2018年12月12日水曜日

大願寺や輪王寺散歩


10月25日に仙台市の新坂町から北山周辺の寺院巡りをしました。長町南駅から地下鉄南北線に乗車し北四番町駅で降り、東北大学医学部横を通り過ぎたところで右に曲がり、大願寺や荘厳寺さらに輪王寺を見学して北四番町駅に戻るコースです。

長町南駅の入り口の花壇にはイボテングダケが3本生えていました。常磐高速の中郷サービスエリアでは良く見かけましたが仙台で見かけたのは初めてです。
 結構良い天気に恵まれ北四番町駅から歩き始めましたが、東北大学医学部の植え込みではヤマトシジミが数羽飛んでいるのを見つけました。逃げ足が速いので写真を撮るのが大変でした。


 順調に歩き、大願寺では正宗の灰塚を見学しました。灰塚の周りに植えられた茶樹にはたくさんの花が咲き、さらにホトトギスの花も満開でした。蝶の影が頭上をスーと通り過ぎましたが目でとらえることはできませんでした。


次に原田甲斐一族の唯一の名残として現在に残る荘厳寺の門をくぐり中に入ったところ、大きく見事なモミジと松の古木に圧倒されました。どちらも長い年月を経て生じた空洞に詰め物が施され大事に管理されていました。モミジを見上げると青い空に吸い込まれそうでした。


荘厳寺から北山の輪王寺まではだいぶ距離があったのですが、一本道で迷うこともなくすんなりと到着できました。輪王寺は正宗夫人の願いによって福島県梁川に開山された寺であると言われており、正宗が仙台に居城するまでの間、正宗に随伴し6度も移動しているようです。寺の門から眺める参道は見応えがありました。有料で見学できる庭園には池もあり紅葉が綺麗なことで有名になっていますが、数年前に一度見学していることもあり、今回は庭園には入りませんでした。

輪王寺には、赤痢菌の発見者として世界的に有名な細菌学者である志賀潔の墓があり参拝しました。北里柴三郎は江戸時代に生まれ明治維新から間もない時代にも関わらずドイツに留学し、ペスト菌を発見するなど数々業績を残したことで有名ですが、中でも第1回ノーベル医学・生理学賞の最終候補者であったということですから驚きます。志賀潔も同様に活躍し、赤痢菌は志賀博士の名前にちなみShigella属と命名されています。病原菌に日本人の名前が付けられているのは、今でもこの赤痢菌だけのようですからすごいです。野口英世もそうですが、明治時代の日本人の活躍には目を見張るものがあります。この心意気がいつまでも続くような国であって欲しいと思います。

豆類の収穫とミノムシ


  しばらくブログを書いていませんでしたが、10月20日に豆類の収穫をしました。10月5日にも岩手の畑に行きましたが、紅花豆と白花豆はまだ花をつけていたので、少し待って20日に全ての豆類を収穫しました。

  蔓性の豆では、金時豆の葉が最も早く枯れ莢が乾燥し始めたので9月の終わりころから枯れ始めた莢を順次収穫しました。次いでモロッコ豆、虎豆、花豆の順に莢の乾燥が始まりましたが、花豆の花は10月になっても咲き続けましたので10月5日に根切りを行いました。

蔓なしの豆では小豆の莢が他の豆類より早く乾燥し、次いで大豆や黒大豆の茎葉が黄化し始めましたので、それぞれ5日に刈り取り収穫しました。残った緑豆とくらかけ豆は20日に刈り取り収穫しました。今回は密植栽培でしたので、収穫した豆はどれも小粒で、結構虫食いのものもありました。でも、それなりに収穫でき楽しかったです。


畑にはイナゴなどバッタ類がたくさんいました。またカメムシ類が目立ちます。豆類などから吸汁するツマジロカメムシを見つけ写真を撮りました。以前、背中にハート印を背負ったエサキモンキツノカメムシに仙台市で出会いましたが、それに比べこのツマジロカメムシはやや小型ですが結構綺麗です。


オツネントンボも数匹見つけました。オツネントンボは成虫で越冬するとのことなにで、これから来る冬に耐え春まで生き延びれるように応援しようと思いました。

家の板壁にはミノムシしっかりとくっついていました。雄なのか雌なのか分かりませんが、首尾よく冬を越すことができればサクラの花が終わるころに蛹になりやがて羽化するとのことです。羽化した雄の口は退化し餌を食べることもなく雌を探し求め、一方の雌には羽も足も無く蓑の中の蛹の殻の中で雄を呼び寄せるフェロモンを出しながらじっと待つそうです。やがて雄を受け入れた雌は蛹の殻の中に産卵し、干からびて蓑からこぼれ落ちその一生を終えるとのことです。卵から孵化した幼虫は糸を吐いて風に乗り餌場にたどり着き葉を食べそこで成長する訳ですが、この幼虫時代がミノムシの活動期で、人間にとっては害虫ということになります。

