2020年2月25日火曜日

薬王院コースで筑波山に登山しました


2月21日は快晴だったので筑波山に登山しました。今までは、筑波山神社やつつじヶ丘からの登山でしたが、今回は筑波山神社の裏側に当たる真壁町側から登山することにしました。

真壁町側にも複数の登山口があるようですが、とりあえず薬王院コースを選択し、つくし湖周辺を探索した後に薬王院に向かい、薬王院の第3駐車場(筑波山登山者用の駐車場)に車を駐車し登山を開始しました。

薬王院の庭(2月21日)
薬王院参道前にあるつくし湖は人造湖ですが、釣り禁止の立て札があり、湖の岸辺にはカモがたくさん陣取っていました。また、これまで見たことのない鳥がいたので写真をとりましたが、後で調べたところ「カワウ」のようです。結構たくさんいました。
薬王院登山口の途中にあるつくし湖のカワウ(2月21日)

今回は、登頂にどの程度の時間がかかるのかも調べてみました。薬王院の登山口から20分程歩くと舗装道路を横切りましたが、それ以降は階段が延々と続いていました。結構きつい登山でした。

薬王院登り口から21分で舗装道路を横切る
御幸ヶ原まで66分かかりました。登山道路の周りにはアオキが赤い実をつけ和ませてはくれますが、やはり冬の登山は殺風景だと思いました。


 
 御幸ヶ原の食堂でソバを食べた際に、おじいさんに声を掛けられたので、新緑が待ち遠しいと話したところ、「葉が落ちた冬のほうが景色がいいよ」と言われハッとしました。冬には冬の良さがあり、ゆっくり景色を見ながら登山するように諭されたように思いました。結構ガムシャラな登山でした。

御幸ヶ原から男体山頂上に登り、自然研究路を経て景色を見ながらゆっくりと薬王院の駐車場に戻りました。


今回はつくし湖の駐車場が混んでいたので、空いていた場所に急いで車を駐車したのですが、そこに朽ち果てたテーブルがあり、それを知らずにバックドアを思いっきりぶつけ、大きくへこませてしまいました。一か所だけ、スペースが空いていたのは、後ろにテーブルの残骸(支柱)があったからだった訳です。残念でした。登山を止めようかなとも思いましたが、気を取り直して無事登ることができました。



2020年2月24日月曜日

曖昧だったアズキ(小豆)の紫色素が解明された


昨年(2019年)は黒大豆とアズキ(小豆)を多めに栽培し、それぞれ約11.5㎏と6㎏収穫しました。両者とも抗酸化物質のポリフェノール色素に富むということで注目されていますが、黒大豆についてはその色素がシアニジン3-グルコシド(クリサンテミン、クロマニン)であることが既に分かっているものの、アズキ(小豆)の色素については曖昧でその解明が待たれていました。

実は幸いにも昨年(2019年)、アズキ種皮の色素に関する研究報告が出され、曖昧であった色素が新規物質であることが判明しました1)発見者らによって、その新規物質は「カテキノピラノシアニジン」と命名されました。
各種豆類種皮の色素成分
(アズキの色素が2019年に解明された)
名前から類推されるとおり、茶の苦味成分(抗酸化成分)として良く知られているカテキンとアントシアニンに属するシアニジンが1分子ずつ結合した物質のようです。カテキンには立体異性体が存在しますが、カテキノピラノシアニジンを構成するカテキンには、()-カテキンと(-)-エピカテキンの2種類が存在し、()-カテキンの場合はカテキノピラノシアニジンA(-)-エピカテキンの場合はカテキノピラノシアニジンBと命名されています。含有量は、Aの方がかなり多いことも分かっています1)

この化合物は、水に難溶性であるためアズキの漉し餡に残存し、漉し餡が紫色に染まる原因物質になっているとのことです。アズキの漉し餡の綺麗な紫色はカテキノピラノシアニジンA,Bによることが分かった訳です。一方、このカテキノピラノシアニジンは光酸化により容易に無色の物質に変化することも明らかになっていますので、餡の製造や保存方法についても重要な指針が得られたことになります。
アズキ漉し餡の紫色素カテキノピラノシアニジンの光酸化
  一方、アズキ種子の色は漉し餡の色と異なり赤味が強くなっていますが、これはアズキ種皮に存在する縮合型タンニンのプロアントシアニジンが少し酸化されることによって形成された赤褐色色素が影響しているためと思われます。多くの有色豆類の種皮にプロアントシアニジンが存在することは良く知られています2)
各種有色豆類のプロアントシアニジン含有量
有色豆類の表皮の色を決定する色素類

