新型コロナウイルスのオミクロン株が各国で猛威を振るっているようです。これまで感染人数が少ない国として評価されていたオーストラリアでも一日に11万人を超え、日本の人口当たりに換算すると1日の感染者数が53万人にもなったようです。
ヨーロッパでは、フランスの1日当たりの感染者数が30万になっており、日本の人口相当に換算すると58万人にもなるので驚いてしまいます。
こんな状況がどれほど続くのかを知りたいと思い、オミクロン株の発生国である南アフリカと隣国のジンバブエについて調べて見たところ、半月ほどの急激な感染増加の後に感染者数が急に減少していることが分かりました。
Worldometerより |
これまでのワクチン接種等により、ブレークスルー感染者を加えたとしても、容易に感染する人々の数が少ない集団になっているため、感染力が強いことも要因となり、感染可能な宿主が枯渇してしまい、短期間で減少に転じるのでしょうか。
でもオミクロン株は、自然免疫力の強い若い方々への感染能力も獲得して、宿主の数を増やす戦略にも出ているようです。
といっても、実際は新型コロナウイルスがある意図をもって変異している訳ではなくて、感染が困難であったグループにたまたま感染できた変異株が主流になっていくだけなのでしょう。
日本では、沖縄県にオミクロン株が侵入し蔓延しているようです。沖縄県でのこれまでの新型コロナウイルスの感染者数の変遷を調べて見ました。
それによると、α株の蔓延期間が約45日間、デルタ株の蔓延期間が約65日間のようです。
オミクロン株は1月3日から急激に増加しているようですが、南アフリカでの事例のように短期間で減少に転じるのでしょうか。
1月9日の新規感染者数1533人は、日本全体の人口当たりに換算すると13万2千人に相当するので、これまで経験したことのない事態になっているのではないかと心配になります。医療への応援が必要のように感じます。
沖縄県の場合は、オミクロン株の発生国である南アフリカや隣国のジンバブエに比べ、オミクロン株の流入の経緯から推察すると短期間で感染減少に転じるものと期待されますが、軽症者が多いと言われているものの、かなり心配になります。
今が正念場で、日本が経済も維持しつつオミクロン株を無事乗り越え新型コロナウイルスを克服することを願っています。
オミクロン株の感染組織が変わっている等のデータが得られているようなので、これを機会にACE2を始めとするレセプターへの結合しやすさの評価・改変等の知見(1)に加え、細胞膜融合メカニズム(細胞種選択特性)をトロピズム変化の視点で科学的に解明して欲しいと願っています。
参考)
1)Yusuke higuchi et al.: Engineered ACE2 receptor therapy overcomes mutational escape of SARS-CoV-2., Nature Communications 12, 3802(2021)
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