秋から冬にかけて蓑をまとい命をつなぐこのミノムシの一生に、生物の多様性とともに切なさを感じます。ミノムシは秋の季語で、鳴くことのないミノムシの声を昔から俳人が聞き取り俳句を詠んだと言われていますので、その感性にも驚かされました。


2018年9月30日日曜日

三神峯公園のイチモンジセセリやシジミチョウ


 三神峯公園には野葡萄もたくさん生えています。その実は食べられるそうですが、普通のブドウと違って色とりどりなので少し不気味でこれまで食べたことはありません。でも、野葡萄の鮮やかな実を見るとやっぱり秋を感じます。
ノコンギクやアザミの周りにはたくさんの昆虫がいました。この時期、特に目立つのはイチモンジセセリです。芝生から離れて雑草の多い所を歩き始めると小さなチョウが飛び立ちます。イチモンジセセリです。花に止まってジッとしているので写真が撮りやすいタイプです。まん丸の目がかわいいです。私にとっては、ベニシジミと並んで被写体として協力してくれる仲間です。たぶん親戚だと思われるチャバネセセリやオオチャバネセセリにもこれまでたくさんの写真を撮らせてもらっています。
シジミチョウ類もたくさん飛び回ります。でもこちらは写真に撮るのは難しいです。私の動きを敏感に捕らえてじっとしていません。失敗ばかりだったので、三神峯公園から足をのばして天沼公園にいってみたところ清掃ボランティアの方々がたくさんおられました。邪魔にならないよう直ぐに戻りました。でも、そこで運よくルリシジミの写真を撮ることが出来ました。花壇の千日紅にツガイと思われるルリシジミがいて、カメラを近づけても逃げませんでした。ラッキーでした。
三神峯公園に戻り、ツバメシジミとベニシジミの写真を撮ることができました。ツバメシジミは結構たくさん飛び回っていましたが、素早いので羽を広げた写真はとることができませんでした。
小さな蛾類も結構飛んでいます。足元から草の葉の裏に飛んで隠れた蛾の写真を撮り、後で確認したところ鬼のような顔をした蛾でした。イチジクキンウワバのようです。足元には青色の芋虫もいたので、ついでに写真を撮って調べたところ、イチジクキンウワバの幼虫のようです。幼虫と成虫をセットで撮れていた訳で、とても幸運でした。帰りには、セリ科の花に青色のカナブンのような虫がいるのを見つけ写真を撮りましたが、後で調べたところコアオハナムグリと呼ばれる甲虫でした。結構綺麗な虫です。初めて見ました。
身の回りにはたくさんの小さな生き物がいる訳ですが、これまで気に留めて見ることはありませんでした。昆虫に注目してから2年が経ち、次第に虫が見えるようになってきました。

三神峯公園のヒョウモンチョウ類

 三神峯公園に行ってきました。公園ではイチョウの葉が色づき始め、ノコンギクやアザミの花がたくさん咲いていました。
天気が良かったので、アザミの花の周りをヒョウモンチョウ類がたくさん飛んでいました。羽に黒の縁取り線のないミドリヒョウモンと思われる種類が多く見られましたが、ほとんどのチョウの羽が傷んでいました。
ウラギンヒョウモンもミドリヒョウモンとともにアザミの花の蜜を吸っていました。一方、クモガタヒョウモンは少し離れた場所に咲いているノコンギクに止まっていました。

でもやはり目立つのは、ツマグロヒョウモンです。一羽だけいました。ツマグロヒョウモンは南方系のヒョウモンチョウのようで、1980年代の北限は近畿地方だったとのことです。でも、昨年も三神峯公園で見かけていますので、仙台に定着している可能性が高いと思われます。岩手ではまだ出会っていませんので、現在は宮城県が北限になっているのでしょうか。
ヒョウモンチョウ族(Argynnini)の幼虫は、コヒョウモンを除いて、キントラノオ目(Malpighiales)のスミレ科(Violaceae)を宿主(食草)としているとのことですが、多食性(Polyphagy)であることから他の植物も餌として食べることができるようです1,2)。特に、ツマグロヒョウモンは山野草としてのスミレ類の他、園芸種のパンジーも餌として食べることが出来ることから、生息域の拡大が可能になっているものと推定されています。
ヒョウモンチョウは目立つので、私はこの2年間たくさんの写真を撮りました。ミドリヒョウモンは樹木に産み付けられた卵で越冬し、春に孵化した幼虫が樹木を降りてスミレ類を食べ成長するようです。幼虫はまだ見たことがありませんので、これから気に留めて探して見たいと思っています。成虫についても少しずつ種類の同定も可能になってきたので、これからの遭遇を楽しみにしています。

