2025年2月19日水曜日

令和七年2月の宝篋山登山と常緑性シダ植物観察

  2月18日(火)につくば市の宝篋山に登りました。

宝篋山小田休憩所に10時20分頃に到着しました。平日でしたが駐車場は9割程度の混みようでした。

駐車場付近から宝篋山がクッキリと見えました。極楽寺コースを登り始めると沢沿いにたくさんの常緑性シダ植物が生えていましたが、下山の際に観察することにしてどんどん登りました。

小田休憩所から極楽寺コースで宝篋山登山(2月18日)

最近雨が降っていないので、登山道の土が乾いていて歩くたびに登山靴に粉塵が付きます。でも、木の葉が落ち林の向こうの景色が透けて良く見えました。

極楽寺コースで宝篋山頂上へ(2月18日)

頂上に11時10分頃に到着しました。数組の登山者・登山グループが景色を見ながら休んでおられました。時々日光が射し、澄み切った綺麗な景色でしたが、冷たい風が吹き抜けます。

宝篋山頂上からの展望(2月18日)

頂上で少し休憩した後、シダ植物を観察しながら下山を開始しました。

バイオトイレまでの登山道にはベニシダがありました。ベニシダは頂上から登山口までのいたる所に生えており、最も多く分布しているように感じました。

宝篋山頂上付近のベニシダ(常緑性シダ植物)

バイオトイレから常願寺コースとの分岐点迄の登山道では、イタチシダの仲間を数か所で見つけました。どれも小羽片の先端に鋸歯がないのでヤマイタチシダかなと思いますが良く分かりません。

宝篋山頂上付近のイタチシダの仲間

さらに急坂を下りたどり着いた中腹の平坦な登山道には、大きなウラジロの群落がありました。登山道の左右に広がっていました。

宝篋山中腹のウラジロ

中腹の登山道から沢沿いの登山道へと進むと、岩場にたくさんのシダ植物が生えていました。

朝日峠展望公園への登山道や牛久城跡公園で見つけたリョウメンシダがあちこちにありました。

宝篋山沢沿い登山道のリョウメンシダ

イノデと思われる個体も岩の隙間にたくさんありました。

宝篋山沢沿い登山道のイノデ

 大きく育ったイワガネゼンマイも目につきます。

宝篋山沢沿い登山道のイワガネゼンマイ

 ヤブソテツやオオバイノモトソウもあちこちに生えていました。

ヤブソテツとオオバイノモトソウ

 その他、直ぐには判定できそうもない常緑シダ植物も結構ありました。

宝篋山の常緑性シダ植物(2月18日)
(ジュウモンジシダやトウゴクシダ等)

小田休憩所に戻る田んぼ道で、アオジに出会いました。直ぐ近くに飛んできました。こちらの様子をうかがっているようです。

アオジ

今回は、小学1,2年生の下校サポート出発時間が公民館発14時だったので、ゆっくりとシダ観察ができませんでしたが、3月までに常緑性のシダ植物観察をもう一度したいと思っています。牛久の自宅に13時20分頃到着しました。良かったです。



2025年2月10日月曜日

冬の牛久沼散歩とシダ植物

   2月7日(月)に牛久沼まで散歩しました。

牛久市田宮町の薬師寺脇を通り、スーパーカスミ、牛久小学校を経て、牛久城大手門跡から城中町に入り牛久城跡公園を散策しました。

牛久市田宮町薬師堂方面から牛久城跡公園へ

最近シダ植物に興味を持ち始めましたが、牛久城跡公園にもたくさんのシダ植物が生えていました。

牛久城跡公園(2月7日)

ヒノキ林には、ヒメシダ科のホシダと思われる種類がたくさんありました。植物の先端に独立した穂状の羽片がついています。胞子をつける葉柄とつけない葉柄があるようで、胞子をつける葉柄の葉は少し細いようです。

牛久城跡公園のヒメシダ科ホシダ(2月7日)

イワガネソウも道端にたくさん生えていました。

牛久城跡公園のイワガネソウ(2月7日)

