2022年5月6日金曜日

ささやかな手抜き菜園の野ネズミとワルファリン

   4月10日(日)に岩手に帰省し、「ささやかな手抜き菜園」の畑仕事や春に向かう近隣の観光地等を散策し、5月4日(水)に牛久に戻りました。

岩手への帰省中の412日に牛久では二人目の孫娘が無事誕生しました。ありがとう。妻は産後の世話を嫁の母親と交代し416日に岩手へ帰省しました。

4月10日は、牛久から常磐高速道路に乗り仙台を経て宮城県の富谷ジャンクションから東北自動車道路に入り盛岡南インターチェンジで高速道路を降りました。

サービスエリアでの楽しみは、草花や昆虫等の観察です。今回は、東北自動車道の前沢サービスエリアで、クジャクチョウに会いました。サービスエリアでクジャクチョウに出会ったのは初めてです。

前沢サービスエリアのクジャクチョウ(4月10日)

岩手の畑を度々訪問することはできないので、雑草とともに育ってくれることを期待し、小さな耕運機「ピアンタ」で数回耕運した後、ジャガイモと黒豆などの豆類を播種しました。できれば6月にも畑に行きたいのですが、まだ分かりません。

耕運機の運転は初めてでしたが、軽くて軽トラに自力で持ち上げ積み込むこともでき、スムーズに作業を進めることが出来ました。

作業後の手抜き菜園の様子(5月3日)

畑のスイセンは410にはまだ開花していませんでしたが、帰省中に満開になりました。でも、野草の花は乏しく蝶々等の昆虫類はほとんど見かけませんでした。一方、家の中にはクサギカメムシやスコットカメムシがたくさん侵入しており、暖房すると飛び回るので困りました。

野外で昆虫に会うことはまれでしたが、今回は初めて畑で野ネズミの子供を見つけました。誰もいない畑で巣穴の周りを自由に歩き回っていたようです。

畑で発見した野ネズミ(4月20日)

隠れたつもりの子ネズミ

日本には21種類程のネズミがいて、学術的ではないものの「野ネズミ」と「家ネズミ」に分類できるようです。

畑で見たのは「ハタネズミ」の兄弟姉妹のようです。5匹固まっていましたが、直ぐに巣穴に逃げ込みました。畑には巣穴があちこちにあり、共存しにくいので退治したいのですが、殺鼠剤は結局撒きませんでした。以前、サツマイモは全滅しましたがジャガイモの被害はいつも軽微でした。

殺鼠剤としては、血液の凝固を抑制する作用を示す「ワルファリン」が良く知られているようです。ワルファリンは牛の餌に由来する溶血症に関する研究から生まれた医薬品として有名です1)

1940年代に牛の餌であるスイートクローバーに含有されるクマリンが、餌の貯蔵中にジクマリンに変化し、ジクマリンの化学構造がビタミンKに類似していることから、ビタミンKの作用が阻害されることによって溶血症が引き起こされるというメカニズムが解明されたようです。

殺鼠剤から血栓形成阻害薬へと発展

さらに研究が進み、より強い作用を示す医薬品としてワルファリンが開発され、ワルファリンは、現在むしろヒトの血栓形成予防薬として良く利用されていますので「牛の溶血症 → 殺鼠剤 → ヒトの医薬品」と用途が広がった興味深い事例になり、良く語り継がれているようです1)


参考)

1)Karl Paul Link: The Discovery of Dicumarol and its Sequels., Circulation, 19, 97-107(1959)

0 件のコメント:

コメントを投稿