有色豆類との類似例として有色玄米について調べてみたところ、赤米糠層にはプロアントシアニジンが多く含有され3)アントシアニンは極めて微量存在する程度のようで、長期保存等のようなプロアントシアニジンが酸化され易い条件で赤味が増すことも確認されています。また、紫黒米には黒大豆と同じようにアントシアニンのシアニジン3-グルコシドが多く含有されプロアントシアニジンはほとんど無いことも分かっています。
有色玄米の色素形成要因の品種別含有量
(赤米にはアントシアニンがほとんど無い)
(紫黒米のプロアントシアニジン含量は極微量)
有色玄米の表皮色素の組成

 赤味を呈するプロアントシアニジン酸化物は、たぶん多成分でありかつ重合反応が生じているため単離と構造決定はかなり困難であると予想されます。

色が重要な紅茶に例えれば、カテキノピラノシアニジンはテアフラビンで、タンニン色素は水溶性赤色色素のテアルビジンに相当することになるのかも知れません。



参考)
1)Kumi Yoshida et al.: Structure of two purple pigment catechinopyranocyanidins A and B from the seed-coat of the small bean , Vigna angularis., Sci. Rep., 9:1484(2019)

2)沖 智之ら:DMAC法による豆類中の総プロアントシアニジンの定量法、日食科工誌、60(6)3013092013

3)Kenji Hosoda et al.: Anthocyanin and proanthocyanin contents, antioxidant activity, and in situ degradability of black and red rice grains. Asian-Australasian J. Anim.Sci., 31(8), 1213-1220 (2018)

2020年2月21日金曜日

手抜き菜園における豆類の収穫量


2月13日から2月15日(土)まで岩手に行ってきました。数日前から気温が上がり岩手では雨が2日間降りました。岩手山は雪化粧でしたが、田畑の雪はいつもより少ないようです。
冬の岩手山(2月15日)
昨年栽培・収穫した豆類を整理した結果、紅花豆は1.6㎏ありましたが、白花豆は僅か400g程度でした。白花豆の栽培本数は紅花豆の半分でしたので、収量率は紅花豆の半分程度ということになります。
紅花豆や白花豆など昨年の収穫物(kg)
123日に函館に行った際、市場で販売されている紅花豆と白花豆を見ましたが、粒の大きさはほぼ同じ程度でしたので少し安心しました。今年もこれら花豆類の栽培に挑戦しようと思いました。

そのほかに、小豆が6㎏、大豆2㎏、黒豆11.5kg、茶豆4.2㎏、鞍掛豆2.6㎏、さらにつる性の虎豆が1.8㎏収穫できました。

無農薬栽培なので、どの豆にも虫による食害粒があるので、その選別作業が大変でしたが薪ストーブで暖をとりながら、年末から年始まで一人で楽しく作業することができました。


黒豆と小豆は正月に調理し家族で食べましたが、その他の豆は機会を見てこれから調理してみたいと思っています。

昨年は豆類のほかに、ジャガイモやトマト、カボチャも栽培しましたが、カボチャが結構たくさん収穫できたので、10月末から2月まで岩手にほったらかしにしておいた所、半分以上が腐っていました。1月の始めまでは大丈夫だったのに残念です。長期保存は難しいようです。

 その内、「すくなカボチャ」のような細長い形をしたカボチャには斑点がたくさんできていました。斑点を良く見ると、様々な色が円状に重なっていて「きれい」とは言いにくいのですが、興味のある模様になっていました。
腐敗したカボチャ(2月13日)
 健全なカボチャは、一口大に切断して冷凍することにしました。

