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2020年4月29日水曜日

密にならないように牛久沼散歩しました 河童もマスク


今日(4月29日)は晴天だったので自宅から牛久城跡を経て牛久沼まで散歩しました。外出自粛のアナウンスが防災行政無線で放送されていましたので、ほとんどすれ違う人もいなかったのですが、ごめんなさいと思いながらの散歩でした。

 牛久沼のアヤメ苑まで歩き、三日月橋を見上げたところ、橋の欄干の河童さんもマスクをしていました。少しほっこりしました。
マスクをした牛久沼三日月橋欄干の河童さん
 各地にあるお地蔵さんも、たぶんマスクをしているのでしょう。そういう一体感を感じました。

 いつも、散歩の際、気になった草花や昆虫を手あたり次第写真に撮ることにしています。

 今日は、牛久城跡の草地でたくさんのハナムグリに出会いました。実は、キンカメムシに会いたいと思っていたので、足元に飛んできた虫の甲羅が緑色だったので、期待して結構慌ててしまいました。でも残念、ハナムグリでした。相当数のハナムグリが足元で飛び交っていました。先週まではハナムグリを見かけていませんでしたので、牛久周辺ではこの時期からハナムグリが活動を始めるのだろうと思いました。



  
コアオハナムグリ
  牛久城跡ではヤマトシジミがたくさん飛んでいました。また、いたるところでベニシジミを見かけました。モンシロチョウやモンキチョウも飛び交っていました。
ベニシジミとヤマトシジミ
モンシロチョウ
  思いがけずクロアゲハにも出会いました。偶然ですが、アヤメ苑のアザレアの花の蜜を吸っていました。でも、世話しなく動き回るので写真を撮るのが大変でした。アカタテハもいました。
クロアゲハ
 
ヒメアカタテハ

 今まで気づかなかったのですが、可憐なアカバナユウゲショウの花が今回は道端で特に目立っていました。藤の花も咲き始めました。これから益々多くの草花や昆虫に出会えるものと思っています。
アカバナユウゲショウ
藤の花

 新型コロナで大変な状況ですが、いつものように自然は時を刻んでいます。新型コロナも自然の産物だと思いますので、きっとまもなく乗り越えられるだろうと信じることにしています。

2020年4月8日水曜日

牛久城跡や牛久沼の春一番の散歩


新型コロナウイルスへの感染が急拡大していることから東京や大阪などを対象にした「緊急事態宣言」が4月7日に出されました。茨城県は対象になりませんでしたが、首都圏との交流の多い10市町に対しては、平日夜間の不要不急の外出自粛が呼びかけられています。

 牛久市も外出自粛の対象になっていますので、散歩に出にくい雰囲気ですが、牛久沼周辺の3時間程度の散歩では数人とすれ違う程度ですので、これまで通りとはいきませんが、少し頻度を少なくして散歩を続けようと思っています。

 3月31日に春休み中の孫を連れて岩手に帰省し4月3日に戻りました。

 岩手の梅や桜は当然まだ咲いていませんでしたが、雪はすっかり消え春がすぐそこまでやってきているという雰囲気でした。岩手には、鳥取県や島根県と同様に新型コロナウイルス感染者は報告されていませんが、でもやはり感染が怖いので、ほぼ毎日家の中で過ごしました。孫たちは家の中で自由気ままに過ごすことが出来たので、息抜きにはなったようです。

 4月6日は快晴だったので牛久駅から牛久城跡を経て牛久沼に向かい、さらに三日月橋を渡って桜並木を通るコースを散歩しました。あちこちで写真を撮りながら歩いたので16㎞になりました。

 桜並木の桜は満開が過ぎ、花がかなり散っていました。人通りもほとんどありませんでした。


 牛久城の城跡地は草原になっていますが、前回紹介したとおりヒメオドリコソウの群落が目立ちますが、今回はカキドオシやキランソウの花が綺麗に咲いていました。
カキドオシの花
キランソウの花