リョウメンシダも数株見つけました。

牛久城跡公園のリョウメンシダ

崖付近にはオオバイノモトソウの群落がありました。胞子をつける細葉の胞子葉株とつけない広い葉の栄養葉株が混ざり合って生えていました。

牛久城跡公園のオオバイノモトソウ

オシダ科のヤブソテツもオオバイノモトソウと共にたくさんありました。

牛久城跡公園のヤブソテツ

オオバイノモトソウとヤブソテツは同じ場所に生える傾向があるように感じました。ヤブソテツとオニヤブソテツの区別は難しいようですが、葉に鋸歯がほとんどないのがヤブソテツとのことなので、ヤブソテツとしました。

少し風の強い日でしたが、冬の牛久沼のほとりは見晴らしよく、遠くまで見渡すことが出来ます。

冬の牛久城跡公園のほとり(2月7日)

牛久沼から河童の碑に向かいましたが、途中でこれまであまり見たことの無い特徴のあるシダを見つけました。後で調べるとヤマイタチシダのようです。ヤマイタチシダとオオイタチシダは混同されるようですが、オオイタチシダの羽片の先端には鋸歯があるようです。

牛久沼のほとりのヤマイタチシダ

また、シダ植物とは思えないような姿のチャセンシダ科チャセンシダ属のトラノオシダと思われる個体も見つけました。

牛久沼のほとりのトラノオシダ

シダ植物の奥は深いです。

筑波山のシダ植物の調査報告1)では54種が記載されていて、そのうちシダらしい姿を持つ種類は35種のようですが、どれもよく似ています。直ぐにはとても分かりそうにありませんが、少しずつ勉強します。

牛久城跡には区別がつきにくい、いわゆるシダ類が結構ありましたので、また後日調べて見たいと思っています。

仙台市にいた際には冬の散歩で山野草はほとんど枯れてしまうので地衣類に注目しましたが、牛久市周辺には冬でもシダ植物がたくさん生えているので、春まで歩き回ります。

 

参考)

1)小幡 和男ら : 筑波山におけるシダ植物の垂直分布、茨城県自然博物館研究報告、23, 29-39 (2020)

2025年2月8日土曜日

小町の館から朝日峠展望公園と小町山へのハイキングとシダ植物

  2月4日(火)9時半頃に土浦市の小町の館に車を置き、朝日峠展望公園頂上から小町山頂上まで周って下山するコースをハイキングしました。

朝日峠展望公園への登山口にはたくさんのシダ植物が生えていました。これまであまり気に留めていなかったのですが、冬季は昆虫に出会う機会も少なく、草花も見当たらないので、少し調べて見たいと思うようになりました。

朝日峠展望公園への登山口のシダ植物(2月4日)

シダ植物の系統的な分類については現在でも議論がなされているとのことですが、日本で良く利用されている「日本産シダ植物インデックス」1)の分類に従い和名を検索・予想しました。筑波山のシダ植物についての調査報告2)もあるのでありがたいです。

登山口にあるシダ植物の中で良く見かけるタイプの「シダ」は、オシダ科のベニシダによく似ています。

オシダ科ベニシダ

これまで「シダ」だと思っていなかった笹状の柔らかいシダ植物はイノモトソウ科のオオバノイノモトソウのようです。一方、イノモトソウの軸には翼があるとのことですので区別できます。

イノモトソウ科オオバノイノモトソウ

登山口から「おかめ岩」まで登る途中の登山道脇にホウライシダ科のイワガネゼンマイと思われるシダ植物がたくさん生えていました。

ホウライシダ科イワガネゼンマイ

イノデ科のアスカイノデと思われる個体も沢沿いにポツンとありました。

アスカイノデは海岸に近い地域に生えるようです。(2月20日)

イノデ科アスカイノデ

沢沿いの登山道には、オシダ科のリョウメンシダと思われるシダ植物が数個体ありました。

オシダ科リョウメンシダ

また、コバノイシカグマ科のフモトシダによく似た個体も生えていました。

コバノイシカグマ科フモトシダ

おかめ岩からもみじ谷を経由して道祖伸前の東小屋、水源の森を通り朝日峠展望公園頂上に登りました。快晴の日でしたので朝日峠展望公園頂上から見える霞ヶ浦はキラキラ光っていました。きれいでした。

もみじ谷から朝日峠展望公園頂上へ(2月4日)

展望公園までの登山道ではオシダ科のベニシダによく似た個体がたくさんありました。また、リョウメンシダやオオバノイノモトソウと思われる野草も結構見つかりました。

オシダ科ハチジョウベニシダ?