 まだまだ岩手での農作業はできないのですが、牛久は梅も咲き始めたので、そろそろ来年の計画を考えたいと思っています。


2020年2月11日火曜日

牛久沼周辺で越冬中のウラギンシジミに会いました


2月8日に牛久駅経由で牛久沼から三日月橋を渡り桜の小径を周るコースを散歩しました。約13㎞、3時間かかりました。

雲魚亭から河童の碑を経て牛久沼に向かい歩いていたところ、蝶々が飛んでいるのを目撃しました。2月7日には牛久市で-6℃を記録しているので、越冬中の蝶々が飛ぶことはないだろうと思っていましたが、天気が良かったせいなのでしょう。でも意外でした。道端の木の葉に止まったので写真を撮ることができました。ウラギンシジミの雌でした。もっと近くで見たかったのですが、数回頭上を飛び回り林の中に消えてしまいました。

牛久沼周辺のウラギンシジミの雌(2月8日)
以前、ウラギンシジミの雌の死体を拾い保存していますが、それよりも斑紋が明瞭でした。
道端で拾ったウラギンシジミの死体(1月17日ブログ掲載)
アヤメ苑には一匹のダイサギと渡り鳥のツグミがいました。また、相変わらず稲荷川周辺にはたくさんのスズメが集まりにぎやかに騒いでいました。
牛久沼のダイサギとツグミ、スズメ(2月8日)
三日月橋生涯学習センター付近で野良猫を見つけたのでカメラを向けたところ、素早く逃げていきました。なかなかユニークな顔をしていました。
三日月橋周辺にいた猫
農家の庭先にある梅の木にはもう花が咲いています。郷里の岩手は、たぶんまだまだ寒く雪に覆われていると思いますが、牛久はもう春の気配です。
牛久沼周辺の農家の梅の木(2月8日)
春を待つ桜の小径(2月8日)
 平凡な散歩ですが、いつも心に残るものがあり楽しみにしています。


2020年2月9日日曜日

筑波山御幸ヶ原の野良猫の写真


2月5日に筑波山に登りました。いつもは家族と一緒なのでつつじヶ丘の登山口から登るのですが、今回は一人登山だったので御幸ヶ原コースにしました。ケーブルカーの側を登る直登コースで所要時間は90分とのことですが、景色も気にせず老体に鞭打ってひたすら頑張って登ったところ60分弱(1046分~1141分)で御幸ヶ原に到着しました。きつかったです。

平日だったので御幸ヶ原にはあまり観光客はいませんでしたが、つつじヶ丘から登ってきたと思われる幼稚園の子供グループが、数人の先生を囲んで休んでいました。雲一つない快晴の下、爽やかな瞬間でした。

あたりを見渡したところ、一匹の猫が目に留まったので写真をとりました。800mを超える厳しい環境の中で生き抜いてきた経歴が顔に垣間見え、なかなかの風格です。食べ物を広げているおじさんの前で、前足を揃えて座っていました。
ジーと見つめると、この親分猫の手下にされそうな気がします。
筑波山御幸ヶ原の猫(名前はまだない)
晴天下の筑波山(2月5日)
筑波山の登山コース
これまでの筑波山登山では女体山を目指して登っていましたが、今回は男体山に登り、さらに春に向けて自然研究路を下見することにしました。自然研究路は男体山山頂を取巻く散歩コースですが、御幸ヶ原から少し歩いたところに間宮林蔵が青年の頃に良く登っていたといわれている立身石がありました。石の上は数人が座れる程度の狭い空間でしたが、さすがに眺めはすばらしく、果てしない関東平野が続いていました。眼下に故郷を眺め決意を固める青年の想いが伝わってきました。
間宮林蔵 立身石からの眺め

自然研究路には、筑波山に生えている樹木や、草花、鳥、昆虫などの紹介看板が設置されていました。子供から大人まで楽しめるように思いました。

これまで、筑波山や宝篋山に登山するたびに草花や昆虫の写真を撮っていましたが、図鑑などを見ても名前の分らないものが結構ありましたので、これからはこれらの紹介看板を見ながら、目当ての草花などを探してみたいと思いました。