タンポポの花もたくさん咲いていて、アゲハチョウの雄と雌が飛び交っていました。ヤマトシジミにも出会いました。
タンポポの花の蜜を吸うアゲハチョウ
ヤマトシジミ


 牛久城跡から牛久沼に向かい雲魚停やあやめ苑を散歩しましたが、道端にイヌノフグリやスミレ等とともにムラサキサギゴケが咲いていました。
ムラサキサギゴケ


 また、ベニシジミが結構たくさん飛び回りタンポポの蜜を吸っていました。
ベニシジミ


 桜並木を通り過ぎ田んぼ沿いの道を歩きましたが、道端にクサイチゴの花がたくさん咲いていました。
クサイチゴの花


 新型コロナウイルスが終息して、楽しい春になることを願っています。

2020年2月11日火曜日

牛久沼周辺で越冬中のウラギンシジミに会いました


2月8日に牛久駅経由で牛久沼から三日月橋を渡り桜の小径を周るコースを散歩しました。約13㎞、3時間かかりました。

雲魚亭から河童の碑を経て牛久沼に向かい歩いていたところ、蝶々が飛んでいるのを目撃しました。2月7日には牛久市で-6℃を記録しているので、越冬中の蝶々が飛ぶことはないだろうと思っていましたが、天気が良かったせいなのでしょう。でも意外でした。道端の木の葉に止まったので写真を撮ることができました。ウラギンシジミの雌でした。もっと近くで見たかったのですが、数回頭上を飛び回り林の中に消えてしまいました。

牛久沼周辺のウラギンシジミの雌(2月8日)
以前、ウラギンシジミの雌の死体を拾い保存していますが、それよりも斑紋が明瞭でした。
道端で拾ったウラギンシジミの死体(1月17日ブログ掲載)
アヤメ苑には一匹のダイサギと渡り鳥のツグミがいました。また、相変わらず稲荷川周辺にはたくさんのスズメが集まりにぎやかに騒いでいました。
牛久沼のダイサギとツグミ、スズメ(2月8日)
三日月橋生涯学習センター付近で野良猫を見つけたのでカメラを向けたところ、素早く逃げていきました。なかなかユニークな顔をしていました。
三日月橋周辺にいた猫
農家の庭先にある梅の木にはもう花が咲いています。郷里の岩手は、たぶんまだまだ寒く雪に覆われていると思いますが、牛久はもう春の気配です。
牛久沼周辺の農家の梅の木(2月8日)
春を待つ桜の小径(2月8日)
 平凡な散歩ですが、いつも心に残るものがあり楽しみにしています。


2020年1月17日金曜日

牛久沼の散歩と老いらくの青春(朽春)


  1月11日に牛久沼まで散歩しました。12月にも勿論牛久沼まで散歩したり岩手に出かけたりしましたが、パソコンのトラブル(交換)や孫のトラブルなど様々な荷物が積み重なり、結局12月はブログを書く意欲が生まれず、今回久しぶりの書き込みになりました。

 音楽が好きなのでユーチューブを時々サーフィンしますが、そんな事情の中で尾崎豊の歌を初めて聞きました。若くして他界されたことは知っていましたが、世代が違うこともあり彼の歌を聴くことはこれまでありませんでした。パソコンから流れる「僕が僕であるために」の歌には、青春の痛みと優しさがあり「優しさを口にすれば、人は皆傷ついてゆく」という歌詞が心に響き、青春時代の息苦しさと歯がゆさが伝わってきました。

活動休止後のリバースを共に戦いアイソトープ社の設立に関わった幻冬舎の見城社長の、尾崎豊の死に接した際の素直な感情表現には驚きましたが。それはさておき、歌に共感した私の心は今、70歳の青春なのだろうかと思った程です。それなりに、どうしようもない歯がゆさで地団太を踏むしかない自分は、「このていたらく」としか言わざるを得ない年齢になってしまっている訳なのですが。青春はおこがましいので終春、ありは朽葉色から「朽春(きゅうしん)」とでも呼ぶことになるのだろうか。朽ちることへの漠然とした不安。身をまかせれば平安になることを分かりながらも。ふと考えてしまう。