参考)
1)Soren Nylin et al.: Evolution 68(1),105-124(2013)
2)Thomas J. Simonsen et al.: Biol. J. Linnean Soc., 89, 627-673(2006)

2018年9月29日土曜日

クスサンと蜘蛛の糸そしてエアロシェル


 9月24日(月)に茨城から仙台に戻りました。自宅玄関のドアに近づいたところ、鍵穴と反対側の隅に大きな蛾が止まっていることに気づきました。写真を撮った後、鍵で触ったところそのままズルズルと下に落ちました。かなり弱っている様子なので、さらに鍵で触ったところ突然バタバタ羽ばたきをし始め、ベランダの柵を超えてヒラヒラと舞い上がり夕闇の空に消えてしまいました。


後で調べたところ、クスサン(Caligula japonica)でした。クスサンの幼虫はクリやクヌギ、サクラ、ウメ、ギンナンなどに大発生することのある害虫で、かなり大きくてしかも白い毛が生えているのでシラガタロウと呼ばれているそうです。でも、大きな蛾がどうやって6階の部屋まで飛んできたのだろうか。不思議です。実は岩手の家でも8月に大きな蛾に出会いました。クスサンよりきれいな蛾でヤママユでした。

クスサンもヤママユも共に繭を造る蛾で、ヤママユは天蚕として絹の生産に活用される程有名ですが、一方クスサンの繭は穴の開いた小さな籠状のもので糸は短いものの強く、酢酸に浸すと魚釣りのテグスとして利用できる程だそうです。昆虫が造る糸として、最近は「蜘蛛の糸」がとても強いということで有名になり、織物など産業への利活用が話題になっていますので、クスサンとの比較に興味を持ちました。

 カイコやクスサンなどの野蚕の糸と蜘蛛の糸の強さを比較したデータがHandbook of Natural Fibers1)に記載されていました。それによると、クスサンは強いものの「蜘蛛の糸」より千切れやすいようです。中国産のサクサンと呼ばれる野蚕の糸の中には蜘蛛の糸に勝るものもあるようです。
 糸の強さには糸を形成しているアミノ酸の組成が大きく影響する訳ですが、カイコや野蚕、蜘蛛の糸のアミノ酸組成についておおざっぱに整理すると、カイコの絹より野蚕の糸のほうがアラニンが多くなっており2)、また蜘蛛の糸にはプロリンとグルタミン酸が多いことが分かっているようです。蜘蛛の糸のプロリンはタンパク質の糸を折り曲げて束ねる特性を持つので、強度の向上に寄与しているといわれています。
 糸の強さについては、合成繊維の分野も日進月歩のようです。絹の構造をまねて1935年にカローザスによって造られたペプチド結合を持つナイロンは画期的なものですが、同様の反応でさらに炭素密度の高い「ケブラー」の生産が可能になり、防弾チョッキにも採用されるまでになっています。さらにナイロン(Nylon)のNをZ(最後の文字)に変えた「ザイロン(Zylon)」は紫外線耐性が問題視されているものの、ケブラーより高強度かつ高温耐性であるとされ、最近では人工衛星等の大気圏突入の際の速度低減用のエアロシェルとしての活用が期待されています。

  日本が行った小型衛星(EGG)による試験では良い成績が得られたようです3)。

 参考)
1)Handbook of Natural Fibers, Ed by Ryszard M. Kozlowski (2012)
2)  http://www.naro.affrc.go.jp/archive/nias/silkwave/hiroba//Library
  /SeisiKD/57SKD2004/3komatsu.pdf
3)www.isas.jaxa.jp/topics/001003.html

2018年9月19日水曜日

シオンの花に集まるヒョウモンチョウとオオチャバネセセリ

    畑ではモンシロチョウやモンキチョウがたくさん飛びまわり、時々アゲハ蝶も飛んできます。これらのチョウは良く見かけるので写真に撮ることはあまりしませんが、タテハチョウについては全く知識がなく見かけることも少なかったので、最近興味を持ち始め写真に撮っています。