蝶々を紹介した看板では、アサギマダラとミドリヒョウモンが掲載されていましたが、アサギマダラとは宝篋山で10月に遭遇しました。
筑波山自然研究路の看板のアサギマダラ
また、ヒョウモンチョウ類としては、8月に女体山山頂でツマグロヒョウモンの群れに会いました。ツマグロヒョウモンの雄が群れをなして頭上を飛び交う様は圧巻でした。ミドリヒョウモンには会っていませんので今後が楽しみです。
自然研究路看板のミドリヒョウモンと女体山頂のツマグロヒョウモン
宝篋山で名前の分らないフキバッタの写真を撮っていましたが、これはヤマトフキバッタかも知れません。写真の方は尾が短いので幼体なのでしょうか。また、探してみたいと思っています。
筑波山のヤマトフキバッタ
筑波山では215日から梅祭りが始まるようです。正月から世界を震撼させているコロナウイルスが一刻も早く制圧されることを願っています。

2020年1月31日金曜日

電気エネルギーを水素として蓄える


前回書いた、シアノバクテリアを砂にまぶして固めて造った「生きて増殖するコンクリート(レンガ)」のアイディアは面白いと思いました。物理的な刺激(地震など)でコンクリートに亀裂ができてもコンクリートが自ら修復すると見込まれているので、地震の多い日本にうってつけの素材のような気がします。科学技術の進展はすごいと思いました。
生きて増殖するコンクリートの製造
加えて、最近特に気になっているのはエネルギー問題です。もしもの話ですが、「エネルギーがふんだんにあり、皆がエネルギーを自由に無料で使える社会になったら」どうなるか、卑近な話題に換言すれば「電気料金が無料になったら」どうなるのでしょうか。 

当然自動車は電気自動車になるものと予想されます。小型オスプレーのようなドローンタクシーが活躍することになるかも知れません。AIを搭載したロボットが働くようになるので、生活費は国が支給することになり人間は働く必要がなくなり、志願した人だけが仕事を得て働くことになるのかも知れません。

と言っても実際は人口問題が立ちはだかり、地球上で暮らせないほど人口が増加する可能性もあるので、実は未来は全く不透明です。

でも確かなことは、科学技術が限りなく発展することです。地球にふりそそぐ太陽エネルギーは莫大です。人間を始めとする動物や植物はその数パーセントを享受し生命を維持しているわけですが、太陽光発電が発展しそれを電気に変換してリチウムイオン電池等次世代の蓄電池(二次電池)が開発され普及することになれば、電気料金を可能な限り0円に近づける政策を実施する国が現れる可能性があるのではないかと思っています。

最近、水素を安定な有機化合物として蓄える技術が注目され始めています。有機化合物のトルエンに水素を添加してメチルシクロヘキサン(MCH)に変換し、これを水素貯蔵体として活用する技術が実用化されているようです1)
水素貯蔵体としてのメチルシクロヘキサン
水素は、水の電気分解によって得ることができます。太陽光発電で水から水素を発生させ、それをシクロヘキサンとして蓄えることが可能になった訳です2)

このメチルシクロヘキサンを水素電池の水素源として利用することも可能ですので、トルエンとメチルシクロヘキサンのループと太陽光発電・水素電池を組み合わせた二次電池パッケージの構築が可能のように見えます。
太陽光発電による電気の水素としての貯蔵とその利用システム
トルエンとMHCはガソリンと同じように扱うことが可能とのことですので、期待が膨らみます。

参考)
1)岡田佳巳:水素エネルギーの大規模貯蔵輸送技術、J.IEIE Jpn. 36(4), 238(2016)
2)http://www.todaishimbun.org/co2free20190405/ 水素の輸送に必要な物質を安価に製造.