 牛久沼への散歩の際には、いつも雲魚亭の庭の木々の隙間から牛久沼の写真を撮っています。今回は、初めてのことですが一人の漁師が乗った一艘の小舟が見えました。なんだか幻想的な風景でした。漁師は時々網を引き揚げていました。
雲魚亭から見た牛久沼(1月11日)

牛久沼の周囲に生えた椎の木からはドングリがたくさん落ちていて、寂しさを感じますが、結構ヤブツバキがたくさんあり花が見ごろになっていました。道端には日本水仙も咲いていました。
ドングリとヤブツバキ、日本水仙

不思議に思ったのは「ウラギンシジミ」のことです。

牛久沼から三日月橋を渡り「桜の小径コース」を歩いていたところ、林に面した道端に小さな白いものが見えたので、近づき良く見たところ羽を閉じた「ウラギンシジミ」の死骸でした。ウラギンシジミは羽を閉じて葉に止まることが多く、しかも素早く飛び去るので、飛び去る際にキラリキラリと見える赤い表の羽がとても印象的で、いつも気にかけていた蝶でした。これまでに数回写真を撮っています。
道端で拾ったウラギンシジミの死骸(1月11日)

 ウラギンシジミがカメラを持った私の手に一度止まったことがあります。思わず強く握ってしまい、動けなくなったことを後悔した経験があります。

今回は、ウラギンシジミの死骸をそっと拾い上げましたが、傷つけずに保管するための容器等は持ち合わせていませんでしたので、しばらく手のひらに乗せて歩いていたところ、なんとCDの薄いビニール袋が道路の真ん中に落ちていて、その中にスルーっと収めることができホットしました。偶然のことでした。300円の定価シールが貼ってありました。

自宅に戻り、ウラギンシジミをビニール袋から取り出し、閉じた翅を広げて見たところ表翅は赤色ではなくて黒色でした。雌のようです。
拾ったウラギンシジミ(雌)の死体
ウラギンシジミ(雄)

これまで出会ったウラギンシジミの表翅はみんな赤色でした。つまり雄だけを見ていた訳ですが、今回初めて黒色の雌に出会うことができました。死骸でしたが何となく親近感を感じ、机の引き出しの中にしまっています。

昆虫のコレクションは全くなかったのですが、ウラギンシジミの雌が最初の昆虫コレクションになりました。

2019年10月10日木曜日

牛久沼周辺のアオオサムシやアカボシゴマダラ


牛久沼周辺の道端にはカタバミがたくさん生えているので、107日の散歩ではカタバミを食草とし蟻と共生するヤマトシジミの幼虫あるいは少なくとも卵ぐらいは見つけたいと思っていました。でも、見つけることはできませんでした。ヤマトシジミはたくさん飛び回っているので必ず幼虫や卵もあるはずですが残念です。
メスに近づくヤマトシジミのオス(10月7日)
周りでは、イネ科植物を食草とするイチモンジセセリもたくさん飛んでいました。

ヤマトシジミの幼虫や卵を見つけようとしてカタバミをかき分け探していたところ、青色の少し大きな変わった甲虫を見つけました。後で調べたところ、アオオサムシのようです。急いで逃げていきました。
アオオサムシ(10月7日)
牛久沼から丘を登ると民家が続き、雲魚亭と河童の碑に到着しますがその駐車場の周囲にはイラクサがたくさん生えています。今回はそのイラクサの上にアカタテハが止まっていました。
アカタテハ(10月7日)
その後、前回記述したようにナガサキアゲハやウラギンシジミの写真を撮り、三日月橋を渡って桜並木を通り刈谷団地方面に向かいましたが、丁度団地に登る坂道の入り口で外来種として有名になっているアカボシゴマダラに遭遇しました。どうやらエノキの葉に産卵していたようです。
エノキの葉に産卵したアカボシゴマダラ
このアカボシゴマダラは翅の裾がちぎれ、左側の赤い斑点がなくなっていました。良く見るとお尻のあたりに小さな卵が産み落とされています。しばらく、このエゴノキの小枝を歩き回りやがてフワリと飛んでいったので、卵を探しましたが他には見当たりませんでした。

