2022年5月11日水曜日

八幡平市安代町の不動の滝の桜とエフェメラル

   5月2日に八幡平市安代町の不動の滝に行ってきました。不動の滝は、高さ15m程で「日本の滝百選」にも認定されているようです。

八幡平市安代町の不動の滝(5月2日)

 不動の滝では昨年7月に、蝶々の「コムラサキ」に出会うことができましたので、また何か珍しい発見があるのではと期待しました。

ここには、むかしの神社の雰囲気がそのまま残っているような気がして、いつ訪れても懐かしく感じます。

 今回は、丁度さくらが満開で大型連休ということもあり、結構多くの方々が訪れていました。桜の名所だったとは、実は知りませんでした。

八幡平市安代町不動の滝の桜(5月2日)

 滝の下には遊歩道があり、木々が芽吹く前の訪問でしたので、遊歩道の周りの林床にはカタクリやキクザキイチゲなどの群落があちこちに見えました。

八幡平市安代町不動の滝の遊歩道(5月2日)

 カタクリの花を良く見ると、花弁が6片ありその基部にW字の文様がありますが、その形や色合いが花によって異なっていました。今まで、注目したことはありませんでしたが、なんだか面白です。

 

カタクリの花の花弁基部のW文様

地域によって異なるエコタイプ、あるいは個別に遺伝的な違いなどがあるのでしょうか。

 キクザキイチゲに似た花の開き方にも特徴があるように感じました。ヤブイチゲなのでしょうか。

不動の滝のヤブイチゲ?

 その他にエンレイソウもたくさんありましたし、葉が大きな大葉のスミレもたくさん咲いてました。

不動の滝のエンレイソウ

不動の滝の大葉のスミレ

 また、センボンヤリの花も見つけました。

不動の滝のセンボンヤリ

 その他に、名前の分からない花が結構ありましたが、その中でムラサキケマンに似ていて、ムラサキケマンよりも小さく可憐な花が咲いていたので写真を撮り、後で調べたところ「エゾエンゴサク」であることが分かりました。綺麗な色でした。

不動の滝のエゾエンゴサク

 雪解け直後の春の訪れを知らせて消えるたくさんのエフェメラル類を見学することができ楽しかったです。

 安比高原の「ブナの駅」にもいきましたが、ブナの駅周辺は標高600mぐらいあるので、ブナ林はまだ雪に覆われていましたが、雪が解けた草原にはキクザキイチゲが咲いていました。

安比高原「ブナの駅」のブナ二次林(5月2日)

 雪があちこちにあってもものとせず、小さな男の子は昆虫網を持って、両親の少し前を元気に歩いていました。

 岩手では毎年春が待ち遠しいです。

2022年5月10日火曜日

早春の盛岡市高松公園での散歩

    盛岡市での用事を済ませ4月28日に盛岡市高松公園に行ってきました。高松公園は岩手公園(不来方城址)とともに盛岡市では最も親しまれ利用されている公園のひとつで、「日本さくらの名所100選」に選定されているようですが、残念ながら桜の花は散っていました。

高松公園は高松の池を中心にして整備された公園で、池には他の池と同様に鴨もたくさんいましたが、鯉の大きさに驚きました。岸までたくさん近寄ってきました。

 公園の入り口から少し入ったところに、平和記念像「のぞみ」がありました。若い父親が子供を抱いている姿に平和を感じました。

高松公園の平和記念像「のぞみ」

 ウクライナにも今すぐこの記念像の家族のような平和の時が訪れるよう望みます。

高松公園の風景(4月28日)

 池を一周しましたが、平和記念像の対岸の池のほとりに「源平花桃」が咲いていました。一つの枝に白い花とピンクの花が咲いています。

高松の池ほとりの源平花桃

 白い花ではピンクや赤色の色素源であるアントシアニジンを、水に溶解しない不溶体から可溶体のアントシアニン(アントシアニジン配糖体)にするための糖結合酵素に変異が生じており、その活性が弱くなっているとのことです1)。そのため、結果的に赤色色素を液胞に蓄積できないようです。

   「キメラ咲き」とも呼ばれるようです。異なるもの同士が共存することで、その美しさが際立っています。

 白花のキクザキイチゲやムラサキサギソウも遊歩道脇で静かに咲いていました。若い頃住んでいた静岡県で、ムラサキサギソウが田んぼ一面に咲いていたのを思い出しました。その際に、この草花の名前を覚えました。