2020年1月27日月曜日

自己増殖するコンクリートの開発(ストロマトライト)


冬の散歩では草花や昆虫に出会うことが少なくなるので、昨年から普段はあまり注目することのない地衣類にも目を向けることにしています。岩にべったりと付着して成長する地衣類の生命力にはいつも感心させられます。すごいです。
岩に張り付いて成長する地衣類
子嚢菌とシアノバクテリアの共生体
地衣類は菌類(主に子嚢菌)とシアノバクテリアなど光合成ができる緑藻類との共生体ですが、シアノバクテリアは大気の二酸化炭素を有機物に変換し地球に酸素を供給した生命体として、特に地球温暖化が叫ばれる昨今は注目されるようになりました。

シアノバクテリアは二酸化炭素を有機物に変換すると同時に炭酸カルシウムとしても固定する能力も持っているとのことなのでさらに期待が高まっています。
シアノバクテリアによる有機物合成と炭酸カルシウムの形成
炭酸カルシウムはセメントでもあることから、シアノバクテリアは長い年月を経て自ら分泌した粘液で砂などを囲い込みストロマトライトと呼ばれる岩石を形成できるとのことです1)。シアノバクテリアによって形成されたストロマトライトは、成長増殖できる「生きている岩」とも呼ばれ、その成長速度は年に0.3mm程度と言われています。
生きている岩(ストロマトライト)とその岩石

 このシアノバクテリアの能力を生かした「生きているコンクリート」、「増殖するコンクリート」の開発が最近話題になっています。米国の研究者が成長の早いシアノバクテリア(synechococcus strain PCC 7002)を培養しそれに砂を混ぜて光合成を行わせ、生じた炭酸カルシウムをセメント代わりにして成形し、レンガ状のコンクリートを造ることに成功したようです2
砂と培地およびシアノバクテリア混合物から形成された「生きているコンクリート」
このコンクリートは自己増殖できるとのことですので、人間が開発した成長の早いストロマトライトということが出来るのかも知れません。今後さらに研究が発展することによって、建築資材等としての利用が可能になる見込みのようです。

ここで使用しているsynechococcus strain PCC 7002は、増殖が速いので遺伝子組み換えによるイソプレンやテルペノイド等の「有機合成のスターター」の生産を目指した研究もおこなわれているようです3

光合成のできる微生物は、光エネルギーを蓄積できる存在でもある訳なので、今後の利活用に期待が膨らみます。



参考)

1)山本 純之、磯崎 行雄:ストロマトライト研究の歴史と今後の展望、地学雑誌、122(5)791-806(2013)

2)Chelsea M. et al.: Biomineralization and Successive Regeneration of Engineered Living Building Materials., Matter 2, 1-14(2020)

3)Fiona K. Davies et al.: Engineering limonene and bisabolene production in wild type and glycogen-deficient mutant Synechococcus sp. PCC 7002., Bioengineering and Biotechnology, 2, 1-11(2014)

2020年1月26日日曜日

牛久沼周辺の鳥類とツバキの色素について


 1月24日に牛久沼まで散歩しました。曇りでしたが牛久沼は風もなく穏やかで、三日月橋付近には2匹のアオサギがいました。いつも稲荷川にいる2匹のハクチョウは、川から抜け出し田んぼのあぜ道を歩いていました。よちよち歩きなので少し滑稽に見えます。
牛久沼のアオサギとハクチョウ(1月25日)
   また、いつものようにオオバンは数匹が群れになり、ゆったりと泳いでいました。
稲荷川のオオバン

 今回特に目立ったのは、河原にいた鈴なりのスズメでした。にぎやかに騒いでいました。
河原にいた鈴なりのスズメ

 のんびりとした散歩でしたが、河童の碑付近の林にはかなりの本数のヤブツバキがあり、花が地面に落ちていました。ヤブツバキの種類の中には、花弁が紫になる「千年藤紫(センネンフジムラサキ)」という種類があるそうなので、もしかしたらと思い、丁寧に見て歩きましたがありませんでした。特別な種類なのかも知れません。
牛久沼周辺のヤブツバキ
 この品種の花色は不安定で、継続的に綺麗な紫色に咲かせることが困難だったことから、花弁が紫色になるメカニズムに関する研究が行われたようです。

それによると「千年藤紫」の花の色素であるアントシアニンは普通のヤブツバキと同じで、シアニジン3-ガラクトシドが最も多く次いでシアニジン3-グルコシドとそのパラクマル酸エステルからなっており、紫色を発現するために唯一異なる点は花弁中のアルミニウム含量が高いことだったとのことです1)
ヤブツバキのアントシアニン
土が酸性でアルミニウムイオンが根から良く吸収される条件になると、紫の花が咲くということが分かったようです。普通のヤブツバキも酸性条件下でアルミニウムイオンが供与されると紫色になるのかどうか興味がわきました。