結構ボロボロになったアカボシゴマダラでしたので、写真に写った1個の卵が最後の産卵だったのでしょうか。外来種の卵ですがそのままにして帰りました。

2019年10月9日水曜日

牛久沼周辺のナガサキアゲハ

 107日に牛久沼周辺を散歩しました。「牛久沼かっぱの小径コース」と「三日月橋さくら散策コース」です。
牛久沼周辺の散歩コース
 いつもどおり牛久駅からアヤメ園まで歩き、さらに牛久沼湖畔を通って雲魚亭に向かい、そこからアヤメ園を経て三日月橋を渡り、さくら散策コースの桜並木を歩き刈谷団地を経て牛久駅に戻るコースです。10km程になります。

今回は、雲魚亭からアヤメ園に行く途中の田んぼ道でナガサキアゲハに遭遇しました。
ナガサキアゲハ(10月 7日)
田んぼの畔にヒガンバナが綺麗に揃って咲いていたので、写真を撮り通り過ぎたところ、大きな黒い蝶が飛んできてそのヒガンバナに止まりました。慌てて戻ったところ全部で3匹いました。大きな翅で羽ばたきながら花から花に飛び移る様子は本当に優雅で豪快で感激しました。写真を撮りながらしばらく観察しましたが5分ほどで高く舞い上がり、揃って林の方に飛んで行きました。
ヒガンバナに飛んできたナガサキアゲハ
ナガサキアゲハ

そこからアヤメ園に向かう途中では、ウラギンシジミが一匹飛んでいたので写真を撮りましたが、すぐその後もう一匹が何故かカメラの方に飛んできて、最初私の手に止まり次にカメラに止まりました。とっさに捕まえ良く見たところ翅に傷のある老蝶でした。勢いよく胸のあたりを捕まえてしまったので、放しても飛び立てないようでした。すまないと思いましたが後の祭りです。心に残ってしまいました。
3頭のウラギンシジミ
(中央は手に止まった老蝶)
  でもその後、桜並木の道で元気なウラギンシジミが足元に止まってくれました。残念ながら翅を広げることなく飛んで行きましたが、なんだかホットした気分になりました。

107日は、今年のノーベル賞発表の初日でした。

2019年のノーベル医学・生理学賞は「細胞の低酸素応答の解明」を行った3名に与えられました。素晴らしい研究ですが、残念ながら日本人研究者は該当しませんでした。でもこの細胞の低酸素応答によって増加する鍵物質の「エリスロポエチン」は、1977年に当時熊本大学医学部におられた宮家隆次先生によって世界で初めて精製され、その後研究が大きく進展したようです。

  宮家先生は再生不良性貧血患者の協力を得て約2.5トンの尿を採取し、日本で粗精製品を調製した後、設備の整ったシカゴ大学での精製にほとんど休日を取らずに18ヵ月チャレンジし、8mgのエリスロポエチンの取得に成功されたとのことです1)。
  研究を指導されたシカゴ大学のゴールドワッサー(Eugene Goldwasser)教授は2010年に逝去されていますが、エリスロポエチン研究に25年携わられたとのことです。
  この精製品を用いてエリスロポエチンの部分的一次構造が解明され、それを手掛かりに遺伝子用のプローブが作製され1985年にエリスロポエチン遺伝子が吊り上げられたとのことです。これによって現在のような研究の発展が可能になった訳です2、3)。