高松公園のキクザキイチゲ(4月28日)

高松公園のムラサキサギソウ(4月28日)

 高松の池の奥は、旧盛岡競馬場の跡地に整備された盛岡市エコアス広場に繋がっていました。広場からは岩手山が綺麗に見えました。広い公園だな~と感心しました。

盛岡市エコアス広場(4月28日)

 エコアス広場から公園の出口に戻る途中、牡丹園の近くにある東屋で休憩していたところ、黒い蝶々が飛んで行くのが見えました。

 追いかけてどうにか写真を撮りました。ルリタテハでした。

高松公園のルリタテハ(4月28日)

 同じエリアにシータテハも飛んでいました。


高松公園のシータテハ(4月28日)

 高松の池は、昔天然のスケートリンクになっていたようです。昭和33年には冬季国体(スケート)と全国高校スケート大会が開催されたとのことです。でも、今はもうリンクができないようです。

 半世紀ぶりの訪問でしたが、さらにきれいに整備され、当時よりかなり大規模な公園になっていました。

北山方面への散歩コースもできているようなので、機会があれば遠くまで歩いて見たいと思っています。

 

参考)

1)Xinxin Wu et al. : UFGT: The Key Enzyme Associated with Petals Variegation in Japanese Apricot., Front Plant Sci., 2017, 8, 108.

2022年5月9日月曜日

八幡平アスピーテラインの雪の回廊と積雪期の八幡沼と黒谷地

  八幡平のアスピーテラインが4月15日、樹海ラインが4月22日に開通したので、4月21日と25日に八幡平山に出かけました。

 21日は雪の回廊を見るため松尾八幡平ビジターセンターからアスピーテラインで秋田の環境省大沼ビジターセンターまで往復しました。

 25日は雪に覆われた八幡沼や八幡平山頂上、ドラゴンアイで有名な鏡沼など積雪期の八幡平を歩いて見ました。

 夏から秋のシーズンに良く登った茶臼岳と畚岳(もっこだけ)の冬山登山にチャレンジしたいと思っていたのですが、天候との相性が悪く果たせませんでした。

 松尾八幡平ビジターセンターからアスピーテラインを車で登ると、松尾鉱山跡地の手前まで綺麗な白樺林が続き、次いで地熱発電所のある御在所地域からは雪に覆われた茶臼岳が良く見えましたが、道路脇の雪はそれほど多くありませんでした。

松尾八幡平ビジターセンターから八幡平頂上レストハウスへ

 御在所地域から八幡平頂上に向かう標高の高い道路には、ところどころ雪の回廊ができていました。背丈の3倍もありそうな雪の壁もありました。

 道路沿の展望台で時々景色を眺めながら八幡平山頂レストハウスまで行き、そこで休憩した後秋田方面に向かいましたが、大深沢展望台からの畚岳(もっこだけ)の眺望がスッキリとしてとても綺麗でした。

八幡平頂上レストハウスから環境省大沼ビジターセンターへ

その後、蒸ノ湯温泉や御所掛け温泉を通り過ぎ、環境省の大沼ビジターセンターで引き返し松尾八幡平に戻りました。

山頂レストハウスから大沼までの雪の回廊も見応えがありました。天候にも恵まれ楽しいドライブでした。

 25日は駐車場で登山靴に履き替え、八幡平山頂レストハウスから八幡平頂上を目指して歩きました。八幡平頂上までのコースには急坂がないので、アイゼンやスノーシューなしでも踏み後に沿って安全に歩くことが出来ました。冬山は何より安全が第一です。

 白銀の中に八幡沼がすっぽりと収まっていました。木々に覆われている夏秋のシーズンとは全く異なる印象でした。

冬の八幡沼と秋の八幡沼(10月14日との比較)

 湖の傍にある陵雲荘までは行きませんでしたが、利用している登山者もいるのでしょうか。

 その後八幡平頂上の展望台に登りましたが、その周辺を整備している方々がおられました。ありがたいです。

ガマ沼から八幡平頂上へ

 頂上からドラゴンアイで有名な鏡沼に向かいましたが、2m以上もある雪の上を歩いているので、いつもとはまるで景色が違いました。鏡沼はたくさんの雪に覆われていました。でも、普段はとても行けそうもないところまで近寄って湖を眺めることができました。この時期にしかできない体験だと感じました。