青色に咲くアジサイでもアルミニウム含有量が鍵になっており、アジサイの場合はシアニジンより水酸基が一つ多いデルフィニジン配糖体が主体のようですが、これにアルミニウムが結合しさらにキナ酸誘導体が関与して青色が形成されることが明らかになっていました2)
アジサイの青色色素 (参考2より引用)
この研究グループは紫つゆ草の青色色素コンメリンや矢車草、朝顔等の青色色素等の極めて複雑な構造の解明にも成功しているので、共同研究が行われれば、ヤブツバキの「千年藤紫」の紫色素の完全構造も近いうちに解明されることになると思っています。



参考)

1)Natsu Tanikawa et al.: Aluminum Ions are Involved in Purple Flower Coloration in Camellia japonica “Sennen-fujimurasaki”., The Hort. J. 85(4), 33339206

2)Ito T. et al.:Direct Observation of Hydrangea Blue-Complex Composed of 3-O-Glucosyldelphinidin, Al3+ and 5-O-Acylquinic acid by ESI-Mass Spectrometry. Molecules 23(6), 1424(2018)


2020年1月19日日曜日

牛久沼周辺でヤママユガ科のウスタビガの繭を見つけました


  1月11日に牛久沼周辺を散歩した際にヤママユガ科のウスタビガ(Rhodinia fugax)の繭を2個見つけました。緑色の綺麗な繭でした。確か小さい頃にも見た記憶があります。「ヤマビコ」と呼んでいたと思います。ヤマビコなので、大きな声で叫ぶとこの繭がコダマを返すのだと思っていた時期があったように思います。
ヤママユガ科のウスタビガの繭

 今回は、春になったらきっと繭の中の蛹が蛾になって飛び出すに違いないと期待し、少しためらいがありましたが2個とも家に持ち帰りました。

 でも調べてみたところ、この繭の中の蛹は秋には成虫になって繭から飛び出し、卵で越冬するようです。提灯のように釣り下がっている繭の上部を開いて中を覗いてみたところ、確かに抜け殻らしき残骸だけが残っていました。全く知りませんでした。
ウスタビガの繭の様子(空になっている)

 言われてみれば確かに軽く、繭を振ってみても蛹の感触がありません。思い込みだけはしたくないといつも思っているのですが、残念です。

 日本には、カイコ(家蚕)のように繭を造る野蚕が結構いるようで、ヤママユ(天蚕)については現在も飼育している生産者やグループがおられるようです1)。でも、繭が小さいのでウスタビガの利用はほとんど行われていないようです。ウスタビガの繭はヤママユ(天蚕)とともに綺麗な緑色をしていることから、その色素に関する研究が現在行われていました。


実は、カイコ(家蚕)も本来はそれぞれ黄色や緑色あるいは褐色等の色付き繭を造る特性を持っていたそうで、突然変異体である白色の繭が日本では好まれ定着し現在に至っているとのことでした2)
様々な色のついた本来のカイコの繭(白は突然変異体)

 ヤママユの繭の色素に関する最近の研究3)によると、鮮やかな緑色になるためには光が必要で、薄暗い場所で形成された繭は黄色になるとのことです。明所下で形成される色素はビリン系色素の青色色素ビルベルジンで、これが黄色のフラボノイド(餌由来)と共存することによって、鮮やかな緑色になるとのことです。

 青色のビルべルジンはヒト等では赤い血液色素であるヘムの分解によって生じ、最終的には黄色のビリルビンとなり排出されますが、ヤママユやウスタビガの繭では、詳しい生成経路は不明ですがビルベルジンがビリルビンに還元されていないようです。
血色素ヘムの酸化分解によって生じる青色色素ビルベリジン
 人の赤ちゃんでも、ビルベルジンがビリルビンに還元されず、緑色の便が出ることがあるそうです。同じように青い糞をする鳥もいるとのことです。