宮家先生やEugene Goldwasser先生のように、信じて黙々と働く生き方に人間としての魅力を強く感じました。

参考)
1)Takaji Miyake et al. : Purification of Human Erythropoietin, JBC, 252(15), 5558-5564 (1977)
2)JBC Centennial 1905-2005, The purification of Erythropoietin by Eugene Goldwasser., JBC, 286(6), e2-e3(2011)
3)Wojchowski D. : Eugene Goldwasser (1922-2010), Nature, 470(7323), 40(2011)


2019年9月24日火曜日

キラキラ光るウラギンシジミと白いモンキチョウ


924日に牛久沼付近をいつものとおり散歩しました。18日に出かけた際、散歩道のあちこちに葛の花が綺麗に咲いていました。葛やフジはウラギンシジミの幼虫の食草だということなので、これまで写真を撮ることのできなかったウラギンシジミに会うことができるのではないかと思いました。

偶然でしたが、牛久沼に設置された板敷の遊歩道にそれらしい蝶が止まっているのを見つけました。最初は素早く飛び去るのでなかなか写真を撮ることができませんでしたが、しばらくして草に移動し、時々翅を広げました。
ウラギンシジミ(メス):9月24日撮影
ウラギンシジミ
ウラギンシジミ幼虫の食草の葛とそのそばに咲いていたキクイモの花
ウラギンシジミは、銀色の裏面をキラキラと光らせながら飛ぶので、公園などで時々見かけていたのですが写真を撮ることはできませんでした。牛久沼周辺では初めての遭遇でしたが、運よく撮影に成功しました。

  ウラギンシジミは南方系の蝶で、冬は成虫で越冬することから日本での北限が話題になっています。これまで山形県が北限と言われていたようですが、温暖化のためか最近は秋田県でも見つかるとのことで、その確認が行われているようです。

    その後、18日にムラサキシジミに遭遇した場所を通ったところ、3匹の個体に会いました。2については写真を撮ることができました。
ムラサキシジミ2個体:9月24日撮影
さらに散歩を続け、ツマグロヒョウモンやダイミョウセセリの写真を撮りました。今回撮影したダイミョウセセリには翅の淵にあるはずの白斑がありませんでした。ダイミョウセセリは、大きく関西型(後翅に前翅の白斑とつながる1本の白斑がある)や関東型(後翅に白斑なし)に分類されるようですが、今回出会ったダイミョウセセリは明らかに関東型と思われますが、翅の淵には白斑がなかったので成熟度や個体差などが関与しているのでしょうか。
ヒメアカタテハ(左)とツマグロヒョウモン(右)


ダイミョウセセリ(牛久沼) ダイミョウセセリ(つくば市洞峰公園)
     9月24日撮影         6月1日撮影        
三日月橋を渡ると右側に田んぼがあり、その崖にニラの花がたくさん咲いていました。そのニラの花には様々なハナバチ類がたくさん訪れていて、怖いぐらいでしたがモンキチョウやモンシロチョウも集まっていました。その中に、明らかにモンキチョウのような黒い紋様を持つモンシロチョウがいました。
モンキチョウの白いメス(左)
後で、調べたところモンキチョウの雌の中に白い翅を持つタイプがいるとのことでした。知らなかったです。知らないことが多いです。

2019年9月21日土曜日

シジミチョウとアリの不思議な共生関係


918日に牛久沼付近を散歩しました。牛久駅からスタートし民家の塀沿いを歩いていたところ、白い小さな蛾のような虫が飛んできて差し伸べた手に止まりました。アオバハゴロモでした。幸先がいいぞと思いました。

牛久沼沿いの遊歩道を一通り歩き、小川芋銭が晩年に暮らしたと言われている雲魚亭から再び牛久沼に戻る林沿いの道を歩いていたところ、裏面はヒカゲチョウのように目立たない色彩なのに、表面が鮮やかな青色に見える蝶が元気に飛びまわっていました。時々見える青色が美しく、初めて出会った蝶だったので追いかけて写真を撮りました。
ムラサキシジミ(9月18日)


