種者に対するブレークスルー感染も話題になっていますが、どの国でもワクチン未接種者のδ変異株への感染が現在の陽性者増加の主要因であると言われているようです。やはり、世界的なワクチン接種活動が最も確実な感染予防対策であるように感じています。

新型コロナウイルスの血中における抗体量は、高齢者で特にその減少が速いと言われているようです。新型コロナウイルス抗原に対する抗体産生の鍵を握るメモリーB細胞を長く維持する方法はないのでしょうか。感染症の種類によって、抗体産生の持続性が異なるメカニズムなど、免疫反応の不思議は本当に奥深く門外漢には難しすぎます。

参考)

1)日本感染症学会:一般市民の皆様へ〜かからないために、かかった時のために〜(2021年8月6日) (kansensho.or.jp)

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