参考)
1)鈴木 幸一:蚕糸・昆虫バイオテック、82(2)、69-71(2013)
2)横山 岳:シルクレポート、2014.1118-20
3)Yamada H. et al.: J. Insect Physiol., 50(5), 393-401(2004)


2020年1月17日金曜日

牛久沼の散歩と老いらくの青春(朽春)


  1月11日に牛久沼まで散歩しました。12月にも勿論牛久沼まで散歩したり岩手に出かけたりしましたが、パソコンのトラブル(交換)や孫のトラブルなど様々な荷物が積み重なり、結局12月はブログを書く意欲が生まれず、今回久しぶりの書き込みになりました。

 音楽が好きなのでユーチューブを時々サーフィンしますが、そんな事情の中で尾崎豊の歌を初めて聞きました。若くして他界されたことは知っていましたが、世代が違うこともあり彼の歌を聴くことはこれまでありませんでした。パソコンから流れる「僕が僕であるために」の歌には、青春の痛みと優しさがあり「優しさを口にすれば、人は皆傷ついてゆく」という歌詞が心に響き、青春時代の息苦しさと歯がゆさが伝わってきました。

活動休止後のリバースを共に戦いアイソトープ社の設立に関わった幻冬舎の見城社長の、尾崎豊の死に接した際の素直な感情表現には驚きましたが。それはさておき、歌に共感した私の心は今、70歳の青春なのだろうかと思った程です。それなりに、どうしようもない歯がゆさで地団太を踏むしかない自分は、「このていたらく」としか言わざるを得ない年齢になってしまっている訳なのですが。青春はおこがましいので終春、ありは朽葉色から「朽春(きゅうしん)」とでも呼ぶことになるのだろうか。朽ちることへの漠然とした不安。身をまかせれば平安になることを分かりながらも。ふと考えてしまう。

 牛久沼への散歩の際には、いつも雲魚亭の庭の木々の隙間から牛久沼の写真を撮っています。今回は、初めてのことですが一人の漁師が乗った一艘の小舟が見えました。なんだか幻想的な風景でした。漁師は時々網を引き揚げていました。
雲魚亭から見た牛久沼(1月11日)

牛久沼の周囲に生えた椎の木からはドングリがたくさん落ちていて、寂しさを感じますが、結構ヤブツバキがたくさんあり花が見ごろになっていました。道端には日本水仙も咲いていました。
ドングリとヤブツバキ、日本水仙

不思議に思ったのは「ウラギンシジミ」のことです。

牛久沼から三日月橋を渡り「桜の小径コース」を歩いていたところ、林に面した道端に小さな白いものが見えたので、近づき良く見たところ羽を閉じた「ウラギンシジミ」の死骸でした。ウラギンシジミは羽を閉じて葉に止まることが多く、しかも素早く飛び去るので、飛び去る際にキラリキラリと見える赤い表の羽がとても印象的で、いつも気にかけていた蝶でした。これまでに数回写真を撮っています。
道端で拾ったウラギンシジミの死骸(1月11日)

 ウラギンシジミがカメラを持った私の手に一度止まったことがあります。思わず強く握ってしまい、動けなくなったことを後悔した経験があります。

今回は、ウラギンシジミの死骸をそっと拾い上げましたが、傷つけずに保管するための容器等は持ち合わせていませんでしたので、しばらく手のひらに乗せて歩いていたところ、なんとCDの薄いビニール袋が道路の真ん中に落ちていて、その中にスルーっと収めることができホットしました。偶然のことでした。300円の定価シールが貼ってありました。

自宅に戻り、ウラギンシジミをビニール袋から取り出し、閉じた翅を広げて見たところ表翅は赤色ではなくて黒色でした。雌のようです。
拾ったウラギンシジミ(雌)の死体
ウラギンシジミ(雄)

これまで出会ったウラギンシジミの表翅はみんな赤色でした。つまり雄だけを見ていた訳ですが、今回初めて黒色の雌に出会うことができました。死骸でしたが何となく親近感を感じ、机の引き出しの中にしまっています。

昆虫のコレクションは全くなかったのですが、ウラギンシジミの雌が最初の昆虫コレクションになりました。