調べてみるとタテハチョウ科には、日本の国蝶とされるコムラサキ亜科のオオムラサキや人気の高いマダラチョウ亜科のアサギマダラの他に日本には分布しないものの世界的に有名なモルフォチョウ亜科のモルフォチョウなどが属しているようです。

これら有名なチョウをまだ見たことはありませんが、私が畑で良く目にするキタテハやアカタテハなどはタテハチョウ亜科に属するようです。岩手の焼け走り国際交流村でキャンプした際に遭遇したクジャクチョウもタテハチョウ亜科に分類され、その他に見栄えのするルリタテハやキベリタテハも属するとのことなので、それらとの遭遇を期待しています。一方、ヒョウモンチョウ類は有毒なカバマダラに擬態しているとのことでドクチョウ亜科に分類されているようです。

9月の畑のシオン(紫苑)には、キタテハやアカタテハの他にヒョウモンチョウもたくさん集まっていました。ヒョウモンチョウ類の同定はとても難しいので写真を撮った後で羽の文様などをじっくりと見比べて見たものの、メスグロヒョウモンの雌以外は今後さらに精査が必要だと思っています。

今回のやや強引な同定結果によるとシオンの花にはクモガタヒョウモンが多く集まっていたようです。また、ナミガタヒョウモンやミドリヒョウモンの雄も確認できました。さらに、初めてのことですが黒色の羽を持つメスグロヒョウモンの雌にも遭遇しました。メスグロヒョウモンの雌は直ぐに飛んで行ってしまい、しっかりした写真は撮れませんでした。残念です。
今回、9月15日と16日に撮った写真で確認できたものはクモガタヒョウモンとナミヒョウモン、ミドリヒョウモンの雄、それにメスグロヒョウモンの雌でしたが、9月1日にはヒマワリに止まっているウラギンヒョウモンの写真も撮っています。また、昨年は同じシオンの花にミドリヒョウモンの雌が止まっている写真を撮っています。
岩手では確認できませんでしたが、仙台の三神峯公園では昨年の9月6日にツマグロヒョウモンの写真を撮りました。写真を撮った後で整理する程度の知識しかないのですが、意外にもこれまでに様々なヒョウモンチョウと出会っていることが分かりました。
シオンの花には、ベニシジミやオオチャバネセセリも結構たくさんいました。また、蜜を吸う蛾もいました。蛾は羽を小刻みに震わせながら蜜を吸っているので、焦点があいませんでした。その他、もちろんハナアブや蠅類もいましたが、今回はそれらの写真は撮っていません。
羽が無傷のチョウの写真を撮りたいところですが、そのためには数日間粘り、相当数のチョウの写真を撮る必要があるようです。今のところは無理かも知れません。心情的には、我が身と重なる羽が千切れたチョウに応援したくなります。


シオンの花に集まるアカタテハやキタテハ


 豆畑の隣に花を少し植えています。春にはスイセンやジャーマンアイリス、ミヤギノハギ、夏から秋にはラベンダーやギボウシ、シオン(紫苑)が咲きます。これだけでは寂しいので、ヒマワリやマリーゴールドを毎年植えるようにしています。無計画な植え方で野草と一体化しているので、草とともに花も刈ってしまい良く怒られてしまいます。野草の中に花が自主的に咲いているといった状態なので、立ち止まって見てくれる方はいません。横目で見ながら通り過ぎる程度です。

 でも、そんな中でシオン(紫苑)はすごいです。花が咲くと様々なチョウやハナアブが集まり大宴会のようになります。カナムグラやヒルガオの蔓がからまり、その上ヨモギやツユクサ、イヌビエなども共存しているので、見栄えは悪いのですが虫にとっては安住の地に見えるのでしょうか。

 昨年はハナアブが目に付きましたが、今年はタテハチョウが多く集まっていました。特に、これまであまり見なかったヒメアカタテハとアカタテハが数羽飛んでいて感激しました。なかなか傍まで近寄れませんでしたが、綺麗だな~と思いました。
 でも何といってもやっぱりキタテハ類がたくさん集まっていました。キタテハ類にはキタテハとシータテハなどの種類があるようです。キタテハには羽裏に白いL字が、シータテハには白いC字があるとのことですが、羽裏の識別サインを確認して写真を撮る程の余裕がないので、手あたり次第に写真を撮って後で調べることにしました。残念ながら、今回の写真にはキタテハだけが写っていました。昨年も同じだったので、この付近にはシータテハはいないのだろうか。
 この他シオンの花にはヒョウモンチョウ類も集まっていましたが写真が多くなるので、この項はここまでにして別途続けて書くことにしました。