展望公園からヒノキ林を通りハート石分岐点まで歩きましたが、ヒノキ林にはたくさんのシダ植物が生えています。表葉に裏葉の胞子嚢のふくらみが明瞭に出るハチジョウベニシダによく似た個体が多いように思うのですが、種類も多すぎます。この場所はこれまでも良く通るので次の機会に調べたいと思っています。ベニシダとハチジョウベニシダはよく似ているので、胞子数(ベニシダ32個、ハチジョウベニシダ64個)を数えて同定するようです。国立科学博物館筑波実験植物園でベニシダとハチジョウベニシダを観察しましたが、よく似ています。まだまだ経験不足です。(2月13日))

展望公園からヒノキ林を通り小町山へ
 ハート石分岐点からよろこぶ坂を通り小町山頂上に登りましたが、頂上のパラグライダー飛行場から朝日峠展望公園がスッキリと見えました。

ハート石分岐点から小町山頂上へ(2月4日)

たくさんの写真を撮りながらでしたが、11時半頃には駐車場に戻ることが出来ました。約1万歩7km、124階(124x3m)のハイキングでした。

 

参考)

1)Ebihara A.  Kasetani F : Index to Ferns and Lycophytes of Japan.

2)小幡 和男ら : 筑波山におけるシダ植物の垂直分布、茨城県自然博物館研究報告、23, 29-39 (2020)








2025年2月2日日曜日

「アクアマリンふくしま」でのアジ釣りとその食体験など

  1月31日(金)に「アクアマリンふくしま」に行ってきました。孫達が釣り堀でアジ釣り体験をし、唐揚にして頂き一尾ずつ食べました。美味しかったです。もうすぐ3歳になる孫もカリカリの骨まで完食しました。

アクアマリンふくしま」でのアジ釣り体験
  
  朝7時前に牛久を出発して常磐高速道路に入り、いわき勿来インターで高速道路から出て国道6号線を通り、いわき市「アクアマリンふくしま」で車を降りました。開館時刻の9時頃に到着し、16時頃まで楽しく過ごすことができました。

「アクアマリンふくしま」(1月31日)

「アクアマリンふくしま」は、太平洋の「潮目」をテーマにした水族館とのことで、釣りや裸足で生き物とふれあえる屋外施設での様々な体験ができるようです。

本館入り口からエレベーターで4階の「ふくしまの川と海岸」のコーナーに行くと、イワナやカワムツなどたくさんの魚が展示されていました。

イワナ、カワムツ

そこから下り3階のトドやアザラシ、エトピリカなどを見学しましたが、ゴマフアザラシの「だいき」君が傍まで近づいてきたので皆で記念写真を撮りました。

ゴマフアザラシのだいき君(1月31日)

その後、3階から2階の「サンゴ礁の海」へと下りましたが、熱帯魚がきれいでした。チンアナゴもたくさんいました。

「アクアマリンふくしま」の熱帯魚(1月31日)

「潮目の海」を通り飼育員の研究レポートを見て、1階のレストラン「アクアクロス」を通り過ぎ、子供体験館に向かいました。

4階から2階までの展示コーナーでたくさんの魚類を見学しました。

アロワナ、イワシなど展示魚類の一部(1月31日)

子供体験館では「アジ釣り」をし、釣りあげたアジを皆で食べました。その後、館内の遊び場やタヌキやリスなどを展示している外の「えっぐの森どうぶつごっこ」コーナーでもしばらく遊びました。

「アクアマリンふくしま」の子供体験館

レストラン「アクアクロス」で昼食を食べた後で、企画展の「旅する深海魚」のコーナーを見学しました。

水深200mを超える深海で暮らす魚には、幼魚期を浅い海で過ごす魚種があり、それらを「旅する深海魚」と呼んでいるようです。旅する深海魚は浮く卵(分離浮性卵)を産み、孵化した稚魚が浅海で過ごした後に成魚となって深海で暮らすとのことです。ウナギやシイラ、キチジ、タチウオなど日常よく食べる魚種からリュウグウノツカイやハリセンボンなども「旅する深海魚」の仲間のようです。知りませんでした。

「アクアマリンふくしま」の旅する深海魚と卵

午後は、アザラシやトドなどの餌やりの見学などや体験館で遊んでいるうちに16時近くになり、金魚館を見学してお土産を購入し牛久に戻りました。

金魚館のおおきなデメキン(1月31日)

孫達にとっては楽しい1日だったようです。貴重な体験ができました。