2022年11月8日火曜日

牛久沼への散歩とセイタカアワダチソウ

   11月2日に牛久沼まで散歩しました。

国道6号牛久土浦バイパスの歩道を歩きながら、歩道脇の野草の写真を撮りました。

国道6号線の牛久土浦バイパスの歩道を歩き牛久沼へ

カナムグラやコセンダングサ、オヒシバなど、それぞれの野草の種子が目立ち始め秋の深まりを感じます。

オヒシバの上にはベニシジミが止まっていました。

オヒシバに止まったベニシジミ

ツバメシジミはコセンダングサの花の蜜を吸っていました。

コセンダングサの花の蜜を吸うツバメシジミ

天気が良かったので牛久沼のほとりの景色も綺麗でした。

牛久沼の散歩では、アヤメ苑に設置されたトイレの上の展望台からいつも写真を撮っています。今回は1030分頃の写真ですが、放射冷却で気温が下がり沼にはモヤがかかっていました。

アヤメ苑展望台から牛久沼を望む(11月2日)

 沼のほとりではセイタカアワダチソウの花の写真を撮りました。

セイタカアワダチソウの花

セイタカアワダチソウは帰化植物で在来のススキなどと競合することなどから日本では駆除の対象になっていますが、繁殖力・成長力ともに旺盛なので利用できるといいなと感じます。

でも、岩手に帰ると以前よりセイタカアワダチソウが目立たなくなったように思いますので、ススキやイタドリ、ヨモギなど在来の路地野草も挽回しているのでしょうか。

 セイタカアワダチソウはキク科アキノキリンソウ属(Solidago)に分類され、世界的には様々な類似種があるようですが、日本に生育している種類は北米原産のSolidago Canadensis と記されている場合が多いようです。

 セイタカアワダチソウは名称の由来のとおり泡立ったように見える黄色の花が目立ちますので、その黄色色素について調べて見ました。


 黄色い色はカロテノイドのキサントフィル属の一員のルテインが主体のようです。でも、ほうれん草やマリーゴールドの花に多く存在するオールトランス型のルテインと異なり、主要成分はその立体異性体の9シス, 9’-シス型のようです1)

ルテインの立体異性体の比較

  網膜に蓄積し眼を光から保護するルテインはオールトランス型のようなので2)、少し期待外れでした。

   でも人における消化吸収系ではシス型の方が体内吸収率が高いとのことで、むしろシス型への変換工程に関する研究も行われており3)、体内でのシス・トランスの変換機構について興味を持ちました。ロドプシンのレチナールは光によりシス体からトランス体になった後にシス体に変換されることも分かっているようなので、調べて見たいです。

 その他の機能性成分としてセイタカアワダチソウの葉には、クロロゲン酸とルチン、ケンフェロール配糖体が比較的多く存在するようです4)

   海外では観賞用としての改良のため、花にアントシアニン合成遺伝子を導入した組換え体の作成も行っているようです5)

 セイタカアワダチソウやアキノキリンソウは食用にもなるとのことで、日本でもネット上の話題では、春先のロゼット葉や若芽、若い花穂などを食べた例があるようです。 

 私はまだ試していませんけれど。

 

参考)

1)Gyorgyi Horbath et al.: Separation and Identification of Carotenoids in Flowers of Chelidonium majus L. and Inflorescences of Solidago canadensis L., Chromatographia 71, 103-108(2010)

2)Frederick Khachik et al.: Transformations of Selected Carotenoids in Plasma, Liver, and Ocular Tissues of Humans and in Nonprimate Animal Models., IOVS, 43(11), 3383-3392(2002)

3)本田真己:シス異性化による物性変化を利用したカロテノイド加工の効率化、日本食品工学会誌、21(1),1 -10(2020)

4)Iman M. El-Sayed et al.: Molecular Characterization and Positive Impact of Brassinosteroids and Chitosan on Solidago canadensis cv. Tara Characteristics., Horticulturae 2020, 6, 100.

5)Oded Skaliter et al.: Ectopic Expression of PAP1 Leads to Anthocyanin Accumulation and Novel Floral Color in Genetically Engineered Goldenrod (Solidago canadensis L.)., Frontiers in Plant Science, 2019, 10, 156.

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