雪に覆われた鏡沼(4月25日)

 6月にはドラゴンアイが出現するのでしょうが、訪問は難しいです。残念。

 その後頂上レストハウスに戻り、黒谷地駐車場から再び登山靴に履き替え黒谷地に向かいました。

 黒谷地は真っ白な雪に覆われ、展望台すら見えなくなっていました。

黒谷地への入り口付近(4月25日)

展望台が雪に埋まった黒谷地

 予定では、黒谷地の展望台で昼ご飯を食べることにしていましたが、座る場所もなく引き返しました。2~3m以上の雪に覆われていたのでしょう。 

 黒谷地から茶臼岳に向かう道案内のピンクリボンはありました。天気のいい日に茶臼岳に登って見たいと思いながら駐車場に戻りました。

 でも、今回は茶臼岳に登ることはできませんでした。

 

2022年5月8日日曜日

雪解け後の十和田湖と奥入瀬渓流

   4月17日(日)に松尾八幡平インターから東北自動車道に乗り十和田南インターで東北自動車道から降り、十和田湖と奥入瀬渓流に行ってきました。

 木々が芽吹く前でしたので見通しが良く、新緑や紅葉の時期とはまた違う一面を見ることができ、行って良かったと思いました。

早春の十和田湖(4月17日)

   休屋にある十和田湖ビジターセンター前の駐車場に車を止め、ビジターセンター内を見学した後、まだ営業前の遊覧船乗り場を通り、御前ヶ浜に建つ「おとめ像」や十和田神社周辺をゆっくり散策することができました。

これまでは、十和田神社まで足を延ばしたことはありませんでした。次回は、神社に向かう女坂の途中から階段で160m程登った山上にある「中の湖展望台」に行って見たいと思っています。

「おとめ像」に向かう湖畔歩道では、観光客がほとんどいなかったこともあり、クジャクチョウが数羽飛んでいました。

十和田湖畔のクジャクチョウ(4月17日)

また、あちこちにキクザキイチゲが咲き、ネコヤナギの花も満開でした。

十和田湖畔のキクザキイチゲ(4月17日)

十和田湖畔のネコヤナギ(4月17日)

休屋付近を散策した後は、車で子ノ口に向かい奥入瀬渓流の「銚子大滝」の駐車場に車を止め九段の滝まで遊歩道を歩きました。

奥入瀬渓流の銚子大滝(4月17日)

奥入瀬渓流の九段の滝(4月17日)

散策路の木々には葉がないので、雪が解けて増水した滝や川の流れが遠くからでも良く見えました。

奥入瀬渓流(4月17日)

その後、所々で車を止め渓流を見学し、焼山の奥入瀬フィールドミュージアムで休憩を取りました。

奥入瀬渓流にもキクザキイチゲがたくさん咲いていました。また、ネコノメソウやコケ類もたくさん生えていました。

奥入瀬渓流のキクザキイチゲ(4月17日)

奥入瀬渓流のネコノメソウ(4月17日)

牛久に戻る前に、新緑の奥入瀬渓流にも出かけようと思っていましたが、かないませんでしたので、次回の楽しみにしたいと思っています。

 

2022年5月7日土曜日

早春の姫神山登山とヒオドシチョウ

   4月12日(火)に岩手の姫神山(1,124m)に登りました。

5合目付近からは雪道でしたが、頂上には雪が無く、一羽のヒオドシチョウが飛んでいました。茨城の筑波山や小町山では良く見かけますが、岩手では初めてしっかり確認できました。

姫神山頂上のヒオドシチョウ(4月12日)


八幡平市から最も近い一本松コースでの登山でしたが、朝10時頃、駐車場には数台の車が止まっていました。駐車場から頂上までの標高差は約600mと手ごろな感じです。駐車場のトイレ入り口には登山者カードの提出箱がありました。

姫神山駐車場のトイレとキャンプ場の草原

刈り込まれた草原を少し進むと「姫神山入り口」の標識があり、そこから杉並木になり、杉並木を過ぎると長い階段が5合目まで続いていました。

姫神山の一本松コース登山口

姫神山五合目までの坂道の様子

五合目からは雪道でした。でもアイゼンを履く程ではないので、踏み後を確認しながら、楽しく登山できました。

姫神山五合目からの登山道(4月12日)