後で調べたところムラサキシジミのようです。ムラサキシジミの幼虫はアラカシやイチイガシ、スダジイなどのブナ科の常緑樹を食草としているとのことでした。スダジイは牛久沼周辺の林にたくさん生えていて、小川芋銭の河童の碑の側にある大木は「市民の木」に指定されていました。今回の散歩ではムラサキシジミと3回遭遇しました。いまま気づかなかったのが不思議なくらいです。
牛久市の市民の木スダジイ
その後、カタバミ(Oxalis corniculata)が群生する道を歩いていたところ、小さな蝶が足元を飛び交っていたので写真を撮りました。ヤマトシジミのようです。ヤマトシジミは、唯一カタバミだけを食草とする昆虫のようです。カタバミはいわゆる野菜等のアクの一種であるシュウ酸(Oxalic acid)を多く含有する植物として有名ですが、シュウ酸濃度が高いため他の昆虫は食草にできないのかも知れません。ヤマトシジミはシュウ酸を解毒することができるのでしょう。
ヤマトシジミ(9月18日)
カタバミ(Oxalis corniculata
今回の散歩で出会ったムラサキシジミとヤマトシジミの幼虫は、体表から蜜を分泌することによって特定のアリと共生し、他のアリや蜂などから身を守ってもらうとのことです。

最近の研究によるとムラサキシジミの幼虫から分泌される蜜には、アリの活動を活発にする作用を持つ脳内ドーパミンの働きを抑制する作用があることが分かったようです1)。その作用によってムラサキシジミは身の回りにアリを引き付けておくことが可能なようです。他の虫に目移りさせないすごい戦略です。

また、ヤマトシジミも蜜を与えることによってアリとの共生関係を結んでいるようです。でも、こちらの関係はそれほど濃密ではなく時々アリが訪れる程度とのことです。一方、毎回出会うベニシジミは蜜を放出する機能がないので、幼虫の形態をヤマトシジミと似せてアリの訪問を促す作戦をとっているようです。シジミチョウとアリとの共生関係は多様でとても興味深いです。

 アリと共生する虫としてはアブラムシが有名ですが、実はシジミチョウ類ではその約75%の種類がアリと共生し2)、一方アブラムシの共生率は20~30%のようなので驚いてしまいます。でも、シジミチョウの幼虫や蛹に出会う機会はめったにないので、シジミチョウとアリの共生関係はあまり知られていないのだと思います。

 シジミチョウの中には、アリの巣の中で保護してもらう種類や、中には保護されつつアリの卵や幼虫を餌として食べるものもいるとのことなので不思議です。不思議な関係です。アリの巣の中で育ったベニシジミは、巣の入り口で蛹から成虫になると、アリに攻撃されないようすぐさまそこを飛び立つとのことでした。不義理の最たるものですが生きるための行動のようで、少し悲しいシジミチョウです。
 でも、シジミチョウの成虫に出会ってもアリは攻撃しないとする報告もあるので、今後それぞれの種別にライフスタイルに応じたアリとの関係が明らかにされることでしょう。
これまでに出会ったシジミチョウ
左上からムラサキシジミ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、ルリシジミ、ツバメシジミ
これまでに撮ったシジミチョウの写真を探したところ、ルリシジミやツバメシジの写真も見つかりました。これら2種もアリとの共生関係にあるようです。

参考)
1)Masaru k. Hojo et al.: Lycaenid Caterpillar Secretions Manipulate Attendant Ant Behavior., Curr. Biol., 25(17), 2260-2264 (2015)
2) 大村 尚:数種のアリと任意共生を行うシジミチョウ幼虫の化学的適応様式の解明、科学研究費助成事業成果報告書(平成28年)