八合目の標識から頂上までも雪道が続いていましたが、岩だらけの頂上には雪はありませんでした。

姫神山頂上の様子(4月12日)

頂上には数名の登山者がいました。雲はほとんど無く天候は良かったのですが、モヤのために岩手山がぼんやりと霞んでいました。

下山途中で薄水色の小さな鳥を見かけました。過眼線が太くて黒かったので「モズ」なのかも知れません。頭付近まで綺麗な薄水色でした。鮮明な写真を撮ることができず残念でした。

姫神山下山途中に出会ったモズ

今回の帰省では、4月21日にも姫神山に登山することができました。登山道の雪は8合目付近だけ残っていて、12日よりも登りやすくなっており、カタクリの花も咲いていました。 

2022年5月6日金曜日

ささやかな手抜き菜園の野ネズミとワルファリン

   4月10日(日)に岩手に帰省し、「ささやかな手抜き菜園」の畑仕事や春に向かう近隣の観光地等を散策し、5月4日(水)に牛久に戻りました。

岩手への帰省中の4月12日に牛久では二人目の孫娘が無事誕生しました。ありがとう。妻は産後の世話を嫁の母親と交代し4月16日に岩手へ帰省しました。

4月10日は、牛久から常磐高速道路に乗り仙台を経て宮城県の富谷ジャンクションから東北自動車道路に入り盛岡南インターチェンジで高速道路を降りました。

サービスエリアでの楽しみは、草花や昆虫等の観察です。今回は、東北自動車道の前沢サービスエリアで、クジャクチョウに会いました。サービスエリアでクジャクチョウに出会ったのは初めてです。

前沢サービスエリアのクジャクチョウ(4月10日)

岩手の畑を度々訪問することはできないので、雑草とともに育ってくれることを期待し、小さな耕運機「ピアンタ」で数回耕運した後、ジャガイモと黒豆などの豆類を播種しました。できれば6月にも畑に行きたいのですが、まだ分かりません。

耕運機の運転は初めてでしたが、軽くて軽トラに自力で持ち上げ積み込むこともでき、スムーズに作業を進めることが出来ました。

作業後の手抜き菜園の様子(5月3日)

畑のスイセンは4月10にはまだ開花していませんでしたが、帰省中に満開になりました。でも、野草の花は乏しく蝶々等の昆虫類はほとんど見かけませんでした。一方、家の中にはクサギカメムシやスコットカメムシがたくさん侵入しており、暖房すると飛び回るので困りました。

野外で昆虫に会うことはまれでしたが、今回は初めて畑で野ネズミの子供を見つけました。誰もいない畑で巣穴の周りを自由に歩き回っていたようです。

畑で発見した野ネズミ(4月20日)

隠れたつもりの子ネズミ

日本には21種類程のネズミがいて、学術的ではないものの「野ネズミ」と「家ネズミ」に分類できるようです。

畑で見たのは「ハタネズミ」の兄弟姉妹のようです。5匹固まっていましたが、直ぐに巣穴に逃げ込みました。畑には巣穴があちこちにあり、共存しにくいので退治したいのですが、殺鼠剤は結局撒きませんでした。以前、サツマイモは全滅しましたがジャガイモの被害はいつも軽微でした。

殺鼠剤としては、血液の凝固を抑制する作用を示す「ワルファリン」が良く知られているようです。ワルファリンは牛の餌に由来する溶血症に関する研究から生まれた医薬品として有名です1)。

1940年代に牛の餌であるスイートクローバーに含有されるクマリンが、餌の貯蔵中にジクマリンに変化し、ジクマリンの化学構造がビタミンKに類似していることから、ビタミンKの作用が阻害されることによって溶血症が引き起こされるというメカニズムが解明されたようです。

殺鼠剤から血栓形成阻害薬へと発展

さらに研究が進み、より強い作用を示す医薬品としてワルファリンが開発され、ワルファリンは、現在むしろヒトの血栓形成予防薬として良く利用されていますので「牛の溶血症 → 殺鼠剤 → ヒトの医薬品」と用途が広がった興味深い事例になり、良く語り継がれているようです1)。


参考)

1)Karl Paul Link: The Discovery of Dicumarol and its Sequels., Circulation, 19, 97-107(1959)